極小ペットボトル ― 2012年03月15日 23:59

先日、家人が駅で買ったペットボトルの水、天然水ではない精製水250mlが100円位だったそうです。
この水が商品として有効な事はたやすく想像出来ます。ちょっと水が欲しい、例えば薬を飲みたいとか、お茶でもビールでもなくちょっと咽を潤したいとか、トイレが心配な方とか、重いのはいやとか、、実際家人は高いけど量はちょうど良いと言っていました。
以前娘が社会の勉強で「ペットボトルの水の原価」を調べていて、それを見せてもらいましたが、原価の半分以上が製造時の電気代と材料費、次に運搬費、手数料などで、水は0.1%でした。
うーむ。。
以前のようにあちこちに水飲み機があってそれでよければいいのですけれど、、これからは社会にとって良くないものは受容れられ難くなると聞きます。
色々と考えさせられてしまう水です。
この水が商品として有効な事はたやすく想像出来ます。ちょっと水が欲しい、例えば薬を飲みたいとか、お茶でもビールでもなくちょっと咽を潤したいとか、トイレが心配な方とか、重いのはいやとか、、実際家人は高いけど量はちょうど良いと言っていました。
以前娘が社会の勉強で「ペットボトルの水の原価」を調べていて、それを見せてもらいましたが、原価の半分以上が製造時の電気代と材料費、次に運搬費、手数料などで、水は0.1%でした。
うーむ。。
以前のようにあちこちに水飲み機があってそれでよければいいのですけれど、、これからは社会にとって良くないものは受容れられ難くなると聞きます。
色々と考えさせられてしまう水です。
「Etna Table Fireplace」届きました! ― 2012年03月16日 23:59
先日ドイツのショップに発注した「Etna Table Fireplace」が届きました!

大きなシッパー。

外箱。

製品箱。2点購入しました。

部品全12点。なんという少なさ、ワッシャーもありません。(大丈夫?)

オランダ語(?)の取説。(英語、ドイツ語もあります。)
組立後。
スリットがあるだけの箱状のストーブに耐熱ガラスという構造。
さぁ、どんな炎が見られのでしょうか?てっきり同梱されていると思った燃料は別売りでした。残念。
燃料を入手したらまた報告させて頂きますね。
家中の炎 ― 2012年03月19日 09:29
ドイツから届いたテーブル暖炉「Etna Table Fireplace」に火を灯して見ました。
エタノール(ジェル)オンリーとありますが、燃料用はメタノールしか手に入りませんでしたのでそれで試してみます。
アルコールだけだとすっきりとした青い炎、メタノールジェル(キャンプで使う着火材)を使うと炎に赤みとムラが加わりました。
暖炉や薪ストーブが復権しているそうですが、炎が家の中の、しかも机の上にあるのは今の感覚では排除されてきたものであり恐さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
それでも、それが自然だった頃の、世代を超えた懐かしさを刺激されます。気持ち良いですね。
(火事で何度か避難した経験のあるものとして、放火魔の気持ちまでは判りませんけどね・・)
エタノール(ジェル)オンリーとありますが、燃料用はメタノールしか手に入りませんでしたのでそれで試してみます。
アルコールだけだとすっきりとした青い炎、メタノールジェル(キャンプで使う着火材)を使うと炎に赤みとムラが加わりました。
暖炉や薪ストーブが復権しているそうですが、炎が家の中の、しかも机の上にあるのは今の感覚では排除されてきたものであり恐さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
それでも、それが自然だった頃の、世代を超えた懐かしさを刺激されます。気持ち良いですね。
(火事で何度か避難した経験のあるものとして、放火魔の気持ちまでは判りませんけどね・・)
エタノールの色(「Etna Table Fireplace」続報) ― 2012年03月21日 23:59

