応答せよ!2014年01月23日 16:56

無線機を使った事がある方ならご存知と思いますが、相互の交信状況を把握する事はとても基本的で大切なことですよね。
発言の最後に「どうぞ」、会話の応答には「了解」という単語や応答したものの名前をつけて、会話の受け渡しを明確にします。
そうしないと受信と発信では状況が異なる無線機での会話は成立しにくいです。

これに対して、携帯電話は繋がっていればそれを気にする必要はありません。1対1の会話であればごく普通の感覚です。
ではテレビ会議のような複数の音声交信はいかがでしょう?無線機のようにに少し気を遣う必要があるかもしれません。

しかしLINEのようなテキストベースのグループチャットなら、案外普通の会話感覚でできますよね。

行為は介在する技術によって意識的に行動が変わる(こともある)のです。
ですから、UIを考える時には技術のあり方、その技術を採用する事で現れる状況を考慮しなければなりません。

さて話は飛びますが以下に引用した件、今日ちょっとした話題になりましたね。

「=」を押した事が判らないので2度押してしまう、というのが現象の原因です。
一般の電卓は指の触感等の打鍵感覚がありますが、タッチパネルにはありません。タッチUIは視覚的なフィードバックによって「ある」と錯覚させられているのですね。あると思い込んでいるからこそこのような話題になる訳でして・・。
基本的なフィードバックの欠如という、なんともなお話でした。

UIを「会話」と見立てて擬人化して捉えますと、タッチパネルは「無口でシャイ」なやつです。しっかりと会話を成立させるための工夫が要りますね。

元ネタ:iPhoneの電卓だと「2500÷50=1」になる!? 衝撃の結果
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1401/22/news120.html


(・・ところでこんな基本的なミスをするくらい今のアップルはUIを軽視してるのしょうか?「i」のつくアプリケーションも評判芳しくないようですし、、。ちょっと残念ではあります。)
dmc.
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