ベビーカーのピクトグラム2013年07月08日 18:05


マークイズのトイレ
横浜みなとみらい地区に新しく出来た施設、マークイズみなとみらいのトイレにあったピクトグラム(アイコン)です。この個室にはこの4つの設備がありますよ、ということのようです。

左二つの「ベビーカー」、右端の「おむつ交換」は判りましたが、右から2番目は、さて、なんでしょう?

マークイズのトイレ
正解は「フィッティングボード」でした。
フィッティングボードって?・・と一瞬考えてしまいましたが、着替え用の靴を脱いで上がれるスペースの事ですね。

便器、手洗いは上面図的でちょっとユニークです。
施設のピクトグラムは描き分けの必要性から、次第に細かくなって行くのが常なのですが、主設備と空間の付加価値を「上面図風」と「シーンの描写」で描き分けてるのかな?・・なんて、考え過ぎですかね。

EV、乗りました。2013年07月09日 20:28

先週、急遽タイヤ交換が必要となりディーラーへ。
待ち時間に日産の電気自動車、リーフに試乗しました。

日産リーフ
意外と大きい3ナンバー。

日産リーフ
インパネはやはり、電池関係がメインです。
上の○が並んだメーターが電力使用と回生の状況、右が電池容量と航続距離、左が水温、中央は詳細情報です。(スピードメーターはこの上の別領域に配置されていました。)

日産リーフ
シフトは当然スイッチで、パーキングはロックと解除が別ボタンという仕様。
ちょっと戸惑いました。

恥ずかしながら、EVを公道で運転するのは初めてです。モーターの加速は流石パワフルで、この一点でEVっていいな、と思わせます。電池の低重心配置によりハンドルを揺らしても挙動は安定していました、、が、高速乗ったり山道を走らないとしみじみとは判らなかいとも感じました。

どんな人が乗っているか、という問いかけの回答は典型的(=色々な人)でしたが、毎月山梨まで通っている方もいるとか。往復の途中、ディーラーで充電してるそうです。ちょっとそれは大変!
結局、この段階でEVを選ぶ方って「アーリーアダプター」なのですよね。リーフが大好きなんでしょうね、きっと。

実質の航続距離が200Kmを大きく下回り、車体は大きい3ナンバー、、エコとかゼロエミッションとか言われておりますが、選ぶ理由はやっぱり「EVだから」なのでしょう。
そういう方々のフィードバックから、もっともっと良いものが出来てくるのです。有り難いです。

退場の時代2013年07月10日 23:31

超高齢化社会になって久しいですが、具体的には何時からかと思って検索して見ますと、2007年に65歳以上が21%を越えたのを持って「超高齢化」だとのこと。

私自身はこの5年の間に2度、近隣の単独世帯のご老人の最後に関わりましたが、高齢化の先にあるのは人生の終焉です。ここをどう過ごすか、私の接するご高齢の方のほとんどの方から、この難題に頭を悩ませていると伺っています。

ところで、上記の最後に関わった方(Aさん)は、私にある印象を残しました。詳しい事は控えますが、一般的には寂しい晩年と思われる状況の中を、ちょっと幸せそうに去って行った、と感じたのです。身体と心、それと日常的に関わる方々の、ほんのちょっとしたさじ加減が、Aさんには優しかった、、そんな印象なのです。(もちろん、他人の勝手な感傷なのだと思いますが・・)

話は飛びますが、市内のある地域に一昨年くらいから定員割れのマンションを改装した「最後のホテル」というコンセプトの遺体安置所が増えてきました。お亡くなりになった後、葬儀までの待ち時間を過ごす場所なのですが、そこで「人間らしく扱われる」ことに需要があるのですね。
並行して、ヒューネラルフラワーと言う、祭壇の花を故人の好みやイメージでデザインする事も一般化してきました。
葬儀離れと言われる中でもビジネスは進化しています。

また、遺産の効率的な法手続についてのワンストップサービスが、かつての資産家と顧問弁護士のような形ではない、オープンで低コストの方法も広がっているそうです。

確かに大量に退場することはビジネスチャンスでしょう。そこに物やサービスがあるのであればデザインも重要になります。それは間違いありません。
そのデザインを思う時、Aさんの残して行かれた不思議な幸福感を忘れてはいけないように思っています。

