「きれいなものと大きな文字」2010年03月30日 23:59

私の周囲には70歳以上でiPhoneを使いこなす方が複数いらっしゃいます。ちょっとびっくりですが、既存の携帯電話ではままならなかったことが出来る様になり喜んでおられる様でした。
本来の意味とは少し異なりますが、これも「MAYA段階=受容れられる先進性」の絶妙な所かもしれません。

ここ数年は、人口分布からすれば当然なのですが、50代以上の方向けの商品開発が増えています。
以前から先輩方のための商品開発に携わらせて頂いておりますが、UIにおいて大きく変ったことは、「デジタル機器に慣れた」と捉えられることです。これは、全ての方が使えるようになった、ということではなく、使える人が増えた、使える人の習熟度が上がった、という意味です。使えない人はいても総体として使えるようになった、ということですね。

使えない人、使えないと思っている人がまだまだいらっしゃることは、商品構成をどうするか、サービスをどのように提供するか、という計画に重要な影を落としています。使える人にはどんどん使いこなしてもらいながら、使えない人をフォローして行くためには、沢山の選択肢を用意する、もしくは別のアプローチが必要でしょう。
冒頭の例は、その機器の伝統的な使い方を捨ててトータルに開発していかないと飛躍はできない、という示唆なのかもしれません。

さて、先輩方のUIにおいて変らないことは「大きさ」です。文字もアイコンも小さいものは見落とされてしまいます。また、アイコンやグラフィックよりも文字を頼っている傾向も変わらないようです。

話が飛びますが、町内の催し物のチラシや券などで最も評判の良かったものは「写真+大きな文字」のものでした。写真は花、富士山などぱっと見てきれいなもの、文字は書体が整っていることよりもコントラストがしっかりして読みやすいものの方がいいようです。
美しいことと情報が伝わることを切り離した方が間違いがないようですね。

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