実物のイメージ力2010年10月19日 23:19

GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)では「アイコン」を良く使います。
アイコンの詳しい歴史は存じませんが、一般的に以前からあるピクトグラムや図を画面上に用いて、ソフトウエアの機能や概念を記号化したものですね。
アイコンの認知が進めば、1文字分のスペースでかなり複雑な概念も通じるようになりますから、もしかしたらグローバルで新しい漢字=表意文字の発生を目撃しているのかもしれません。

そのアイコンのモチーフは、実際に存在するものを用いるのですが、この実物のイメージを喚起する力は想像以上です。それを実感する事がありましたのでご紹介いたします。

昨年から小さなカッターをデザインしています。
いつもする様に試作による実験と計測を重ねて、仕様と機能をつめて行きました。このカッターは子供から大人まで使えるようにしたいので、小さな子供でも楽しく使えるようにと鳥をモチーフにしていました。

一度、刃の位置や角度など機能に関わる部分を詰めるために、鳥をやめてシンプルな形にしたところ、子供達から不評を買いました。
鳥をやめてしまった事もあるのですが、刃の位置が怖いようなのです。

「鳥」を模していた時はくちばしの位置に刃があるので、自然に「つつくもの」の位置と機能が認知されていました。
それが「鳥」でなくなることで、「持ち手と刃」の位置関係が不自然に感じられたのですね。
鳥が刃物のアイコンになりうる古くて新しい発見でした。

動物や樹木など自然なモチーフは、プロダクトにおいても力強いアイコンとなりますね。
dmc.
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