「ゼー六」 ― 2009年12月02日 20:58
大阪の堺筋本町に素敵な喫茶店がありました。
ゼー六
戦災を逃れた昭和初期の二階屋に、店内は年季を感じる凝ったしつらえ。雑然としていますがそれがほっとさせる空間になっています。
メニューに「コーヒー200円」「アイスモナカ200円」とあります。
驚きは安さだけでなく、コーヒーは自家焙煎、アイスは毎朝ご主人が手作りされているものです。それも実に美味しい。アイスはさっぱりと懐かしくて飽きの来ないものでした。
凄いなぁ、と感動して、写真を撮らせて頂きました。戦前から商売をしていて今は三代目との事です。
屋号はご主人のお名前かと思い伺いますと、ゼー六とは大阪商人の心得だと教えて下さいました。
ネットで検索して見ますと「贅六とは上方を揶揄する言葉。才六の江戸訛り」と出ています。命名された先代は当然それは承知の上で、洒落と含蓄を込めたのでしょうね。
「袖の下でなく袖の中で商売せぇ、っちゅうこっちゃな」
袖の下=賄賂=金の力ではなく、袖の中=腕=実力で商売しろ、と。人懐っこく落語家のような語り口で、笑わさなければ失礼とでもいうようなサービス精神で「贅六」について教えて下さいました。
頭でもなく心でもなく腹に収まる言葉。また拝聴しに参りたいと思います。
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