生きものとつきあう -生木の感触-2012年05月28日 23:59

【針金やハンガー…これが停電原因のカラスの巣 -読売新聞-】
 http://bit.ly/KyzNSG
カラスが針金やハンガーで電柱に巣を作り、それが停電の原因と言うニュースです。
記事では触れていませんが、カラスが巣を作れる樹がなく、材料となる小枝もない環境で、餌となる人の廃棄物だけが豊富なのでしょう。カラスだけが悪者にされるのが少し不憫にも思えますね。
写真を見ると、巣はほとんどハンガーでできているように見えますので、駆逐の前にハンガーの素材置換を試して見てはどうかと思ったりしました。

そんな話をツイッターでしましたところ、Mさんからご紹介頂いたのがこの記事です。

【光ファイバがクマゼミ対策で進化 -日経コミュニケーション-】
 http://nkbp.jp/9s05tj
クマゼミの産卵から光ファイバーケーブルを守る工夫が紹介されています。
中でもタツタ電線の「せみタフ!」は、被覆材を「セミが産卵しない生木の感触」のものに置換して成果を挙げています。
こういう発想いいですねぇ、好きです。

損害をもたらすので害虫、害鳥等とカテゴライズされると「駆逐すればよい」という思考になりがちですが、かつての女性の髪の理想「濡烏(ぬれがらす)」、童謡「ななつのこ」を思い浮かべますとカラスは嫌われ者ではなかったと思います。クマゼミもいなくなれば寂しいものでしょう。
デザイナーなら、その害をもたらす状況を解決する発想で、生き物とつきあいたいですね。

Mさん、ありがとうございました!
dmc.
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