「見立て」2011年09月09日 23:59

合歓 盆栽
写真は合歓木の盆栽です。2002年撮影ですから9年前のものですね。
先端のごろごろした固まりが蕾で、夜になると甘い芳香を漂わせながら一夜限りの花を咲かせます。
この樹は真直ぐとのびていて、咲く姿がきっと夏の花火のようだと思い、海の小島をイメージした鉢に仕立てたことを覚えています。

果たして皆さまに私の見立てが伝わったかどうかはさておきまして、盆栽の楽しみ方にこの「見立て」というのがあります。
樹それ自体の立派さ、古色、飄々とした感じだけでなく、鉢や足下の苔も含めたその鉢全体にどんな風景を見いだすか、という遊びですね。

この「見立て」は遊びですが、そこに様々な意味や物語りを掬い取れることから、人が欲しいと感じる付加価値の源(のひとつ)なのではないかと考えています。(今更私が言うまでのことはないのでしょうね、きっと。)

であれば、デザインの価値は本当はどこなのか、、判りやすい道筋が見えてきそうです。

ちなみに盆栽はアートではないという議論もあります。私はどちらでも構いませんが、見立てが表現を伴う以上やっぱりアートなんだろうと思っています。

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