町内会のすすめ2010年09月07日 23:59

防災訓練
先週末、町内の防災訓練に参加してきました。写真は発電機を掛けているところです。

大規模地震があった場合を想定して、避難場所と経路の確認、安否確認、人命救助の基本とトリアージ、炊き出し、トイレ、電気、その日の備え等々、短時間にポイントを抑えた内容を実践的にご教示頂きました。

私は町内会の活動を始めて2年程度ですが、実に様々な課題が厳然とあり、それに対しての些細ながらも大切なスキルがあり、そこに関わる事で沢山の気付きを得る事が出来ます。

例えば独居老人のこと。
昔ながらの低機密密集型の住宅では、玄関先で涼んでいるだけでも季節や天気を感じ、挨拶を交わし、会話を交わし、存在を周囲に見せる事が出来ます。これは独居老人にとっては恩恵と言えるでしょう。
一方、高気密集合住宅で引きこもってしまった場合はどうでしょう。現在ニュースを騒がせているような現象の、構造的背景になっていると言われても仕方ありません。

これは「マンションがダメだ」という結論を短絡的に導くものではなく、集合住宅を考えて行く際にしっかり考えるべき課題を示唆するものです。

同様に、防犯、防災、イベントなどなど、現在主流のスタイルが、いかに一方的な価値観ででき上がっているかを知る事が出来るでしょう。
これはデザイナーにとってとても大切な事だとおもいます。

ところで「世界を変える!」と日本を飛び出す勇気を持った若者が増えていてとても頼もしいですね。
ぜひそういう方は、世界に跳び出す前に、町内会を「足元にある課題を感じて対応して行く訓練」のインターンシップと思って参加して見て下さい。普遍的な何かに出会えるかもしれませんから。
dmc.
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