「美しい『花』がある。」2009年06月12日 15:25

美しい「花」がある。「花」の美しさといふ様なものはない。

作家小林秀雄氏の有名な一節です。解釈を受け付けないものこそが美しい、という氏の思想が率直に伝わって来ます。

私などはこの言葉の前にはただただ黙するしかありませんが、賛否をあわせて多くの著名な方が様々に論じられていますので、「美」についての一つの究極の表現なのでしょう。

ただ、氏はそう言いながらも、「花」の美しさを何とか言葉に表そうと、生涯を通して格闘されている様にも思えます。ですから、この言葉は氏が自分自身と対峙すべきテーマとして打ち立てたのかも知れません。。

さて、デザインにおいての「美」とは、どういう物なのでしょう。このテーマも様々な論があることと思いますが、私は経験的には以下の様に感じています。

「デザインは美を目的にするとは限らない」
「美しさのないものはいいデザインとは言えない」

これを「解釈」してみますと、以下の様にも捉えられます。

1)美を目指さなくても、いいデザインは美しくなる
2)美しいことは前提で、その上にデザインがある

1と2は発想が逆ですが、いかがでしょう。。
私は「どちらもそう言うことなのだろう」くらいに大きく捉えて、デザインを良くして行く事に励んで行ければと思います。
dmc.
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