感情移入2010年06月28日 12:57

私は小説が好きなのですが、主人公に感情移入して、一緒に一喜一憂し、物語を疑似体験する、、ありふれていますが、この「世界に浸る」感覚を、やっぱり味わいたいですね。

さて、商品を開発販売するにあたって、物語の重要性がよく言われますが、物語が購買に結びつくのは、この「感情移入」という行為が大きく関わっているのは間違いないでしょう。

そして、感情移入するのは「私にとって特別なもの」という商品だけではありません。
例えばメールやブログが面白くて「この人と話がしたいから買う」といってお客さんが集まるネットショップがあります。
また、非常に徹底した姿勢で商品を作り続ける職人を支援して「潰してはいけない」と遠方から集まるお店もあります。
貧困国の製品を、応援したい気持ちから積極的に購入する事例もしばしば耳にします。

「大切な商品」「大切な人」「大切なお店」「大切な機会」「大切なテーマ」と様々な側面で感情移入できるのですから、技術、商品、値段、スピード等々、それぞれはたとえ一番ではなくても、そのお客様にとっての「大切な何か」が提供できることで、愛して下さる商品、店舗になれるのですね。
当たり前のようで、この点を競争力として認識している方は案外少ないかも知れません。

私自身も含めて、作る人も売る人も買う人も、それぞれ固有の物語に感情移入できるかどうか、、ここが勝負です。
dmc.
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