TDW2011始まりました!2011年11月01日 21:21

東京デザイナーズウィークが今年も始まりました。

TDW2011
神宮外苑のメイン会場。
今年は天気に恵まれているようで良かったですね。

TDW2011
ブースは最初のテントの中央左側「環境デザインTENT」のT-10です。

TDW2011
スプーン&スプーンフォークはこんな感じで展示して頂いています。

TDW2011
中央のディスプレイにはデジタルフォーミングのデモが。
写真では判りにくいのですが、形、テクスチャー、色やサイズを選んでオリジナルのデザインを作成、それを3DプリントするサービスのUIです。

TDW2011
レーザーシンタリング技術で3Dプリントされたモノたち。
染色による独特の質感が印象的ですね。

6日までやっていますので、お越しの際は是非見てみて下さい!

TDW

Digital Forming

NTTデータエンジニアリングシステムズ

美しいアート2011年11月02日 23:59

アートとは何か、という問いは永遠に回答が無いのだと心得ておりますが、私は「ずいぶんと前から、肌理について、レイアウトについて、周囲のアフォーダンスについて、持続して探求している一群の人々がいた。彼らはアーティストとよばれていた。」という佐々木正人さんの定義はとても実感に添っていると思っています。

我流になりますが、これを私なりに言い換えますと「何をどうしたら人は何を感じるのかということを命がけで試している人たち」になります。

ですので、アーティストの方々の仕事に触れるのはとても新鮮です。できるだけ平らかな心持ちで、私の心の中に何が生じるのか、、。これをできるだけ正直に感じるようにしなけばと思っています。

ところで秋はアートやデザインのイベントが目白押しですね!
先日も9月から行われている横浜トリエンナーレを2日かけて見て回りました。
上記のような見方をしますと、大好きなアーティストの新作に何も感じなかったり、一見がらくたの山なのに美しい瞬間を感じたり、ストーリーも何もない既存映像の繋ぎ合わせに思わず引込まれたり、、短期間のうちに実に様々な心が引き出されますのでとても疲れるものですが、やはり発見がありました。

この膨大な探求はそれ自体目的化していることもあると思いますが、やはりその先に誰かの心に届くこと、という事が芯にあるはずでしょう。
だとしたらやはり「美しい」ということにたどり着いたアートはとても貴重であり、目指すべき姿なんだと、改めて思いました。

デザインも同じです。まっすぐに、美しくて役に立つもの。これこそ目指すべきですね。
先日の「普通を作ろう」も同じ基盤の上にあるお話です。

過去記事:「普通」を作ろう
http://dmc.asablo.jp/blog/2011/10/20/6164521

川のトンネル 狩野川放水路2011年11月04日 15:07

昨日は沼津までドライブに行きました。
せっかくなので、少し足を伸ばしてみようと走っていたらこんな光景が表れました。川がトンネルをくぐっているのです。

狩野川放水路

狩野川放水路
調べて見ますと「狩野川放水路」の長岡トンネルだそうです。
山々に囲まれた狩野川流域は水害が多く治水の為作られたとのこと。戦後すぐの1951年(昭和26年)に着手。不幸にも工事中の1958年(昭和33年)に狩野川台風があったとのこと。。
危険性を認知して、対策を打っていたにも関わらず被害に遭ってしまったというのは、さぞ悔しかったことでしょう。
施策には策の質とともに時が大切だというのも、今年の私たちにとってとても示唆的ですね。

富士山 かつらぎ山山頂
すぐ近くのかつらぎ山という所にロープウェイがあり、登って見ると富士山が。
狩野川は富士山の手前の低地を右から左へと流れていて、放水路は中央の丘を回避して駿河湾に注いでいます。
富士山は霞の中に全景を見渡せて、とても幽玄でした。

「アートを観賞する」ということ2011年11月07日 22:56

Wenn's anfängt durch die Decke zu tropfen
今日ネットで見かけた【8600万円が台無しに…清掃員が汚れと思って掃除したら芸術作品だった】このニュース、ほんとかなぁ、、と思いつつ、その作品にとってあるいは悲劇ではないのかもしれない、、そんなことを思いました。

マーティン・キッペンベーガー氏による「Wenn's anfängt durch die Decke zu tropfen(天井から滴るとき)」という作品ですが、写真下部のトレイにペンキで水滴のような模様が描かれていたらしいです。それが汚れに見えてしまい、掃除をしたとの事。
ふむ。

「美術館と言う特別な場で美術を鑑賞する」という枠組みを離れ、「作品に触れたものが作品に感じたまま振舞う」という、とてもエモーショナルな事態は、もしかしたら作者冥利に尽きるのかもしれない、、その意味でその清掃員は「その作品を最も深く観賞した」と言えるかもしれない、、そんなことを思いました。
(氏は既に亡くなられていますので、作者の意図は判りませんけれど)

いずれにしても「掃除しないではいられない」と思わせたアフォーダンスが凄かったのでしょうね!

ニュースソース:Overzealous cleaner ruins £690,000 artwork that she thought was dirty (the guardian)
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/2011/nov/03/overzealous-cleaner-ruins-artwork

防災スピーカー2011年11月08日 23:59

防災スピーカー
震災で避難を呼びかける映像が思い出される方も多いと思いますが、地方の比較的狭い地域ではよく見かける「防災スピーカー」、横浜市内にもあると伺って拝見して参りました。

町内が谷あいを囲む様になっていることから、一つのスピーカーで音が届く様にその谷の底に設置されたとの事。普段は時報チャイム、お祭りなどの連絡、火事等災害の連絡に使われているそうです。チャイムを出勤の合図にされる方もいるそうで、定着している事が伺われますね。

昭和58年の設置時は平屋が多かったそうですが、今は三階建てが増え、スピーカーの設置高度があわなくなってきているそうです。また生活時間の多様化も運用上の難しさを増しているようです。
私の地元でも区役所に設置されていましたが、人口密集と生活時間の多様化に伴い廃止されました。
都市部で「一斉放送」が歓迎されないのは様々な場面で想像出来ますね。

では、「地域一斉放送」が機能している状況における「防災スピーカー」に替わるものは、都市部ではもういらないのでしょうかねしら?

移動範囲が大きく、機密性の高い住宅に住み、生活時間が多様化している状況で、「その瞬間」に一斉にリーチ出来る方法、、。
SNSにお詳しい方なら何か色々とイメージされたのではないでしょうか?
このような社会的課題へのソリューションがこれからもっともっと重要になると思っています。
dmc.
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