ダメマシンクリニック75【コンビニの新コーヒーマシン:多重コミュニケーション不全】2017年07月14日 10:00

みなさま
おはようございます!

みなさまこの夏はどちらかへ行かれますか?
私は知人からモンゴル旅行に行ってきたお話を伺いまして、旅情が募っております。。

さて、今週のダメマシンクリニックはこちら、厚木のコンビニで見かけた新型のコーヒーマシンです。

ダメマシンクリニック75【コンビニの新コーヒーマシン】

75 コンビニの新コーヒーマシン 01
新商品のカフェラテ(正しくは製造方法の違う商品からの切り替え)の登場にともなって新設されたマシンですね。
旧型は以前から各地で多くのダメ出しを受けてきたマシンです。注目を浴び、大量の指摘を受けてきたからには、、と思いましたが、登場早々にダメ出しされていますね。

75 コンビニの新コーヒーマシン 02
詳しく診ていきましょう。
1:注意書(ボタンの押し間違いによる返金交換は出来ないこと)
2:誘導(カフェラテは左側へ)
3:表示(カフェラテ)
4:注意喚起(カップの置き間違い)
5:表示(コーヒー)
新型マシンは、カフェラテ用の抽出システムとコーヒー用のシステムを並べた構造になっています。従来のデザインを横に並べ、文字とボタンの色の差で誘導するようになっています。従来のマシンは設置から年月が経ち、利用者が学習したことによってダメ出しのないマシンも見かけるようになっていました。しかし、もともと誤操作を誘発しやすいデザインでしたから、並べた事によって複雑さ、間違えやすさが再び表面化したといえるでしょう。うーん、、残念。

ここでコンビニコーヒーを利用されない方に簡単なご説明を。
まず、レジで飲みたいもの(コーヒー・アイスコーヒー・カフェラテ・アイスラテ)のカップを購入ます。
次に、自分でマシンにカップをセットし、購入した飲み物のボタンを押します。
飲み物の抽出が終わったらカップをとり出し、砂糖やミルクなどお好みのものを入れて出来上がり、です。

ここで問題なのは、利用者が「購入」と「マシン操作」の二度にわたり、意思決定と伝達を行わなければならない、という煩わしさです。「ものを買う」という流れ(行為)の中で、精算した後にもう一度商品を指定する、というのは心理的な二度手間となります。極端な言い方をしますと「お金を払い終わっているのに正しい商品が受け取れる保証がない状態」なのです。大分見慣れましたけれど、他にはあまりないシステムなのですね。(似たような「食券」の方式では、通常は購入した食品が出てきます。また、悪知恵が働く人はここを悪用している事でしょう。)

無自覚でも心理的ストレスがかかっていると誤操作しやすいものです。その上、小さな文字をしっかりと読む必要がある、、。ケアレスミスが起きやすいのは当然と言えるでしょう。

この点の詳細につきまして、従来マシンの処方をご参照くださいませ。(ダメマシンクリニック02【コンビニコーヒーマシン:多重コミュニケーション不全】



【診断】

従来マシンの「コミュニケーション不全」が治癒されないまま、新たな操作系が加わった事により混乱を招いていますので「多重コミュニケーション不全」と診断とます。


【処方】

では、処方です。
応急処置では「2つのマシンが並んでいること」「カフェラテは新しいマシンで出す必要がある事」を強調します。
メーカーによる治療では、意思決定を購入時の一回で済ます方法を処方します。

処方01:応急処置
応急処置では、以下の様にするのがよいでしょう。
・左右がそれぞれ独立したシステムであることを明確にする。(ラインをいれる。)
・イラストを用いた大きな誘導表示をする。
・誘導は利用者との接点である「カップ」「ボタン」のそれぞれの近いところで行う。
75 コンビニの新コーヒーマシン 03

75 コンビニの新コーヒーマシン 04
人は「文字」より「絵」を先に見るようにできています。そして、文字は「読む」行為が必要ですが、絵には要りません。ですので、対象が具体的なものであればイラストやピクトグラムがあれば「一目瞭然」となるのですね。
ここに使ったイラストは、みんな大好き「いらすとや」さんのものです。フリー素材なら絵が苦手という方にも積極的に使っていけるでしょう。

この処方は、、
従来マシンは利用できる利用者さんが対象で、
カフェラテかコーヒーかを明確に分けることが主目的、です。
従来マシン、といいますか、従来のシステムの治療はされていません。
従来マシンの治療と処方は、基本的に以前診た時と変わりませんので、その時のものを再掲する事といたします。

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以下2015.11.20付

【オペレーション全体から操作系をデザイン】

そこで、以下の様なオペレーションを考えて見ます。
・意思決定は一度で済ます。(購入の際の一度)
・操作は単純化する。

75 コンビニの新コーヒーマシン 05
マシンはボタン一つです。
自動で購入したメニューがドリップされます。

75 コンビニの新コーヒーマシン 06
ホットの小が作られているところです。

75 コンビニの新コーヒーマシン 07
上部の液晶(現在ほとんど認識されている様子が伺えていませんが、せっかくなので活用します)に「購入したメニュー」を表示させます。
ボタンは「操作を受け付けたこと」と「正しく動作していること」を示すために、メニューに合わせた色のイルミネーションを付けます。

このオペレーションでは「購入商品が何かをマシンに伝える仕組み」が必用です。
例えば、、
・購入したカップにタグがあり、それをマシンがセンシングしてメニューを判断。
・さらに、レジから「購入済」と「メニュー」の情報が連動する。

このオペレーションでは、意思決定は一度(商品を選びや金を支払うまで)であり、あとは唯一の操作を実行(カップをセットしてドリップボタンを押す)すればよい、となります。

また、このシステムでは以下の効果も期待出来ます。
・故意の誤操作(Rを購入してLを押すなど)や未購入での操作を防ぐ。
・メニューが増えてもシステムのソフトウエアだけで対応が可能。

なお、既存のシステムが、、
・専用マシンであること。
・蓋と連動したセンサーが働いていること。
・レジを含めて比較的早い周期で装置が刷新されること。
などから、この案は十分に実現可能なのでは、、と考えます。

(引用終わり)
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上記内の「購入商品が何かをマシンに伝える仕組み」は、最近のレジなら「レシートにコードをプリント」でもよさそうですね。システムの更新頻度も高く店舗数が多いことを考えれば十分現実的だと考えます。

念のため店舗数を見ておきましょう。
セブンイレブンの店舗数 2017年6月末
国内で2万弱、海外店舗をいれると6万強。
コーヒーマシンだけでなく、様々なローカルカルチャーに合わせて、農産物の供給と消費をシステムにするくらいのインパクトが出せる規模感でした。



ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.75
対象:コンビニの新コーヒーマシン
設置場所:厚木セブンイレブン
報告者:有限会社ディーエムシー
報告日:2017.7.14
症例:多重コミュニケーション不全
ダメ度:××××(マシン単体では処置し切れない)
応急処置:表示追加修正
治療方針:外科「センサー追加/操作系再考/表示系再考」
     内科「システム連携」
     皮膚科「表示計画再考」


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