87日目2011年06月06日 21:59

「とにかく見て欲しい」との被災者の方からの言伝てを頂き、行って参りました。
一ノ関から陸前高田、気仙沼、石巻、松島、名取、仙台まで、一日をただ見るための装置となって回りました。

まず、とにかくそのスケールが凄まじい。たった一日車で駈抜けた程度ながらとても身にしみる事でした。

それから想像以上に人気がないことも驚きました。多くは避難所にいらっしゃるのでしょうし、日曜日ということもあったのかもしれません。

見たものは沢山ありますが、心揺さぶられる部分と、知識と想像力を膨らませて判る部分とは大分異なるだろうと思います。
たとえば、気仙沼のように住宅街の残骸に船が打ち上げられているのを目の当りにすればその凄惨さが痛いほど伝わって来ます。しかし、その後に見たところ(名前判りません)は完全に街が消えていたため、ちょっとした嵐の後にしか見えないのです。街があったと地図で確かめ、想像を膨らませて古戦場に立ったような時間的距離感を詰めて行くしかありませんでした。

また見なかったものも多いです。避難所には行きませんでしたし、被災地のその街の方と思わしき方々は少なく、ボランティアの方は数えるほどでした。私は車で駈抜けただけだということは忘れてはならないでしょう。

ずっと「気軽に頑張れとはいえない」と思っていましたが、その思いはますます深まりました。しかし逆に、頑張れ!という思いもどこかに伝えなくちゃいけないんだなとも思い始めています。もちろん闇雲に言葉にするのではなくてです。

何を見、何を見なかったのか。
何をし何をなさざるか。
重い宿題ではありますが、見たものの一人とてして整理して行きます。
dmc.
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