マスター・オブ・セレモニー2013年03月08日 23:59

私事ですが、今日は娘の卒業式でした。
それは私たちにとってとても意味のある時間で感慨深いものでしたが、、それはさておきまして、セレモニーについてです。

儀式を儀式張って行うことは嫌いではありません。メリハリのある進行は気持のいいものです。門出に相応しく、締めるところは締めてぱりっとした気分に包まれるのも味わいでしょう。
この気持ちよさ、式次第そのものにもあるのですが、それ以上に司会の力量が問われますよね。

例えば、式の中で間延びしやすいものに「来賓紹介」がありますね。最近は「自分の言葉でお祝いを」という思いからか、黙礼で済まさず一言添える方が多いです。一人発声すれば後続も倣い、結果時間がオーバーして行くという、、。
これをさらっと巻きあげた司会がいらっしゃいました。ベテランの先生で、目配せとかぶせ気味な進行と強弱をつけた発声で、違和感なく式全体のペースが保たれている様に感じられたのです。
全ての原稿が定まっている中では、かえって力量の差が出るのだなぁ、と感心しました。

そう言えば「会を司る」「マスター・オブ・セレモニー」という名称ですものね、重要なはずです。

話しはやや強引に飛躍しますが、デザインプロジェクトの進行における「マスター」の力量も、マスター自身の突破力とは別の、プロジェクト全体のペースを保てることなのだろう、、そんなことを連想しました。

母の希望2013年03月11日 23:32

「今は昭和7〜8年の頃の感じを思い出すね。戦争が始まった、あの頃だよ。やだね。」
焼夷弾の雨を、あろうことか燃えやすい布団をしょって逃げまわり、その角を逆に曲った友人は焼け死んだと言うような状況を、二度くぐり抜けた母が、ぽつりともらしました。
その空気、私も何となく実感しています。

しかし母は「だからなんとか頑張らないとね」とも。母の「頑張る」は、若い人の応援のことのようで、孫や歩き売りの豆腐やさんやヘルパーさんに事あるごとに「がんばってね」と言っております。

二年前の3月16日、未来を明るくするぞと書きました。今でもその気持ちは変わりなく、、。

黙祷。

レスポンスの良さ 読む速さ「iPadが3倍」2013年03月12日 23:48

WIREDより
驚きました。
「一般的には紙の本の方が良いと思われているようだが、実は電子端末で読むことの方が情報処理の観点においては優れていることが実証された。驚くべきことに、高齢者にとって紙の本よりもiPadで読む方が3倍速く読むことができることも明らかとなった。
この発表はドイツのヨハネス・グーテンベルク大学マインツのStephan Fussel博士を中心とした研究チームによるものである。
(略)
実験データによると、若者の読書スピードはどの端末でもほとんど変わらず、高齢者に限ってはiPadを使ったときに他と比べて3倍も速く読むことができていた。また、Eインクリーダーと紙の本では、ほぼ読書のパフォーマンスは変わらないという結果が示されたにも関わらず、被験者の大多数が紙の本の方が快適だと答えたという。」
だそうです。

私自身の実感としては、読書体験としてはEインクリーダーが一番快適で、タブレットは重くて環境(光)を選ぶのが難点でしたので、この結果は意外でした。

整理しますと、、
・読書のスピードは若者(定義未定)では差がない
・高齢者においてはiPadが3倍速い
・Eインクリーダーは本の快適さには敵わない
・ほぼ全ての読者が紙の本を好む(リンク先記事より)
・上記の傾向に自覚はない(リンク先記事より)

ここから先は私の推察、推測ですが、、
・嗜好や快適さとパフォーマンス(スピード)の相関は低い
・読書パフォーマンスは端末のレスポンス性能との相関が高い
・慣れ親しんだメディア(紙の本)であることが快適さに寄与

