ダメマシンクリニック45【私鉄の券売機:表示失調および軽度の配置失調】2016年09月09日 23:45

こんばんは!

このブログのサーバーはクラシックな仕様、はっきりと申し上げますと古めの技術による時代遅れの感が否めませんでした。そこに「Chrome、2017年1月からHTTPSでないページに警告を表示」というニュースが。
「制限されたところでの表現」には面白みもあって続けていましたが、スマホの表示にも未対応(一部を除く)ですし、そろそろ潮時なのかもしれません。。
数ヶ月以内にこちらの更新を停止し、新しいブログに引っ越します。詳細はまた改めてご報告させて頂きますね。

さて、今週のダメマシンクリニックはこちら、大阪の私鉄の券売機です。

ダメマシンクリニック45【私鉄の券売機】

45 私鉄の券売機01
現金とICカードが使える券売機です。

45 私鉄の券売機02
ダメ出しは1ヶ所のようです。
寄ってみましょう。

45 私鉄の券売機03
以下の追加表示が控え目にされていますね。
1:表示(ICカード)
このダメだしから、ICカードの挿入口に戸惑う利用者が少なくない、という状況なのでしょう。

45 私鉄の券売機04
赤いLEDの点滅で、最初に入れる「お金」と「ICカード」の挿入口の注意を引いています。この点滅は気付けば十分に認識できると感じましたが、そもそも目線に入らない方もおられる、ということなのでしょう。

45 私鉄の券売機05
この私鉄ではこの位置にカードの挿入口のある券売機がありました(目視確認)から、このマシンでは埋まっているカードリーダーの痕跡(上の写真の黄枠)によって、「カードの挿入口は?」「ICカードが使えない?」等の疑問が誘発されている方がいてもおかしくないでしょう。
また、現金は上が挿入口(投入口)、下が排出口と分かれていますが、ICカードは入出口が同一です。配置によってこの口が「何かを排出するもの」に見えてもおかしくはありません。
また「ICカードだけ入出口が同一」ということは一度使えば理解できるものでしょうけれど、初見で「何かの入り口」と認識するに、は少し考えを巡らす必要がある配置といえるでしょう。


【診断】

表示(ICカード)が不足していますので「表示失調」と診断します。
また、ICカードリーダーの位置がやや不適切ですので「軽度の配置失調」と併記します。


【処方】

では処方です。
応急処置では表示の不足を補います。
治療では配置を修正し適切な表示を加えます。

処方01:応急処置
応急処置(追加表示)で対処可能です。現在のダメ出しがすでに適切な対処となっています。派手にしてしまいがちな追加表示ですが、控え目で収まり良い印象です。


処方02:治療
メーカーにて、投入口(挿入口)のエリアにICカードリーダーを設置するとよいでしょう。
・ICカードリーダーを紙幣挿入口の横に設置する。
・対応するICカードのサービスマークを表示する。
・ICカード挿入の誘導は「紙幣」と同じ表示方法(位置と様式)にする。

45 私鉄の券売機06

45 私鉄の券売機07
ICカードの操作は最初が「挿入」です。そのタイミングでベストな位置にある方が理解しやすいといえるでしょう。

ただし、以下の点を考慮してあえて現在の位置にしたということも推察できます。
・ICカードの取り忘れが多い。(カードが「排出エリア」にないため

もしそうだとしましたら、ICカードリーダーの位置でどの程度の差が出るのか、ぜひ実数を知りたいですね。



ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.45
対象:私鉄の券売機
設置場所:京阪京橋駅
報告者:有限会社ディーエムシー
報告日:2016.9.9
症例:表示失調および軽度の配置不全
ダメ度:×(応急処置で対応可)
応急処置:表示修正
治療方針:外科「再構成」



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