ダメマシンクリニック58【カフェの番号札:軽い字差ボケ】 ― 2017年01月13日 10:17
みなさま
おはようございます!
成人の日はみなとみらいで沢山の晴れ着やスーツの若者を見かけました。ちょっとやさぐれているのもおりましたが、総じて元気があっていいよね、という印象でした。(え?年寄りくさい?・笑)
さて、今週のダメマシンクリニックはこちら、駅ビル内カフェの番号札です。
ダメマシンクリニック58【カフェの番号札】
席で呼ばれるための番号札ですね。せっかくのしゃれたデザインにダメ出しが。
マシンではありませんが、利用者(お客さん)の行動を必要とするオペレーションシステムのインターフェイスと言えますので、診ていきたいと思います。
詳しく見て見ましょう。
1:表示(番号)
大きく書かれた番号が読めない方(勘違いする方)がいるのでしょう、「13」と重ねて表示されています。ダメだしされているということは、少なくともクレームがついたことがあるのでしょう。見方によっては、「23」「28」あたりと迷うかもしれませんね。
しかし、多少の読みにくさがあるとはいえ、ちょっと面白い書体です。他の店舗ではこの様なことはないようですので、ここ(駅ビル)の利用者さんたちとあっていなかった、ということなのでしょう。
【診断】
番号の書体選定(デザイン)に課題があるといえますが、使い続けることで慣れていく可能性を有します。「軽い字差ボケ」とみてよいでしょう。
【処方】
では、処方です。
標準的な書体で補足された、現状の応急処置で問題ありません。
以下に、もう少しデザイン的な配慮をした処方をあげておきます。
処方01:表示による応急処置
表示を以下の様にします。
・補足の「13」をルビの位置に置く。
・店名のロゴタイプと同じ(もしくは似ている)書体を使う。
現状の番号は「読む人により読めるかどうか判らない」状況です。これは難読漢字と同じ扱いがもっとも自然ですので、ルビが収まる位置(上部中央)が良いでしょう。
書体をあわせるのはその方が整って見えるからです。カフェのような空間では整っているものは整っている方が高印象になります。
書体は手持ちの中のから似ているものを選べばよいでしょう。手持ちの書体が少なくても、明朝よりゴシック、細字より太字、というように寄せていくと失敗がありません。
私の手持ちの中ではモリサワの「G2サンセリフ」が良さそうでしたので、上の写真にはそれを使っています。
ところで、ここで言う「字差ボケ」とは、文化習慣の異なる地域間で見られる、文字の微妙な表記の差違とそれに起因する誤解のことを指しています。
上はコペンハーゲン(デンマーク)、下はバルセロナ(スペイン)の値札です。
上のふたつ、左から「449」「10」「35」です。皆さまは間違いなく読めると思いますが、左の「9」右の「1」は、この様に書く方は少ないことでしょう。
下の2つはいかがでしょう?左から「19'35」「11'4」です、たぶん(笑)
この「1」は、私たちには「s」「r」「&」あたりにも見えるのではないでしょうか。
本件の「13」はクラシカルな書体を手書き風にアレンジしたものですが、「日本語の中にあるアラビア数字」に親しんでいると、読み分けが案外難しくなってしまうのかもしれません。
ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!
No.: 5 8
対象:カフェの番号札
設置場所:JR桜木町駅 駅ビル
報告者:有限会社ディーエムシー
報告日:2017.1.13
症例:軽い字差ボケ
ダメ度:-(応急処置で対応充分。慣れていく可能性あり)
応急処置:追加表示
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「ダメマシン」でお困りの方へ
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・明瞭な写真または動画(複数歓迎)
・設置場所とマシンの目的
・困っていること・症状(出来るだけ具体的に)
・テプラなどの対処部分の写真と説明
※プロの方へ
このページの内容を参考にして設計されることは大歓迎です。引用も問題ありません。(ただし、法的な責任は負いません。また、できれば一言「参考にしました」と言って貰えると嬉しいです。)
個別にデザインを相談したい場合はご連絡下さい。最優先で対処させて頂きます。
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