さらに、、
→どの端末も長期間の使用体験により、その端末への愛着が生まれれば快適かつパフォーマンスの高い読書が可能
→Eインクはレスポンスの改善により、快適さを獲得する可能性
→液晶はアウトドアや暗い中での見やすさの改善により、快適さを獲得する可能性

つまり、、
→Eインクはレスポンスが改善されなければ淘汰の可能性も

UIにとっていかにレスポンスが大切なのか、改めて認識しました。

WIRED記事 研究結果:高齢者はiPadでなら3倍も速く読める!
http://ow.ly/j8vc4

災害用伝言板2013年03月13日 23:25

NTT安否情報サービス
家族があらためて確認をしていたので、私もと「災害用伝言板」にアクセスして見ました。

フィーチャーフォン(非スマートフォンの事をこういうそうです)でも操作出来るような設計で、災害時に最低限のトラフィックでも表示出来るよう白黒で極力文字情報のみとするのはよしとしましても、、それ以前の整理がなされていないような、、ちょっとびっくりしました。

えーと、、。
1)電話番号と名前の検索窓をひとつに。
2)すぐ下に投稿欄を。

この二つで大分改善されると思いますがいかがでしょう。
1は、入力が電話番号でも名前でも結果は個別の安否情報なのでよいかと思います。
2は、初期画面(スクロールせずに表示される範囲)の中に最重要なサービスが提供された方がよいと言う考えです。

さらに、、
3)その下に「詳しい使い方」項目のリンクを。
4)その下に「言語ボタン」を。

3は、画面下部に、手順をおった文字情報の丁寧な説明欄を作り、そこへ飛ばすボタンです。通信の発生する別画面への遷移ではない方がいいと思います。
4は、プルダウンではなく「English」「中国繁体」のようにその言語のボタンが並ぶのがよいでしょう。
ここまでスクロールなし、もしくはスクロール一回程度で閲覧出来るといいですね。

人は失敗したり不安になったりすると、またパニックになればますます視野が狭くなります。発災時の狭くなった視野にきちんと収まって、明解な誘導が出来るUIをデザインできたらいいですね。

「○○プロテクション」2013年03月14日 23:27

Deleteキーを押す猫
先日ネットで「マルチメディア情報機器設計におけるペットプロテクション」が紹介されていましたので、こちらでもご紹介させて頂きます。

情報機器のLEDやブザー音や機械運動は、人間だけでなくペットにも様々な反応を引き起こし、それが相互(機器とペット)にとってよろしくないので、研究検討をしましょう、また今後ペットプロテクションは様々に必要になるでしょうという主旨なのですが、、写真の猫が可愛らしくて「そこまで構えなくても」とつい思ってしまいました。

鼠に噛られるの防ぐ「トウガラシ入りケーブル」はヒット商品だそうですが、これは鼠側の被害は全く考慮しなくてよい場面ですね。それに対して、ペットとは共存が前提でペットを傷つけない方法が望まれています。
ふむ。正しい主張ではありますが、やはり本気で共存させることを考えると大変な仕事ですね。充分知っているはずの「人間」に対してでさえ、誤解のないように伝える事が出来ずに試行錯誤しているのですから。

ただ、ロボットが家庭内に入り始めたことを考えますと、「共存のためのプロテクション」という視点は重要になると思います。
特にペットと人間の間に知能的なロボットが入ってきたら大変難しそうです。
例えばペットが人に飛びかかった時、「遊び」なのか「攻撃」なのかによってロボットの反応が変わるとしたら、そしてロボットが誤解をしてしまったとしたら、、恐ろしい想像も成立してしまいますね。
(知的なシステムは大抵の場合期待外れを引き起こし、返って好まれない状況になることが判っていますが、それを越える知能がいずれ開発されるでしょうからね)

これらがやはり認知の問題だとすると、制度設計だけでは難しいのかも、、。そうしますと、空間を分けると言った物理的な断絶が簡単で確実な方法であり続けるのかも知れませんね。

http://www.y-adagio.com/public/confs/iieej_mitc/237-38/38_draft3.htm
dmc.
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