「江戸園芸花尽し」2009年11月26日 23:16

企画展「江戸園芸花尽し」を観に原宿の太田記念美術館に行ってきました。
浮世絵 太田記念美術館

平時が長く続いた江戸期は、庶民の身近な楽しみとして園芸が大変盛んだったそうです。変わり朝顔や菊の細工、吊り忍(つりしのぶ)に正月の福寿草など、今も残る季節を飾る鉢はその名残です。
私の好きな盆栽も大いに盛んだったと聞いていますので、当世風俗を描いた浮世絵にはその頃流行りの形や咲かせ方も残っている事でしょう。

画像でいくつか紹介いたしますと、、

如雨露
歌川芳虎「座しき八景の内 上漏の松の雨」
如雨露が描かれていますね。

撫子を売る植木売り
歌川芳幾「染ゆかた 夏のいろどり」
撫子(なでしこ)を持つ植木屋さんです。植木屋さんはちょっとした人気のキャラクターで、植木屋に扮した役者絵が沢山残っているそうです。

寝ぼけ顔 朝顔
喜多川歌麿「娘日時計 辰ノ刻」朝顔
早朝の様子を描いたもので、胸元がはだけた寝ぼけ顔で歯ブラシ(楊枝)を加えたまま朝顔をのぞき込んでいます。日常が垣間見えて好きな絵です。

おもちゃ絵
歌川芳豊「新板 植木尽」
「おもちゃ絵」というそうですが、子供向けの図鑑ですね。

歌川広重
歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」
ゴッホが感動して模写した作品です。これをご覧になった方は多いことでしょう。私も何度か観た事があります。(浮世絵は版画ですから同じ絵ではないと思いますが)
この絵はやはり力強かったです。

この他にも美しい絵、楽しい絵、興味深い絵が沢山ありました。
江戸期の植木屋はちょっとしたテーマパークのような賑わいだったり、花の時期だけメインストリートに満開の桜を植えていたりしたことも知りました。

そして何より「筆の力」を感じました。何度も再確認している事ではありますがその力は説明不要であり普遍なものなのですね。

私たちのデザインにおいても、その純粋な力をもっともっと強化して行きたいと思いました。
dmc.
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