デザイン:問題提起2024年05月10日 18:09

デザインを何とか手中に収めたいとお考えの皆さまこんばんは^^

前回、「デザインは問題解決」というお話をしました。
これには後日談がありまして、「問題解決がデザインだとすると問題提起はアートである」という論が出てきたんですね。この説は対比としては分かりやすいですし、なるほどと一度は思いました。でも、後日(ちょっと違うかも)と思うようになります。これはアートを観賞したりコレクションしたり、自分でも作ったりして「アートは問題提起の要素はあるかもしれないけれど本質ではない」と感じるようになりました。
ここで、デザインにとって大切なのはアートの定義ではなく、問題解決とセットとなる「問題提起」の方です。これは何だろう、と。

結論で言うとそれもデザインの一部です。既に認識され共有された問題に対する解決策としてのデザインと、解決策を見て初めて「こんな問題があったのか」と気付く、問題提起とセットとなったデザインがあるのですね。

三宅イッセー氏の言葉としてつたえ聞いた事のある言葉なんですが「アートは悲しみも嘆きもするが、デザインはいつも希望を灯すんです(趣意)」と。本当に三宅イッセー氏が言ったかどうかは別として、共感します。問題提起に終わらせず、解決策まで志向すること。これは意志の問題でもあります。

余談。一部の先輩デザイナー方にアートとデザインを対比したがる傾向を感じて、これはコンプレックスの裏返しと思っていました。心の中では冷めた目で見ていた私が、アートとデザインを比較して論じております。あるときコンプレックスは私自身の問題だと気付いたんですね。ですので今はデザインとアートを比較する事に抵抗はありません(笑
dmc.
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