本物を見たい 歴史を知りたい2012年10月18日 23:28

アプストラクテス・ビルト
先日、ちょっとニュース(末尾に引用しました)になったリヒターの抽象画です。
この小さな写真だけを見た人は「これが27億円?」と驚くのは当然かも知れませんね。具象ならまだ判りやすいのですが、抽象画ですしこの小さな写真では良し悪し以前にどんな絵か判りませんですしね。

試しにネットで検索して見ますと、抽象画ゆえの無理解が多いようです。(検索上位になっています)

うむ、、仕方ないのかもしれませんが、せっかく「何故?」と感じたのでしたら、「なぜこの絵にそれほどの価値があるのか」に関心を寄せて、その価値の背景となった歴史を知り、できれば本物に触れてみてはいかがでしょうか?思いもよらない世界が広がるかも知れません。

抽象画、私も苦手だったのですが、戸谷成雄さんの彫刻に触れてから苦手意識は無くなりました。そうすると好きだなと思える作家や作品もいくつか出てきました。

アートの歴史というと堅苦しい印象ですが、例えばサッカーという競技が好きな方でしたら、あるサッカー選手の来し方に触れ、感動し、ある試合にかけた思いに共感し、その瞬間を共有したボールに破格がつくことは想像出来ると思います。サッカーでなくても野球でもアイドルでもアートでも、コンテキストを共有していれば、私でもその感覚をいつかもてそうですよね。
(もちろん、正確な値づけは難しいと思いますけれど)

ー以下引用ですー

【クラプトンが出品 リヒターの抽象画に27億円 生存画家では最高値 2012.10.14 22:25 [美術・芸術]】

競売大手サザビーズがロンドンで行った競売で、現代ドイツを代表する画家、ゲルハルト・リヒター氏(80)の抽象画が約2132万ポンド(約26億9千万円)で落札された。生存する画家の作品としては史上最高額。サザビーズが14日までに発表した。
 この絵は「アプストラクテス・ビルト(809-4)」とのタイトルで、赤、黒、黄色などで描かれた油絵。1994年に制作された。美術品収集家でもある英ロックギタリスト、エリック・クラプトンさんが所蔵品から出品した。
 競売は12日に行われ、予想額の約2倍の値が付いた。落札者は明らかにされていない。(共同)
dmc.
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