ダメマシンクリニック63【折りたたみドア:誤形および干渉障害】2017年02月24日 10:10

みなさまおはようございます!

もう先週のことですが、春一番が吹きましたね。今年も様々なものを吹き飛ばしながら、ごうごうと春がやってきております。何時の頃からか嵐の季節となりましたが、それでも春はやはり気分がいいです。
そして今日は初の「プレミアムフライデー」。乗せられて浮かれてみるのもいいかも、なんて。

さて、今週のダメマシンクリニックはこちら、都内ホテルのラウンジに設置されたトイレの折り畳み式のドアです。現場に居合わせたKさんから「これ、絶対間違うよ」とご指摘頂きました。
Kさん、ありがとうございます!

ダメマシンクリニック63【折りたたみドア】

63 折りたたみドア01
トイレの内側からみた所です。ドアに縦長のバーが付けられていますね。写真だとわかりづらいのですが、上から見た時に「くの字」に折れるようにして開閉するタイプで、内側からは押し開ける必要があります。

63 折りたたみドア02
縦長のバーは一般的に「引く」操作を誘引します。
形態がもつ操作を促す情報を「アフォーダンス」と呼びますが、このバーのアフォーダンス(引く操作の誘引)とも正しい操作(押す)が正反対ですね。
設置者もその点は把握していた様で、正しい操作方法の表示が付加されています。
もうお分かりですよね。バーの形が操作方法に合いません。


【診断】

操作にかかわる形態そのものに誤りがありますので「誤形」と診断します。
また、形態のアフォーダンス(引く)と、表示内容(押す)が干渉前回前々回参照)していますので干渉障害を併記します。


【処方】

では、処方です。
誤形に伴うアフォーダンスの間違いは、表示で解決することが殆ど出来ません。それは、「人は形態や状態の情報を優先する」からです。

みなさま、周囲に取説(取り扱い説明書)を読まない方が沢山いらっしゃいませんか?何か新しいものを手に入れた時に、そのものをまず触り、使い、どうしても困った時に読む、という方が圧倒的に多いのではないでしょうか?粗っぽく言い切ってしまえば「文字を読むのは最後の手段」ですから。(さらに申しますと、それでも読まない方もとても多いのです。)

この空間に話を戻しますと、目の前に操作を誘引する形態(ここでは「バー」)があれば、まずその誘引に従うのが自然なのですね。
ですから、操作の前に文字情報を読み、正しく理解する利用者さんは極めて少数です。さらに、文字を読んだ方も、アフォーダンスとの干渉により、スムーズな操作は困難でしょう。

従いまして、今回は表示による応急処置はせず、治療を施しましょう。

処方01:外科治療
以下の様にします。
・バーを取り去り、縦長の金属板を貼る。
・表示を取る。

63 折りたたみドア03

63 折りたたみドア04
ドアに貼られた縦長の板は「押す」アフォーダンスを持っています。トイレ内ですので衛生面を考慮して金属製がよいでしょう。
あわせて表示を取ります。形態からの情報が必要充分な場合、表示はない方がノイズがなく、よりクリアに伝わります。


さて、今月は「干渉」の症例を3つご紹介しました。この「干渉」について理解を深めますと、不必要な表示を減らすことが出来ると思います。施工の際はぜひご勘案ください。



ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.63
対象:トイレの折りたたみドア
設置場所:都内 ホテルラウンジ
報告者:有限会社ディーエムシー
報告日:2017.2.24
症例:誤形および干渉障害
ダメ度:××(応急処置不可)
応急処置:整形(外科)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ダメマシン」でお困りの方へ 
https://www.facebook.com/damemachine 
上のフェイスブックページに以下の内容を投稿して下さい。投稿順に診断、処方箋をお応えいたします。現場でお困りの方は無料で何度でもお応えします。どしどしご連絡下さい! 
・明瞭な写真または動画(複数歓迎) 
・設置場所とマシンの目的 
・困っていること・症状(出来るだけ具体的に) 
・テプラなどの対処部分の写真と説明 

※プロの方へ 
このページの内容を参考にして設計されることは大歓迎です。引用も問題ありません。(ただし、法的な責任は負いません。また、できれば一言「参考にしました」と言って貰えると嬉しいです。) 
個別にデザインを相談したい場合はご連絡下さい。最優先で対処させて頂きます。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://dmc.asablo.jp/blog/2017/02/24/8370409/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.