ファンタジーから現実へ「設計・製造ソリューション展」2012年06月25日 23:50

先週後半行われた「設計・製造ソリューション展」と同時開催の「3D&バーチャルリアリティ展」を観てきました。

設計・製造ソリューション展

設計・製造ソリューション展
大盛況です。

展示会名の通り、設計、製造にかかわる問題解決として、生産管理技術、リバースエンジニアリング含むCAD/CAMから造形機までの一貫したデジタルツール化の提案が中心で、あわせて工場誘致や工場内設備などもありました。

私自身が注目している事もあり「3Dプリンタ」の活況が目立ちます。

設計・製造ソリューション展
異素材(透明材と不透明材)の同時造形。

設計・製造ソリューション展
ABS同等の素材性能を持った造形。

設計・製造ソリューション展
素材性能の異なるものの同時造形。白っぽい方が硬く、黒っぽい方が柔らかいです。
手前のグレーのものは両方を混ぜたもので、硬さも中間です。この混合の比率は自由に出来るので、グラデーションも可能だそうです。

設計・製造ソリューション展
高精度の造形は、そのまま鋳型になります。既にジュエリーなどの製作に用いられていました。

設計・製造ソリューション展
動きが独特な接触型スキャナ。この形のおかげでどの方向にも高精度だとのこと。

設計・製造ソリューション展
非接触のレーザースキャナ。

設計・製造ソリューション展
大型3Dスキャナ。自動車や大型機械、建築物などが現場で計れるそうです。ブレを補正するプログラムで精度も高いとの事。大きなKinectみたいですね。

これらはほとんどが海外のもので、ベルギー、イタリア、イスラエル、ドイツなどが聞かれました。
3D造形技術の源流のいくつかは日本だそうですが、90年代のそれは試作用でコストもスピードも精度も手作りに及ばず、整理縮小されたのだとか。

話は飛びますが、「こうだったらいいのにな」という夢のような技術の未完成形のプロダクト(例えばかつてのコンピューターのGUIや自家発電など)の市場は国内ではあまり発展出来ず海外から洗練されたものが入って来ることが多いように思っていますが、3Dもそうなのかもしれないな、、と思いました。
ひとつの理想がファンタジーを越えて結実するには、それを共有するユーザーがかかせないのでしょうね。
また、日本ユーザーの「遠くの理想より目前の現実」という感覚が製品の精度を上げているのかもしれない、、そんなことを夢想します。

さて、これらの技術が向かう所は「少数多品種生産」「どこでも工場(ファクトリー・オン・デマンド)」「全特注製造」そして「物質転送」などなど夢は広がります。まだまだファンタジーですが視野に入ってきました。
これを私たちはどのように受入れて行くのか、、とても気になっています。
dmc.
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