デジタル機器と過去の力2008年11月22日 07:41

あるデジタル機器の開発ミーティングで話題になった話です。その機器はデータをログしていて、それを時系列で有用なグラフィックに変換するものです。その機能から話題が転じました。

一枚の模造紙に、写真を貼ったり図に書いたりしながら自分の一生を表したものを壁に貼っておくことが、認知症の治療で効果があるそうです。自身の一生を俯瞰して、「あぁ、あの時はこんなことがあったな」「この時は辛かったけど頑張ったな」「旅行は楽しかったな」などと、思い出を懐かしむ事が脳の機能を回復させるのだそうです。(「回想療法」と呼ばれているものの一つのようです。)

医療についての詳しい事は判りませんが、人生の終盤において自身の過去を振り返ってみて、それを懐かしむ事が出来たなら、それはやっぱり幸福なことでしょうね。

話は飛びますが、ピニンファリーナのチーフでフェラーリなどのデザインをされていた奥山清行さんが、「成功者が最後に買うもの、それは「過去」だ」とおっしゃっていました。フェラーリの赤は血の赤、その血こそ開発者の歴史の象徴なのだとも。

話もっと飛びますが、「過去を幸福にする」ことがデジタル機器のこれからのテーマかもしれません、、て、飛躍し過ぎですね。このあたりはもう少し考えて見たいと思います。
dmc.
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