ダメマシンクリニック13【駅のセルフレジ:表示失調】 ― 2016年01月29日 10:10
ダメマシンクリニック、次の症例は品川駅構内のセルフレジです。
現金やクレジットカードが使えるスーパーのセルフレジとは違い、電子マネー(Suica)のみのレジですね。
ダメマシン13【駅のセルフレジ】
キオスク内のコンパクトなスペースに設置されています。
埋没しないよう大きく「セルフレジ」とボードが付けられています。
詳しく見て見ましょう。
付加された1、2ともに「酒タバコは使用不可」の表示となっています。
良く見ますと、ボードの下端には「新聞は買える」「酒タパコは不可」の注意書きがあります。この注意書きの大きさに差がありますね。売る側は「バーコードのない新聞も買える」というのがアピールポイントなのでしょう。しかしその影で「酒タパコは不可」は小さくなっていました。
タッチセンサーの周囲に重ねて「使用不可」が貼られていることから、利用者はカードで決裁する直前(決裁しようとして出来ない状態)まで、「使用不可」であることがわからずにいるようです。
【診断】
表示が不足して、伝えたい情報が伝わらずにいることから「表示失調」と診断します。
【処方】
では、処方です。
利用者に必要な情報を表示することを計画します。
処方01:表示の応急処置
応急処置(追加表示)は、既に追加でされている表示を補強します。
・正面のボードに、「新聞は買える」「酒タパコは不可」の表示を、同じ大きさで大きめに表示。
・センサーの左右に表示。(左側に追加)
ボードの下端と、センサーの左側に表示を追加しています。
利用者の意識が集中して向いている(と考えられる)センサーの周囲を表示で取り囲みます。
左右に表示するのは、タッチした時に手で隠れないようにするためです。
図の状態で「決済が出来ない」ことに気付いた場合、左側の表示が目に付きやすいでしょう。(行為と関連性の高い位置にある、と言えますね。)
処方02:治療
利用者に「酒タパコは使えない」ということを知って貰うためには、出来るだけ遠くからも見えることが大切です。応急処置に倣ってボードを改変するだけで一定の効果が期待出来ますが、もっとも大きな面積を持つ画面表示を利用するとよいでしょう。
・待機時の表示画面に新聞、酒、タバコのイラストと文字を追加表示。
・画面タッチが必要な新聞はその誘導も追加。
操作前から表示されています。
新聞の誘導は左側、不可の二つは右側に分けて表示します。
どのようなマシンも「場合分け」は利用者の学習を必要とします。ですので、このレジも表示だけでは不具合はなくならないでしょうね。
今後セルフレジはもっと増えるでしょうから、酒タバコも買えるシステムを考えるべき時期なのかもしれません。
ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!
No.: 13
対象:駅のセルフレジ
設置場所:品川駅構内
報告者:ディーエムシー
報告日:2016.1.29
症例:表示失調
ダメ度:×(追加表示で対応可能)
応急処置:追加表示
治療方針:内科「表示修正」
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