ダメマシンクリニック31【非接触カードの自動改札機:配置失調】2016年06月03日 22:27

みなさま
こんばんは!

水だけで七日間、自ら進んでなら食べなくても全然平気ですが、ふいにそういう環境においやられたら大人でも厳しいでしょう。よく頑張りましたね。他人の詮索には負けず、助かった命を大切に立派な大人になってください。(これも余計なお世話ですが・・・)

さて、今週のダメマシンクリニックはこちら、りんかい線国際展示場駅、Suica等の非接触カード用の自動改札機です。
以前にもM.I.さんからもご指摘があったところですね。
Mさん、ありがとうございます!

ダメマシンクリニック31【非接触カードの自動改札機】

31 非接触カードの自動改札機 01
すっきりした上面の新しめの改札機ですがダメ出しされていますね。
Suicaのタッチセンサーについては開発ストーリーが広く知られています。実証実験を通して大量の人間がエラー無く(1%以下)使える、、素晴らしい成果でしたが、どうしたことでしょうか。。

31 非接触カードの自動改札機 02
詳しく見て見ましょう。
1:表示(チャージ残高)

31 非接触カードの自動改札機 03
2〜3:注意書き(チャージ残高の表示位置)
ダメ出しすべてが、「手前の画面にチャージ残高が出る」ことを伝えています。
また、ここでは確認していませんが、前方の画面に「残額は手前↓」と表示される(しかも残高金額は表示されない)タイプもあるようです。

私もチャージ残高を確認しようとして前方画面を見るとそこには出ていないということが何度もありました。最近はやっと慣れたかな、と思いますが、時々古いタイプ、つまり前方画面に表示されるタイプだったりして。困っちゃいますね。

この件、すでに多くの方がブログ等で指摘されておりますように、普及時の「前方画面タイプ」で定着した習慣がありますから、新型の「手前画面タイプ」には非常に違和感を感じてしまいます。

31 非接触カードの自動改札機 04

31 非接触カードの自動改札機 05
ここだと思っている画面には表示されず、通り過ぎてしまった画面を振り返って確認するのは困難で、たとえ振り返っても大変読みにくい状況です。

また、表示される画面とタッチ部分の関連が弱く、行為(タッチ)と反応(残高表示)が結びつきません。
つまり利用者の「残高が表示される画面を学習する機会」を失っていると言えます。


【診断】

すでに普及したシステムには習熟した利用者が多数おられる事が前提です。その前提に配慮した配置にすれば改善されることから「配置失調」と診断します。


【処方】

では処方です。
配置の不備を補います。

処方01:応急処置
応急処置(表示の整理)では、手前の画面に残高が表示されることを一目でわかるようにしましょう。
・表示を一つにする。
・歩行中の利用者に遠くからでも見やすい大きさと角度にする。

31 非接触カードの自動改札機 06

31 非接触カードの自動改札機 07
一般的に、水平面の表示は至近距離で上からのぞき込まないと見づらいくなりやすいです。そこで遠方からでも見やすいように、表示を立体的に(斜め45〜60度)起こします。
また、一つにして大きくすることで移動中に視線が迷わないようにします。
混乱の多い場所では、現在設置されている「手前画面タイプ」だけでなく、「先方画面タイプ」にも同様の表示で対処してもよいでしょう。


ところで、なぜこの様な配置が採用されてしまったのでしょう。
いくつか仮説や説明がされていますが、まとめますと、、
a)利用者の間隔が狭い時、前方の人が後方の人の残高を誤認してしまう。
b)残高を確認する時に一瞬速度が緩むため読み込みエラーが減る。
c)手前画面はカードの、前方画面はゲートの表示に分ける。
d)本来、タッチセンサーと表示は近い方が自然。
に集約できそうです。

正式な理由は見つけられませんでしたが、a(前方の人が後方の人の残高を誤認)とd(自然な配置)の二点からでも、手前画面に残高を表示する方がよいと判断できそうです。
ただしこれは、受け入れられることが大前提でありまして、本マシンは、残念ながらこの点(受け入れられること)が不足しておりました。。


処方02:治療
メーカーにて、前方画面タイプに習熟した利用者に受け入れられるよう、以下の様な対処を施します。
・センサー部に残高を表示する画面を設ける。
・表示は利用額と残高のみとする。

31 非接触カードの自動改札機 08

31 非接触カードの自動改札機 09
センサーにかざす(タッチ)とき、視線はセンサーの近くにあるのが自然です。その範囲に明瞭な表示があれば、「残高はここに表示される」という認識も自然にはぐくまれるのではないでしょうか。

また、Suica等の非接触カードの普及時は自動改札しか利用場面がありませんでしたが、最近は小額決済で使う場面も増えました。「非接触カードによる決済」自体が普及してきたのですね。
その小額決済のタッチセンサーには表示が付設されているものも多いですから、利用者が上の配置を理解する助けともなるでしょう。

なお、ここでは他のエラー表示のために既存の「手前画面」は残しています。削除する場合は状況を整理する必要があると申し添えます。



ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.31
対象:非接触カードの自動改札機
設置場所:りんかい線国際展示場駅
報告者:M.I. ディーエムシー
報告日:2016.6.3
症例:配置失調
ダメ度:××(治療が望ましい)
応急処置:表示修正
治療方針:外科「再配置」


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