螺旋2008年12月01日 20:53

ハノーファー 螺旋
ハノーファー、北ドイツの小さな美しい都市です。中央駅を中心にお城のような市庁舎や森、教会、公園などが整い、国際空港もタクシーですぐです。風光明媚で交通の便がよいことから国際見本市が多数行われています。

写真はハノーファーの休日。この日のために特別な髭を整えていらした陽気なおじいさん。
駅前の広場に楽団が出て、屋台のビールやブルスト(ソーセージ)をつまみながらダンスを披露する方が沢山。若い人もお年寄りもそれぞれとても楽しそうに踊っていました。

公式サイト
http://www.hannover.de/

大屋根2008年12月02日 13:20

大屋根 ソニーセンター
真冬のベルリン、ポツダム広場。
ソニーセンターのフォーラムという広場にかけられた大きなテント状の屋根です。落ち続ける落下傘のようでもあり、昇り続ける気球のようにも見えます。この屋根をしばらく見上げていたら、ここちよい浮遊感を覚えました。でも寒かった!

ソニーセンター
http://www.sonycenter.de/

機能と性能2008年12月03日 15:39

具体的なお話ではありませんので、ちょっと分りにくいかも知れません。コンセプトの話です。

デザインをするにあたり、コンセプトがとても重要で、これを徹頭徹尾守る事(もしくは積み上げる事)が大切なのですが、これが至難の業のように思える事があります。状況はケースバイケースですが、様々な要求を引受けることで本来のコンセプトを見失う、、ということも有り得ます。

それらの要求は「よりいいもの」を求めているはずですが、要求は個別で(散文的で)同じベクトルを向いていません。これを受止められることが「コンセプトが重要である根拠」といえます。コンセプトが的を射たものであり、みなに共有されていれば、それぞれの要求がいい方向へと向かいやすいのです。

開発の途上、様々な要求に応えた後、何らかの収束が必要になります。機能と性能のどちらを優先するかも、この様な局面でしばしば議論されますね。(おおよそは機能優先におちつく傾向があります。)この時、コストだけではなくコンセプトに照らしてみてどのような仕様が望ましいのかを検討すると上手くいくことが多いです。
それはコンセプトが「ユーザーにとって価値のある事とは何か」を捉えたものだからです。

(やっぱりちょっと分りにくかったですね・・)

茶器2008年12月04日 14:41

中国茶
日本のお茶とは違う、奥深い広がりと魅力を持つ中国茶の世界。少し前までは「おいしいお茶」程度の関心しかなかったのですが、芳香の豊かさ、味わいの広さ、点心の美味しさ、茶道具の可愛さ、季節との交わりの深さ等々、、その魅力を再認識してとても気になっています。
お茶に限らず、嗜好品の奥深さは文化そのもの。時間を掛けて知って行きたいと思います。

そして、茶器のデザインに血が騒ぎます。今いくつかのアイデアが巡っていまして、、これらは、ご披露する日が来ると信じて。

素材2008年12月05日 23:36

今日、ある素材の加工を得意とされるメーカー様とデザインを付加価値とした商品開発についてお話をさせて頂きました。そのメーカーの製品は素材の美しさが際立っています。素材を知っている事の強さ、を感じました。

一方で、機能、性能、スタイルが整うだけでは思うように売れない、という現実も。
不足している「流通チャンネル」と「付加価値」を、持てるリソースの中でいかに確立して行くか、利益が出る事業に転換して行くか、、知恵の絞り所です。(とはいえこれが楽しいのです!)

一回性2008年12月06日 13:25

商品を世に出す過程において、今現在している仕事の「一回性」について思いが巡る事が時々あります。

既存の市場で、マイナーチェンジの商品を開発する理由と、その商品を手にしたユーザーの生活に、切実な接点を見いだせなければ、これは単なるルーチンワークとなってしまうでしょう。その切実さとは何でしょうか。

「一回性」とは脳科学の言葉だそうですが、ネットの辞書には「一回起こっただけで、再び起こることはないということ。」とありました。ユーザーにとって一生に一度の体験となること。

一生に一度とは大げさですが、何気ない日常にも潜んでいるはずです。例えば「あぁそうだったんだ」と何かに気付くと、それはもう二度と起きない体験ですよね。些細な、でも特別な経験をユーザーにもたらすデザインであれば、それは切実な接点と成りえるなぁ、、と考えています。

修理2008年12月08日 11:28

コペンハーゲン 傾いた家
今年を振り返る企画の多くが「エコ」を取り上げていました。エコロジー+エコノミーが今年のトレンドだったようです。
・・と、過去形にしてしまっていいテーマではないはずなので、少しつけ足しを。。

売れる事。
売れない商品ほど資源の無駄使いはありません。

愛される事。
成熟市場でも買替え前提の市場でも、製品が愛されて長く使われる事が次の消費への示唆を含んでいるように思います。

直せる事。
ロングライフはロングセラーの必然といっていいかも知れません。

これらはもともとエコロジーの要求ではないのですよね。でもそれを見直そうと、そういう一年だったと思います。


写真は冬のコペンハーゲン。
可愛らしさとともに、直して使い続けることの誇りの様なものを感じた場面です。

デザインが変わる時2008年12月09日 11:43

灯台
技術が新しくなったとき、素材が新しくなったとき、価値観が変わったとき、の3つのタイミングでデザインが変わります。もちろん個別に様々な要因がありますが、背景はこの3つのいずれかに集約されると言っていいと思います。

今は価値観の大転換期。それは技術と素材へも様々な変化を促すでしょう。ニュースは暗いものが目立ちますが、その向こうに本当に新しいものが透けて見える気がしています。

花器2008年12月10日 13:12

ミチクサ
今、ある器をデザインしています。素材の見直しと定番の再定義が課題です。
ところで「器」のデザインを行うと、デザインのスタンスを顕にされるような気がします。

・用にかなう。

・美しい。

・引き立てる。

美しくかつ不完全さを伴う形が、関わる人の行為を誘い、新たな形が作られ、心に触れる。

ものそのものの魅力に加えて、それを通じた経験が素敵なこと。今のデザインに求められているものですね。

音のイメージ2008年12月11日 13:37

昨日のニュースです。

パイオニアの「Sound Lab.」が企業Webグランプリを受賞しました。このサイトに深く関わっておられる方とご縁があり、素敵な仕事だなぁ、と感じておりましたので、それが評価されたことはとても嬉しく思いました。

旅先で納めた音と数枚のスナップが、様々な憧景となって旅情を高ぶらせます。目を閉じて音に心を傾けるのはこんなに心地よかったのか、と思いだしました。人気の「音俳句」では、想像力で遊ぶ楽しさも。ここに訪れると豊かな時間を感じる、、その様なサイトです。

Sound Lab.
http://pioneer.jp/soundlab/
dmc.
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