先日ご紹介したテーブル暖炉について、早速何人かの方から問合せやアドバイスがありました。中でも燃料について、大切な事がありましたのでお伝えします。
日本で燃料用アルコールと言いますと「メタノール+エタノール」が一般的で、エタノールの割合が高いと火力が強く価格も高めです。しかしこれを「メラメラと燃やす」と、大変良くない事が判りました。
メタノールには毒性があり、メタノールが不完全燃焼すると目が痛くなったり、頭痛を誘発する可能性があるそうです。戦後の闇市でメタノールを酒替わりに飲ませて失明させた、なんて話を思い出しました。
写真は「無水エタノール」を燃やしたものです。炎の色がオレンジで、炎の形もより複雑なようです。燃焼時間も1.5倍程度にのびました。(500mlで約二時間)
これからはこちらで楽しみたいと思います。
Kさん、アドバイスありがとうございました!
ところで、取り扱い説明書には「バイオエタノール推奨」とありますので調べて見ましたら、欧州では家庭用燃料として流通しているようです。
本家の暖炉をエタノールバーナーに置換える製品もあるようで、燃料をバイオエタノールにすると、空気も部屋も汚さず、エコ(ゼロエミッション)である、と、、なるほど。
日本では家庭用に流通していないのですが、手に入るようになったらバイオエタノールにしてみましょう。
過去記事:家中の炎
http://dmc.asablo.jp/blog/2012/03/19/
日本で燃料用アルコールと言いますと「メタノール+エタノール」が一般的で、エタノールの割合が高いと火力が強く価格も高めです。しかしこれを「メラメラと燃やす」と、大変良くない事が判りました。
メタノールには毒性があり、メタノールが不完全燃焼すると目が痛くなったり、頭痛を誘発する可能性があるそうです。戦後の闇市でメタノールを酒替わりに飲ませて失明させた、なんて話を思い出しました。
写真は「無水エタノール」を燃やしたものです。炎の色がオレンジで、炎の形もより複雑なようです。燃焼時間も1.5倍程度にのびました。(500mlで約二時間)
これからはこちらで楽しみたいと思います。
Kさん、アドバイスありがとうございました!
ところで、取り扱い説明書には「バイオエタノール推奨」とありますので調べて見ましたら、欧州では家庭用燃料として流通しているようです。
本家の暖炉をエタノールバーナーに置換える製品もあるようで、燃料をバイオエタノールにすると、空気も部屋も汚さず、エコ(ゼロエミッション)である、と、、なるほど。
日本では家庭用に流通していないのですが、手に入るようになったらバイオエタノールにしてみましょう。
過去記事:家中の炎
http://dmc.asablo.jp/blog/2012/03/19/
触覚をもっと使う ― 2012年03月22日 23:59

