「商店街はなぜ滅びるのか」2012年06月15日 07:57

新雅史著「商店街はなぜ滅びるのか」
帯には「虚を衝かれた。古いはずの商店街は実は新しかった。(略)上野千鶴子氏推薦」とあります。

まったくその通り、身近にありながら語られる事のなかった「商店街」の来歴が社会学的に紐解かれています。
雇用と自営の安定と言う視点から入り、1920年代に商店街が「発明」された経緯、戦後の発展、スーパーマーケットとの対立と保守勢力化、オイルショック後のコンビニに象徴される内部崩壊、、。

そうだったのか!商店街の町外れの印刷工場で育った私としては、これまでのどの説明よりもはるかに明解で腑に落ちるものでした。

商店街が「横の百貨店」として地域に専門店を集約させる施策から始まり、戦時状況が後押しして地域に生活品の供給システムとして強制的に広く敷かれたことは知りませんでした。もしかしたら当事者の世代間でさえ伝えられていないのでは、、と思ったりします。

そうであることが当たり前と思われながら、よく考えると「心地よくないもの」を、前提を外してデザインから捉えたいと考えている私にとって、とても刺激的な一冊でした。

筋を外す事なく一気に進める乾いた語り口も心地よく、老練かと思いきやまだお若い方なのですね。
今後について「規制と給付のバランス」の観点から触れられていますが、ここは著者の今後に大いに期待しています。
dmc.
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