「いかにして去るか」という時代が始まっています。

整理整頓と使いやすさ 何を引き受けるか2013年07月11日 23:31

コーヒーディスペンサー
セブンカフェのディスペンサーが大変使いにくいとの話題、あちこちで見かけておりましたが、こちらのお店ではこんな感じになっておりました。

実際に誰がデザインして、どのようなプロセスでこうなったのかは判りませんが、やはり、デザインの「伝わるシンプルさ」と「使いやすいシンプルさ」には性質としての大きな差がある、ということを再確認する思いがします。

セブンカフェのデザインディレクター(とされている方)は、整理整頓が大好きと公言されておりますが、ブランドメッセージの核心を大胆に絞ることで「伝わるシンプルさ」を多数実現しています。

しかし「使いやすいシンプルさ」は、ユーザーに「情報の何を提示するのか」より、「操作をどこまで引き受けてもらうか」の方がキーになります。従って、ユーザーによっては一見シンプルではない状況の方が好ましい場合もありえるのです。
写真のようなPOPの追加は、ユーザーが引き受けられなかったもの(ここでは種別の判断)が表出していると見る事が出来ます。

また、ファミリーレストランのドリンクバーとセブンカフェとでは、ユーザー群は近いかもしれませんが、状況には違いがあります。ファミレスでは馴れた手つきでドリンクを作り分ける事ができる人もセブンカフェでは戸惑ってしまう、、。
「状況」もユーザーが無意識に引き受けざるを得ない要素なのですね。

回りくどい言い方になってしまいましたが、この「ユーザーが何を引き受けるか」は、とても大切な視点なのです。

その視点でこの状況を見ますと、「情報の提示の仕方」以前に「コーヒーの種別の判断をユーザーにさせる」ことの困難さが浮かび上がります。
そして、それが見えたらデザインは簡単ですよね。購入カップの底面か側面にQRコード(その他識別符号)をつけ、操作ボタンを一つにする、なんていかがでしょう。
(・・後出しじゃんけんですね)

・・ちなみに、徹底したコストカットを実現しているビジネスホテルは、いかに「ユーザーに引き受けてもらうか」を徹底して研究していると思います。いわばセルフサービスの最先端なのですが、これはまた別の機会に描かせて頂ければと。

過去記事:複雑さを引き受ける
http://dmc.asablo.jp/blog/2012/09/12/

選んだあとの選択肢2013年07月12日 23:28

昨日は「『ユーザーが何を引き受けるか』は、とても大切な視点」と書きましたが、そもそもこの場面でユーザーは何を引き受け(させられ)たのかと申しますと、それは「決定したものをもう一度決定する」という行為です。

このディスペンサーを操作する前後を細かく見て行きますと、まず商品棚かレジでメニューを選び、指定し、お金を払います。その後マシンに向かい、決定したメニューのボタンを押します。
この「お金を払う時」と「ボタンを押す時」の2回、ユーザーは明確な意思決定が必要になります。

ここが混乱を招いているように、私には見えます。
私などはお金を払った瞬間に「済んだ事」として記憶から消してしまうようで、「えーと・・」となってしまいます。特にコーヒーのサイズが書かれた蓋は、ボタンを押す際には捨てられていますので、曖昧な記憶に頼らなくてはなりません。その時、せめて記憶の想起に役立つ明確な表示が欲しいところですね。

昨日の記事では、この意思決定を購入時のみにする案を提案しましたが、、さて本当のところはどうなのでしょう。試して見たいです。

ちなみに「買ってからマシンを操作」というスタイルは、他のコンビニでも採用していて、同様な混乱を招いているようです。セブンカフェがこれだけ話題になったのはちょっと別の要因があるのかも知れません。。

またミニストップでは、アイスとホットとディスペンサーが違い、かつサイズを選ぶ必要がない(カップにはいるだけ入れる)ので、混乱は少ないようです。(ミニストップは昔からイートインをしていますのでノウハウがあるのでしょうね)

過去記事:整理整頓と使いやすさ 何を引き受けるか
http://dmc.asablo.jp/blog/2013/07/11/
dmc.
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