ダメマシンクリニック23【信金のATM:表示失調】2016年04月08日 11:36

みなさまこんにちは!

昨夜、近くの川面に浮かんだ花筏が綺麗でした。予想に反して嵐にも耐え、今週末の横浜は桜の散り際を存分に楽しめそうです。

さて、今週もダメマシンを見て行きたいと思います。
今回の症例はこちら、横浜市内の信用金庫のATMです。タッチパネル式のATMは普及して時間が経っておりますが、今だにダメ出しされてしまうこともあるのですね。

ダメマシン23【信金のATM】

23 信金のATM 01
別々になっている、硬貨投入口と紙幣投入口にダメ出しされています。

23 信金のATM 02
詳しく見て見ましょう。
1:表示と注意書き(硬貨専用であること)
2:表示(紙幣)
3:注意書き(紙幣専用であること)
4:所有者の表示

表示からは以下の状況が推察出来ます。
・紙幣投入口に硬貨を入れてしまう。
・硬貨投入口に紙幣を入れてしまう。
・電卓を持ち出す人がいる。

これらがどれほどの頻度で起きているのか判りませんが、業務の遅滞や損失があるのでしょうね。

電卓はモラルの問題ですのでまた別の議論がありますが、硬貨と紙幣については「専用であることが伝わっていない」ことが事態を助長していると言えそうです。


【診断】

専用であることを状況から判断しなくてはならないことから「表示失調」と診断します。表示としては軽微なことですが、間違って入れた場合の影響が小さくないことが問題と言えるでしょう。


【処方】

では、処方です。
専用であることを伝えます。

処方01:応急処置
応急処置では以下の用にします。
・投入口毎に表示をひとつにまとめる。

23 信金のATM 03

23 信金のATM 04
それぞれ「硬貨専用」「紙幣専用」と明記し、一目で伝わるようにします。
またテプラを貼る場合、元の表示を残したくなるのですが、情報が増えて見づらくなるだけですので、上に貼ってしまいましょう。すっきりとまとめることでとても見やすくなります。


処方02:メーカーによる応急処置
メーカーが応急処置をする場合は、表示を同様に変更するとよいでしょう。

23 信金のATM 05
変わったことが判らないくらいの変化ですね(笑い


処方03:治療
根本的な改善、つまり「投入口を間違えないようにする」ためには、メーカーによる以下の様な変更があると良いでしょう。
・投入口を一つにまとめる。

23 信金のATM 06

23 信金のATM 07
同じ投入口に紙幣と硬貨を入れることが出来るタイプのものを用いた案です。誤操作による装置の停止は相当低く抑えられると考えられます。

そもそも、投入口を専用とすることが誤操作を誘発しています。誘導の成功率は100%ではありませんから、エラーの影響が深刻(装置の停止など)な場合は、問題解決に誘導を用いるのは避けたいですね。


ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.23
対象:信金のATM
設置場所:横浜市内
報告者:有限会社ディーエムシー
報告日:2016.4.8
症例:表示失調
ダメ度:××(解決には外科的な処置を必要とする)
応急処置:表示修正
治療方針:外科「投入口統合」


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・明瞭な写真または動画(複数歓迎) 
・設置場所とマシンの目的 
・困っていること・症状(出来るだけ具体的に) 
・テプラなどの対処部分の写真と説明 

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