手触りのある絵2009年12月15日 22:35

全盲の画家「エスレフ・アーマガン」
トルコの全盲の画家「エスレフ・アーマガン」さん。
ボルボの新車、S60のキャンペーンで描いた絵の前での写真です。
このプロモーションに接するまで存じ上げなかったのですが、独学で絵画を習得、世界中にファンがいらっしゃるのですね。
上の写真も笑顔ですが、いつも笑顔を絶やさないお人柄のようで、絵にもやさしさが溢れていますね。

絵を描く時はまず対象物を触り、鉛筆でスケッチをし、わずかな筆跡を指でたどって確かめ、紙粘土でラインを引き、色を塗って行くそうです。
アーマガンさんの絵を拝見しますと、「見る」というのは目だけのものではないのだなぁ、とつくづく思います。アーマガンさんは「世界を知りたい」とおっしゃいます。指、それと恐らく耳で世界を「見ている」のでしょう。

「見る」というのは感じる事の一つですが、ただ感じるだけではなく、感じたものの量と関係性を捉えることで、より明瞭な像として立体化して行く事だとも言えるかもしれません。
ただ感じるだけではなく、「見る」ことが大切だ、と改めて思いました。

エスレフ・アーマガン
http://www.armagan.com/view.asp?i=1

S60キャンペーンムービー

袖振り合うも他生の縁2009年12月16日 23:59

今年は沢山のご縁に恵まれて、その不思議なことを改めて思いました。
「他生の縁」とは深遠な表現ですが、偶然と言えば偶然であり、必然と思えば思い当たることもなくはない、、。たしかにそう言う深い所の繋がりと言うものもあるのかもしれない、と思うことが多かったです。

デザインしたものが世に出て皆様に受容れられるようになることを思うと、時代の要請にかなうものであるならば自分以外の誰かがそれをするはずであるとも思えます。でも確実に自分たちの仕事として残って行く。。
ここにも偶然と必然の間に何かが横たわっていそうで、それを縁と呼ぶのかもしれません。

話が抽象的になってしまいましたが、この「偶然と必然の間」をたぐり寄せる仕事が私は好きなのだと思います。

20年もの2009年12月17日 17:53

観覧車 コスモクロック
みなとみらいの観覧車「コスモクロック21」です。 20年ものヴィンテージらしくグラスに浮かべて、、というわけではないのですが、携帯ならではのレトロ調に撮れました。

'89年の横浜博で造られ、移設されて現在の場所に建っています。
建造中を覚えていますが、職人さんが鉄骨の上に乗って作業していました。その姿が、帆船のマストに並ぶ船員と重なって、港らしい風景だなと思っていました。

コスモクロック21
http://ja.wikipedia.org/wiki/コスモクロック21

やさしくなる方法2009年12月18日 21:10

これは家族が教育の専門家から伺ってきた話の受売なのですが、「どうしたらやさしい人に成れるのか」を聞きました。

それはとても簡単で「やさしい人の傍にいてじっとしていること」だそうです。やさしい人の傍で、その人のやさしさに触れているとだんだん自然にやさしくなって行くのだと。
また、やさしい人は人の話を良く聴き、穏やかでくよくよしないのだとも。

その方は初等教育が専門だそうですが、「対照的に、頭のいい人の傍でじっとしていても頭は良くならない」ともおっしゃっていたそうです。

この話は一人の親として身につまされるとともに、日ごろ手がけさせて頂いている「ユーザーインターフェイスデザイン」についても思うことがありました。
シンプルな経験則としまして、理の通った知的なものよりも、情に訴えかけるものの方がはるかに「使いやすい」「心地よい」と感じるのです。
大切なのは理解の正確さではなく、「通じた」と感じられる事なのですよね。

「情はうつる。知はうつらない。」
至言だと思います。

キャンドルアート2009年12月21日 11:17

先週末、みなとみらいで「西区キャンドルアート」が行われていました。

西区キャンドルアート

美術館前の街灯の控目な思いの外暗い空間に、沢山のキャンドルが飾られていて綺麗です。ハンドベルの演奏などもあり、冷たい空気によく響いていました。

西区キャンドルアート

キャンドルには子供たちの絵やメッセージが。西区内の小中学校の子供たちが中心となっているそうです。

みなとみらいで数年前からこの時期に行われていますが、街路樹に電飾をまとわせたものより幻想的で郷愁を感じるのは、地面に炎があるせいかもしれません。

西区キャンドルアート


調べましたら各地で行われているそうですね。当地でも同時期に複数の主催で行われていました。
dmc.
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