ダメマシンクリニック51【トイレのリモコン:表示失調】2016年10月28日 19:15

みなさまこんばんは!

今日また小学生の列に自動車が突っ込むという事故がありました。歩車道の区別のないバス路線で、停車した自動車に加速した軽トラックが衝突、弾みで大勢の小学生を巻き込みました。被害者は6歳、運転していたドライバーは87歳。
この事故、今見聞きできる情報からは典型的なパターンと思われます。であれば、予防策がありえたのでは、、とも思えます。悲しい、としか言葉がありません。
いま盛んに宣伝している自動車の自動運転は、この悲劇を無くすものであって欲しいと思います。

・・・

さて、今週の今週のダメマシンクリニックはこちら、東京のカフェ、トイレのリモコンです。

ダメマシンクリニック51【トイレのリモコン】

51 トイレのリモコン01
リモコンの上部、壁側にダメ出しがされています。

51 トイレのリモコン02
上から詳しく見て見ましょう。
1:注意書(長押し)
2:表示(ボタン)
リモコン上面のボタンが見つけにくい(正面からは視認できない)のと、ボタンにプリントされていた表示が消えかかっていますので、それを補うための追加表示ですね。
以前(ダメマシンクリニック03【カフェのトイレ:優先順位障害】)も診ましたが、上面への配置は、不特定多数向けではないと言えるでしょう。

それから、「長押し」が促されているのが珍しいですね。
一般に「長押し」はオプション操作であることが多いため、むしろ「長押ししないでください」と書かれる場合があります。(例えばこちら
私の印象では、普通に押せばよいボタンでしたので、疑問が残ります。
もしかしたら、うっかり触りやすい上面にあるボタンなので、かつてはしっかり押さないと流れないようになっていたのかもしれません。ただ、一度押して流れなくても二度押ししたり長押ししたりするのが一般的な反応です。ですので、「長押し」を促す必要性は小さいと考えます。

しかしこの注意書きがあることで、「ここが流すボタンである」ということが明確に伝わってきます。それは無意味とまでは言いきれないでしょう。


【診断】

既存の表示が消えかかっていますので「表示失調」と診断します。


【処方】

では、処方です。
消えた表示を補習します。その際、上面にある見づらさを補完するため「流すボタン」であることを明示するとよいでしょう。

処方01:応急処置
表示を以下の様にします。
・ボタンの上に直接「大」「小」を表示する。
・ボタンの横に「流すボタン」を表示する。
・壁面の追加表示は削除する。

51 トイレのリモコン03

51 トイレのリモコン04
「大」「小」を目立たせ、これが「流すボタン」であることを明示します。立ち上がった状態では壁面より上面の方が見やすいので、必要な情報だけを視界に入れるようにしています。



ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.51
対象:コインロッカー
設置場所:カフェのトイレ
報告者:ディーエムシー
報告日:2016.10.28
症例:表示失調
ダメ度:-(応急処置で対応可)
応急処置:表示追加



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