ユーザーインターフェイスデザインでは、視覚情報が大きな役割を果たしていますが、次に使われている感覚は触覚です。
携帯電話(フィーチャーホン)ならブラインドタッチでメールを送れる中学生なんて珍しくありませんが、そのレベルではなくとも、ボタンの形状だけでなく素材感や押した感触なども含めて「肌」が意識している以上に覚えているものです。
しかしこの触覚を、より視覚的なGUIでシステム側が積極的に使うのはとても難しい技術的課題があります。「タッチUI」のタッチはまさに触覚なのですが、まだまだ不完全なんですね。
例えば、画面上に「ボタン」が描かれていてそれを触ることを考えて見ますと、ボタンの位置は視覚から判断して指をその位置に持って行き、触った事は触覚で感じます。
でも本当にきちんと触れたかどうか、画面の変化がなければ自分の感触なんてあまり信用出来ません。重い動画の再生ボタンを何度もタッチしてしまう、なんてありがちですよね。
この触覚を補完するために「グラフィックの変化」「操作音」「バイブレーション」が使われますが、システムの反応が速ければこれは過剰にもなるので、バランスが必要です。
また人は慣れるものですので、そのシステムとのつきあいが長いと「無反応」の意味付けを補完してしまいます。
そこで、このフィードバックを触覚そのもので行えたら過剰ではなく自然なUIになるはずです。
実際に凸凹を感じさせたり、表面の素材感(硬さや抵抗や熱伝導)が変化したら、目をつぶっていても操作が可能になるでしょう。そのための仕組みは私の想像を超えていますが、「そのほうがいい」のであれば、いずれそうなるだろう、と期待もしています。
振返ってGUIに拘らなければ優秀な装置が沢山あります。製品やシステムごとに最適な方法をデザインして行きたいと思います。
ところで、ご縁あって交流させて頂いている「ケイズデザインラボ」のFreeFormは、この触感をフィードバックさせる希有なツールです。3Dデータの作成を目的にしたペン型のインターフェイスと言うのが、現在の技術的な解なのでしょうね。
ミクロン単位まで判ってしまう指先の繊細さが、このツールでさらに強化されたら、、と思うとこれからの展開が注目です。
FreeForm:https://www.facebook.com/freeformjp
携帯電話(フィーチャーホン)ならブラインドタッチでメールを送れる中学生なんて珍しくありませんが、そのレベルではなくとも、ボタンの形状だけでなく素材感や押した感触なども含めて「肌」が意識している以上に覚えているものです。
しかしこの触覚を、より視覚的なGUIでシステム側が積極的に使うのはとても難しい技術的課題があります。「タッチUI」のタッチはまさに触覚なのですが、まだまだ不完全なんですね。
例えば、画面上に「ボタン」が描かれていてそれを触ることを考えて見ますと、ボタンの位置は視覚から判断して指をその位置に持って行き、触った事は触覚で感じます。
でも本当にきちんと触れたかどうか、画面の変化がなければ自分の感触なんてあまり信用出来ません。重い動画の再生ボタンを何度もタッチしてしまう、なんてありがちですよね。
この触覚を補完するために「グラフィックの変化」「操作音」「バイブレーション」が使われますが、システムの反応が速ければこれは過剰にもなるので、バランスが必要です。
また人は慣れるものですので、そのシステムとのつきあいが長いと「無反応」の意味付けを補完してしまいます。
そこで、このフィードバックを触覚そのもので行えたら過剰ではなく自然なUIになるはずです。
実際に凸凹を感じさせたり、表面の素材感(硬さや抵抗や熱伝導)が変化したら、目をつぶっていても操作が可能になるでしょう。そのための仕組みは私の想像を超えていますが、「そのほうがいい」のであれば、いずれそうなるだろう、と期待もしています。
振返ってGUIに拘らなければ優秀な装置が沢山あります。製品やシステムごとに最適な方法をデザインして行きたいと思います。
ところで、ご縁あって交流させて頂いている「ケイズデザインラボ」のFreeFormは、この触感をフィードバックさせる希有なツールです。3Dデータの作成を目的にしたペン型のインターフェイスと言うのが、現在の技術的な解なのでしょうね。
