「アートを観賞する」ということ2011年11月07日 22:56

Wenn's anfängt durch die Decke zu tropfen
今日ネットで見かけた【8600万円が台無しに…清掃員が汚れと思って掃除したら芸術作品だった】このニュース、ほんとかなぁ、、と思いつつ、その作品にとってあるいは悲劇ではないのかもしれない、、そんなことを思いました。

マーティン・キッペンベーガー氏による「Wenn's anfängt durch die Decke zu tropfen(天井から滴るとき)」という作品ですが、写真下部のトレイにペンキで水滴のような模様が描かれていたらしいです。それが汚れに見えてしまい、掃除をしたとの事。
ふむ。

「美術館と言う特別な場で美術を鑑賞する」という枠組みを離れ、「作品に触れたものが作品に感じたまま振舞う」という、とてもエモーショナルな事態は、もしかしたら作者冥利に尽きるのかもしれない、、その意味でその清掃員は「その作品を最も深く観賞した」と言えるかもしれない、、そんなことを思いました。
(氏は既に亡くなられていますので、作者の意図は判りませんけれど)

いずれにしても「掃除しないではいられない」と思わせたアフォーダンスが凄かったのでしょうね!

ニュースソース:Overzealous cleaner ruins £690,000 artwork that she thought was dirty (the guardian)
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/2011/nov/03/overzealous-cleaner-ruins-artwork
dmc.
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