2ヶ月がたちました。2011年05月11日 23:59

この間、私はずっと横浜周辺におりました。行動をふり返れば家族のことを第一優先にして動いていた2ヶ月だと思います。

被災地ではボランティアが足らなくなってきた所もあると聞きます。3ヶ月を過ぎると忘れられる、とは阪神大震災で被災された知人の言葉です。
私のように、直接的な被害もなく被災地に赴かずに過ごしものにとって、忘れることは案外たやすいかも知れません。

しかし、私たちが忘れようと忘れまいと、後戻りのない変化が始まっている、という実感も得た2ヶ月でした。

例えばロールモデル。今回のことを切掛に人生の成功について問い直した方は少なくないでしょう。既に多様化と言われ続けながら、「結局は普通が良いよね」という言葉も聞いていましたが、その「普通」がなんだかよく判らなくなったように思います。

それから企業の姿。余剰利益を文化活動に回す、というような表層的なものではない、収益構造の中に社会性を組みこもうとする企業が増えそうです。これは就労や雇用にも関わってきそうです。

私自身最も影響が大きいかもしれないと感じたのは均質化への疑義。「KY」に代表される、「共通基盤への理解」を強いる空気が無くなってきたことです。その常識は非常識かも知れない、という問い直しがここかしこで聞かれるように思います。
これは、自身の判断基準を空気に求めていた人間にとっては相当に「きついこと」だと思います。
そのきつさからか、いらいらしたり極端な考えに走ったりすることも暫くあるでしょう。

それはまた安易な正解を蔓延らせたりもするのでしょうけれど、結局「自分はどう考えるのか」という事を今までよりは多く経験するようになりそうです。
そして、それを前提にした「選択肢がある」「異なる価値観と共存する」といった世の中へシフトさせていく源流になるのでは、、そんなことを思っています。

不幸に見舞われた方々の悲しみに心を寄せさせて頂き、少しでも健やかな未来を祈らせて頂きます。
dmc.
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