ミクロン単位まで判ってしまう指先の繊細さが、このツールでさらに強化されたら、、と思うとこれからの展開が注目です。
FreeForm:https://www.facebook.com/freeformjp
ソニフィケーションUI ― 2012年03月23日 23:59
先週Iさんにお会いした時に伺った話です。
「線虫」というやや嫌われ者の原生動物の動きをパーラメーターにして、そのパラメーターを音に置換えて奏でるという研究があるそうですが、その動きと音の関連が素晴らしくて、まさにそのような音をたてながら動いて見えるのだそうです。
このような、音ではないものを音にする「可聴化」というコンセプトに3つあると教えて頂きました。
1)オーラライゼイション
情報を聴覚的に提示すること。
2)オーディフィケーション
音にすること。
3)ソニフィケーション
言語外情報を音により意味付すること。
冒頭の例はソニフィケーションです。検索でも「ソニフィケーション」が多数ヒットしますので、このコンセプトがもっとも盛んに研究されているようです。
これはUIにそのまま移植したいコンセプトですね。昨日の記事でも書きましたが、「触覚」への補完にはとても相性が良さそうです。
例えば、そっとなでた時、ぐっと押した時、強く叩いた時を「疑似的」に分けてそれぞれの効果音が奏でられるもの(この方法はゲーム的ですが)でも多くのフィードバックを感じる事が出来ます。
しかし、実際の指の触り方、動き方をパラメーター化して都度その時の音が生成されるとしたら、そこには「生の感情」が表現されるでしょう。効果音ではない、自身のフィードバックとして感じる事が出来るのはとても美しい事です。
これはぜひやってみたいですね。
Iさん、ぜひ「ソニフィケーションUI」プロジェクト化して下さい!(^^)
「線虫」というやや嫌われ者の原生動物の動きをパーラメーターにして、そのパラメーターを音に置換えて奏でるという研究があるそうですが、その動きと音の関連が素晴らしくて、まさにそのような音をたてながら動いて見えるのだそうです。
このような、音ではないものを音にする「可聴化」というコンセプトに3つあると教えて頂きました。
1)オーラライゼイション
情報を聴覚的に提示すること。
2)オーディフィケーション
音にすること。
3)ソニフィケーション
言語外情報を音により意味付すること。
冒頭の例はソニフィケーションです。検索でも「ソニフィケーション」が多数ヒットしますので、このコンセプトがもっとも盛んに研究されているようです。
これはUIにそのまま移植したいコンセプトですね。昨日の記事でも書きましたが、「触覚」への補完にはとても相性が良さそうです。
例えば、そっとなでた時、ぐっと押した時、強く叩いた時を「疑似的」に分けてそれぞれの効果音が奏でられるもの(この方法はゲーム的ですが)でも多くのフィードバックを感じる事が出来ます。
しかし、実際の指の触り方、動き方をパラメーター化して都度その時の音が生成されるとしたら、そこには「生の感情」が表現されるでしょう。効果音ではない、自身のフィードバックとして感じる事が出来るのはとても美しい事です。
これはぜひやってみたいですね。
Iさん、ぜひ「ソニフィケーションUI」プロジェクト化して下さい!(^^)
あれは10年前 ケータイデザイン ― 2012年03月26日 23:59
過去の写真資料整理をしていましたら、ちょうど10年前の欧州(イタリア)の携帯電話が出てきました。日付は2002年4月になっています。
ケータイショップ。
おじいちゃんがばしっと決めて彼女連れて歩いてるのが雰囲気です。
圧倒的に強いノキア。
当時の400ユーロは5万円台後半でしょうか。それでも人気は衰えなかったと思います。
サムスンは高級機種も出し始めた頃だったようですね。
日本製も発見!実はかなり探してやっと見つけた感じです。
日本独自のPDC方式の製品を輸出用のGSM方式に作り替えていたために、ベース機種が型落ちになっているのが判ります。
他社製品より明らかに画面が大きいのはiモード由来ですが、この時はそれがアドバンテージにはなっていませんでした。
上は着せ替えカバー、中下は家庭用コードレスフォンです。
日本ではFAX留守電が主流で、このようなものは見かけない頃でした。

