今日一日2012年03月09日 23:59

もうすぐ一年、、振返れというメッセージが溢れています。当事者であればあるほどその言葉に違和感を覚えるかもしれません。それは何かがあった日ではなく始まった日だからで、それは今も続いています。

苦悩は時間を何倍にも感じさせますが、私も含め津波の被害を直接受けたわけではない方にも、長い一年だった方も多いことでしょう。
それは、広く当事者を強いる事態が続いているからですね。
政治とメディアはもとより、特にエネルギーと科学的知見といった社会のシステムを支えていたものが大きく揺らぎ、その余震が続いています。

社会のシステムは、これまでどんどん加速してきた短期的思考では決められない事ばかりです。中長期といいますか、自身の人生よりも長い時間について深く思慮しなければなりません。それはとても疲れることで、意志的でなければ悲観的な感情論に耳を向けたくなってしまいます。「悲観主義は気分のものである」というアランの言葉が身に沁みます。

しかし長い時間について考える事は自利的な思考では光の届かない距離で、必然的に自他の関わりを考えさせます。考え続けることは「対岸の火事」がいかに自分に関係のある事か、社会を自身の事として捉えると言う思慮を育みます。

私の身近でも少数ですが若者が日本を出ました。その判断がその方にとって正しいかどうかは(恐らく誰にも)判りませんが、自身の人生という長期的視野で行動を取ったことが素晴らしい事と思います。

去年の3月16日に私は「明るい未来にするぞ!」と書きました。希望的な事態を見いだし難いのも事実ではありますが、であればなおのこと、その思いが強くなっています。
そしてそれは今日一日、そのように過ごすということです。今日の積み重ねが一年であり、十年であり、百年ですものね。

過去記事:明るい未来
http://dmc.asablo.jp/blog/2011/03/16/
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