道をデザインするように2011年01月13日 23:59

私は地元で町づくりのお手伝いをしているのですが、その中で重要な課題として道路があります。私の住む地域は密集地区で、狭い道や階段、行き止りが多く、ために自動車が入れないことが防災上のネックとなっているのです。
もっとも、それがこの地域の魅力であり、自動車の来ない路地で安心して子供を遊ばせられる、という理由で引っ越してこられる方もいらっしゃいます。

「道をデザインする」といいますと、道の表情となる舗装や配水等の機能から帰結する断面形状、道路に付帯する街頭やサインなどの道路を構成する要素、また都市計画としての交通計画と建築物の配置、法規などの決めごとまで、様々な断面と規模に渡ります。さらに、そこには様々な人々が関わっていますね。それら全てを内包して「道」があります。

以前に塩野七海さんの本を読んで「道というものは古代ローマ人の発明なのだ」と深く印象に残りましたが、「道」は一国の過去と現在の姿が凝縮された風景だといえるのかもしれません。

さて、、一つのプロダクトにも様々な断面が潜んでいます。その全てに心を砕き、具体的なアプローチが成功して始めて、人々の思いを凝縮する風景となるのでしょう。
dmc.
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