ダメマシンクリニック68【多目的トイレの自働ドア:過動】2017年03月31日 10:10

みなさま
こんにちは!

天の川
昨夜は天の川が見たくて夜中に車を走らせました。春らしい夜霧の中、肉眼では見えなくてもCCDにはうっすらと。新年度を前に気分を新たにして参りました。でもちょっと眠いです(笑)

さて、今週のダメマシンクリニックはこちら、多目的トイレの自働ドアです。

ダメマシンクリニック68【多目的トイレの自働ドア】

68 多目的トイレの自働ドア01
ランドマークタワーの多目的トイレの自働ドアです。大小の丁寧なダメ出しがされていますね。

68 多目的トイレの自働ドア02
詳しくみてみますと、、
1:注意書(利用者がドアを閉めないと照明が消えてドアが閉まる)
2:誘導表示(TOUCH)
3:注意書(ドアに注意)
注意書(1)によりますと、30秒以内に利用者がドアを閉めなければ、自動でドアが閉まり照明が消えるそうです。書かれてはいませんが、30秒の経過で自動的に「利用者がいない」と認定され待機状態に戻るのでしょう。待機状態とはつまり「外から開けられる」状態ですから、もしかりに、自動で閉まった状態で用を足していたとすると、、ちょっと恐ろしいですね。(もちろん、照明が消えた時点で通常ではないと感じて何かしらの行動を起こす人が多数だとは思いますが)

次に「TOUCH」(2)と誘導されていますから、センサーが働くように手をかざすのが難しく、またあわせて、ここで日本語が読めない方をフォローしようと言う意図がくみ取れます。
そして、自働ドアの開閉に関する注意書(3)からは、ドアの挙動が予測できずにぶつかってしまう事があると読み取れます。

いずれもこの自働ドアは、利用者が使うには少し難しいモノになってしまっていると推察できます。ドアの開閉の何が難しいのでしょうか、、。

多目的トイレのドアはほとんどが引き戸タイプで、開閉は「手動」「押ボタン式電動」「センサー式自動」の3タイプがあります。(派生含む)
また、ドアですから「施錠・解錠」が必要ですが、電動と自動は施解錠が省略されています。まずここが利用者さんにとって判りにくくなりがちなところです。

しかし何と言いましても、ここでは「30秒後に閉まる」ということが、事態を複雑にしていると言えそうです。「30秒」という時間制限があることで、「速く正確に」使用してもらう必要がでてしまっています。速さは習熟が必要です。観光地のトイレですから始めての方も多いはずですよね。「えーっと、、」と装置の使用法をさぐっている間にドアが勝手に閉まり真っ暗になってしまう、、やっぱり恐ろしいですね。


【診断】

待機状態に強制的に移行することが原因ですので「過動」診断します。


【処方】

では、処方です。
応急処置では、必要な情報がぱっと見て頭に入りやすい工夫をします。
メーカーまたは設置者による治療では、過動状態の切除を行います。

処方01:応急処置
表示を以下の様にします。
・個別の追加表示を削除し、大きな表示ひとつにまとめる。
・イラストを添えて、動作をイメージさせる。

68 多目的トイレの自働ドア03

68 多目的トイレの自働ドア04
「手をかざす」という行為を図化します。
あわせて「ドアが閉まる」という動作を図示し、利用者さんの行為とマシンの結果を関連付けます。この関連付けされたイメージがあれば、「ドアに注意する」ということも自然と行える(確率が上がる)でしょう。
イラストはテプラでは難しいですが、こちらの運用管理者さんは丁寧な表示を作られていらっしゃいますので、ぜひ挑戦してみてくださいませ。

処方02:治療
メーカー、または運用管理者によってプログラムを以下の様にするとよいでしょう。
・強制的に待機状態に戻すプログラムを削除。
・ドアを閉めないままの状態が充分に長い時(15分以上)は、「気付くきっかけ」として「照明を半分落とす」等の、実害のない範囲の変化を与える。
慌てる必要がない、ということが大切です。
たとえ使いこなすことが難しいセンサーであっても、無駄な情報がなく、落ち着いて見られれば多くの方が使えるでしょう。


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ところで、多目的トイレの自働ドアは以前にもご紹介しましたが、手をかざすタイプのセンサーは心地よく使うことが大変難しいものですね。それでも使用が増えているのは「非接触」に価値を置いているからのようです。
2000年代に入り、SARS、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザの流行が多発していますが、やはり、公共の場所で手の触れる部位の感染リスクはとても高いとのこと。
・・なら仕方ないか、、となりそうですが、実際には非接触センサーに触ってしまうことも多いのですね、使いにくいんですもの。今回の事例でも「タッチせよ」と接触を促していますし、、。

結論から申し上げますと、ドアは混乱のない手動式(電動アシストがあればなおさら良いです)にして、多目的トイレの外側にもう一つ手洗いを設けるのがよいでしょう。感染予防にはトイレから離脱する最後のシークエンスに「手洗い」があることが重要です。



ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.68
対象:駅の多目的トイレ
設置場所:ランドマークタワー
報告者:有限会社ディーエムシー
報告日:2017.3.31
症例:過動
ダメ度:××(治療が望ましい)
応急処置:表示修正
治療方針:外科「切除」


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