当時日本で人気のあったのは「N503is」でしたね。
このころの数年間はNの二つ折りが圧倒的な人気でした。他社も二つ折りになったのはこの頃からです。
最初の二つ折り(N201)は画面が小さかったのですが、iモードとともに画面が大きくなり二つ折りのメリットが活きていました。
去年から日本ではスマートフォンが主流ですが、音声技術やタンジブルなUIが登場したら、またがらっと変わるのでしょう。楽しみです。
朝日のコペンハーゲン ― 2012年03月27日 23:59
「自分のする事を愛せ」 ニューシネマパラダイス ― 2012年03月28日 23:59

私、話題になっているとか名作だからという理由で作品を手にとることがなかなか出来ないんです。見知らぬ人がいいというものをどうしても疑う癖がありまして、、。
それでもやっぱりいつか出会う作品もあり、大抵の場合「もっと早く知っていれば」ということになります。
(でもそれでいいのだとひとりごちているのですが^^;)
昨夜、そのようにして遅まきながら出会った傑作が「ニュー・シネマ・パラダイス(完全版)」。もちろん、素晴らしい映画でした!
「自分のする事を愛せ」 言ってみたいセリフですねぇ。
http://n-c-p.asmik-ace.co.jp/
それでもやっぱりいつか出会う作品もあり、大抵の場合「もっと早く知っていれば」ということになります。
(でもそれでいいのだとひとりごちているのですが^^;)
昨夜、そのようにして遅まきながら出会った傑作が「ニュー・シネマ・パラダイス(完全版)」。もちろん、素晴らしい映画でした!
「自分のする事を愛せ」 言ってみたいセリフですねぇ。
http://n-c-p.asmik-ace.co.jp/
二つのソリューション ― 2012年03月29日 23:47
「デザインとは何か」という問いに対して、大きく二つの流れを見つける事が出来ます。
ひとつは「経済活動の問題解決である」というものです。
特にアメリカ系のデザインスクール(行った事はないのですが、ご出身の方のお話を伺って)では、アートとデザインの違いを、前者を表現、後者を問題解決と教わるそうです。
ここには集団で智を高め、問題提起と問題解決を高い密度で適正な範囲で行う姿がかいま見えます。
もうひとつは「文明と人間の乖離を埋める活動である」というものです。
効率的で経済的な行き過ぎを、人間の感覚に引き当てて、問い直し、感覚的に納得の行くものに仕立て直す、個人的な愛情(美意識)に基づく姿が思い起こされます。
どちらもデザインに他なりません。しかし、実際の活動のアプローチには正反対のところがあります。
前者は、積極的に、集団で、「今までなかったもの」を世の中に出して行く姿勢を感じる一方、後者は、受動的に、個人で、「出てきたもの」を是正して行く姿勢を感じます。
宇宙船、コンピューター、航空機など、デザイナーが多数かかわっているにも関わらず、「愛情や美意識」はやや控目に提示され、いつの間にか差替えられている事もしばしばあります。
自動車、携帯電話、家具、日用品など、有名なデザイナーが起用される商品はほとんど後者ですね。「愛情や美意識」による是正だけが主な課題ではないでしようけれど、そういう個人的でエモーショナルな部分が多いに期待されるものです。
企業活動において、積極的に新しい価値を提案する時、つまり前者のフェーズにおいて、後者のような個人的愛情や美意識に基づく是正をかけて行く事がいかに困難であるか、また、困難であるからこそどれだけ価値があるか、、。
アップルが絶賛されるのは、この困難な仕事を企業として為しえた結果かもしれません。
今、貴社が手がけているプロダクトやサービスは前者でしょうか、後者でしょうか。
前者であれば、チームとして機能するデザイナーを、後者であれば共感出来る美意識を持ったデザイナーを起用した方がいいかもしれません。
そしてできれば、前者と後者を意識して行き来出来るデザイナーとともに、チームとして共感出来る美意識を打ち立てて頂ければと思っています。
ひとつは「経済活動の問題解決である」というものです。
特にアメリカ系のデザインスクール(行った事はないのですが、ご出身の方のお話を伺って)では、アートとデザインの違いを、前者を表現、後者を問題解決と教わるそうです。
ここには集団で智を高め、問題提起と問題解決を高い密度で適正な範囲で行う姿がかいま見えます。
もうひとつは「文明と人間の乖離を埋める活動である」というものです。
効率的で経済的な行き過ぎを、人間の感覚に引き当てて、問い直し、感覚的に納得の行くものに仕立て直す、個人的な愛情(美意識)に基づく姿が思い起こされます。
どちらもデザインに他なりません。しかし、実際の活動のアプローチには正反対のところがあります。
前者は、積極的に、集団で、「今までなかったもの」を世の中に出して行く姿勢を感じる一方、後者は、受動的に、個人で、「出てきたもの」を是正して行く姿勢を感じます。
宇宙船、コンピューター、航空機など、デザイナーが多数かかわっているにも関わらず、「愛情や美意識」はやや控目に提示され、いつの間にか差替えられている事もしばしばあります。
自動車、携帯電話、家具、日用品など、有名なデザイナーが起用される商品はほとんど後者ですね。「愛情や美意識」による是正だけが主な課題ではないでしようけれど、そういう個人的でエモーショナルな部分が多いに期待されるものです。
企業活動において、積極的に新しい価値を提案する時、つまり前者のフェーズにおいて、後者のような個人的愛情や美意識に基づく是正をかけて行く事がいかに困難であるか、また、困難であるからこそどれだけ価値があるか、、。
アップルが絶賛されるのは、この困難な仕事を企業として為しえた結果かもしれません。
今、貴社が手がけているプロダクトやサービスは前者でしょうか、後者でしょうか。
前者であれば、チームとして機能するデザイナーを、後者であれば共感出来る美意識を持ったデザイナーを起用した方がいいかもしれません。
そしてできれば、前者と後者を意識して行き来出来るデザイナーとともに、チームとして共感出来る美意識を打ち立てて頂ければと思っています。
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