種を抱えて歩く ウェットティッシュホルダー ― 2024年10月02日 10:10
みなさまこんにちは^^
生活の中で(おや、これは、、)と思ったり感じたことがデザインの種になることが多いのですね。だから生活はとっても大事。絵に描いたようなきれいな暮らしでもいいですし、矛盾とエクスキューズに満ちた凌ぎでもいいです。本当の生活がそこにあれば。
私は生活の中で拾い集めた「種」を心にいくつも抱えながら雑貨店を回るのが好きです。(この課題は市場では価値がないのかな)とか(あ、やられた!)とかぶつぶつ言いながらニヤニヤしています。(怪
数カ月前、そんなウインドーショッピングの途中で素敵なデザインに出会いました。
ウェットティッシュのケースの種とアイデアがあったんですが、サラサデザインのものをしばらく使って見て、私のアイデアはお蔵入りになりました。お蔵入りは残念ですけれど、種の芽吹く姿が見られました。これはこれで楽しいことです。
最近はリアル店舗が減ってきまして、こういう機会が貴重になっています。
CREA WEB 掲載のお知らせ ― 2024年10月04日 10:24
みなさまこんにちは^^
ミチクサオーバル、今度はCREAのウェブサイトに載せて頂きました!
オーバルのインテリアとの組み合わせの楽しさが注目を集めまして、メディアの皆さまにもご好評です。ぜひ実物を手に取って見てください!
ミチクサはこちらからお求めくださいませ→オンラインショップ
素敵な"ブリコルール"発見! ― 2024年10月07日 10:10
みなさまこんにちは^^
すぐ試作を作って試す「RP/ラピッドプロトタイピング」についてお話したときに、あり合わせのもので作る「ブリコラージュ」についてちょっと触れました。
小学校の用務員の先生とか自転車屋さんのおやじとか。家電の修理屋さんとか、農家の方の自前のかかしとか獣害対策とか。余った布で服やら鞄やらを作ったり。ちょっとしたものから凝ったものまで、有り合わせの材料でこさえてしまう器用な人、昔から沢山いらっしゃいますでしょ。こういう人を「ブリコルール」と呼びます。
街歩きや旅先で素敵なブリコラージュに出合うとちょっとわくわくしますが、作られた方(=ブリコルール)に直接出合うことは少ないんですよね。
それが、ある動画を見ていたら素晴らしい方を見つけてしまいました。
チャンネル*のゲストでしっちゃんと呼ばれている、軽自動車(エヌワン)の車中泊を楽しんでおられる方です。しっちゃんは自作で車内に装備を作られているんですが、自然体で有り合わせのものでどんどん改良していかれるんですね。そしてその作られたものがとてもチャーミングなんです。
さらにさらに、結構作り込んだものでもあっさり捨てて、新しいものにどんどん変えて行くところは達人の閾さえ感じます。
しっちゃんこそナチュラルボーンデザイナーだと思います。
私もブリコルールの気質があったのでデザインの仕事では大いに楽しませてもらっています。ブリコルールはデザイナーにとって基本的でありながら貴重な気質といえるでしょう。
*)石川県の方で、震災後も発信してらっしゃいます。そちらもぜひご覧ください。
写研フォント! ― 2024年10月09日 18:46
みなさまこんにちは^^
いよいよ写研のフォントがデジタル環境で使えるようになります!(2025/10/15より)
ナールとゴナには頭が上がらないベテランデザイナーは沢山いらっしゃいますでしょ?私もです。
写研とモリサワがたもとを分けてから再び合流するまでには随分と長い時間がかかりましたが、これからは一緒です。関係者の皆さまのご尽力に感謝を申し上げます。
写研フォントってなに? 知って使えばもっと楽しい書体の背景
写研フォントってなに? 知って使えばもっと楽しい書体の背景
思考は体技 ― 2024年10月11日 10:27
みなさまこんにちは^^
デザインでよく行われるRPラピッドプロトタイピングは、「手や体全体を使って考える」という感覚があります。粗雑ではあっても物理空間に実際に存在することで、五感それぞれに刺激がありますし、存在感を感じたり使用感をイメージすることができます。ここで感じたことをフィードバックして前に進めて行くことに課題も面白さもあります。
学生の頃、スケッチが抜群に上手い先生は「手で考える」と仰っていました。手の動かせる範囲を広く、自由に意図通りの線が引けないと、アイデアが縮こまるぞ、とも。人が「手の軌跡に意味を発見する」行為は、乳幼児から観察*されていますけれど、自分の行為の結果を、行為の意図から切り離して感じ取る力があります。
脳内で客観的に考えるのは難しくても、一度アウトプットしてしまうことで客観視出来る。人ってなかなか凄いです。
*)めちゃくちゃに描いた線に、ママの顔や犬の姿を見るようなこと。
脳だけでなく、筋肉と五感をフルに使うということは、身体のコンディションが思考に影響するということです。実例を二つご紹介します。
1999年のシカゴ、ネーパーヴィル・セントラル高校では、授業前に運動を取り入れたところ、1年間で全体の成績が17%向上しました。これは教育界にセンセーショナルを興したそうです。(日本の例もありますので興味があったら探して見てください。)
この教育界のムーブメントを追研究したのが2013年のスウェーデン、カロリンスカ研究所で、毎日運動すると4分で集中力が向上、20分で読解力が向上と報告しました。
体育の後の授業は眠くてぼーっとしてたな、、とう私の記憶とは大分異なる結果です(笑
しかし確かに、歩くと考えが動く感覚があります。血の巡りが良くなってくると酸素が行き渡って視界も考えも広がります。コンディションを整えるためのもの運動は適量がよい、ということですね。(詳細は検索して見てください)
思考は体技です。アイデアに行き詰まったら歩いたり縄跳びしたりしてみてください。
昼寝とサバンナ ― 2024年10月14日 10:00
みなさまこんにちは^^
身体を動かすと頭の回転も良くなるという話をしましたけれど、もうひとつ、疲れた時どうするか、これも大切なことです。
「疲れたら休む」
当たり前ですけれど、実際にはそう出来ないからエナドリが売れるんですよね。でも身体に何かと例れることと休息とは、根本的に違いますよね。よく言われる「元気の前借り」でしかありません。
やはり昼寝が効きます。ちょっと寝る。めちゃくちゃ大事です。
プロ野球のベンチ裏には「仮眠室」があるそうです。プロのアスリートにとっても適切な休息はパフォーマンスを向上させる大事なルーティーンだそうです。大谷翔平選手もよくねるそうですが、昼寝もなさってるのかしら。
「パワーナップ」という言い方も出てきましたが、昼寝を推奨されるオフィスも多いのではないでしょうか。
この「昼寝」に注目が集まった背景には、人間の動物的な側面を理解して、もっとも適した生活リズムを捉え直す、というムーブメントがあります。その強力なツールとして「サバンナ原則」があります。(日系イギリス人のDr.カナザワが提唱)
現代人のDNAはサバンナでの生活に適合してきた結果なので、サバンナにかったものへの適合が苦手であり、サバンナでの生活が健康的な生活の規範となる、というものです。
昼寝は、サバンナでの生活ではとても合理的でした。日が高いと目立つので多くの動物の活性が下がります。人も木陰に寝そべり、木の実や虫(!)を齧ったりしていた。
虫はちょっとハードル高いですが、少しの甘いものを食べ、短時間リラックスして目をつむる。いいです。許されるのでしたら、昼間の生活に取り入れて見てください。
「好き」の力 ― 2024年10月16日 10:28
みなさまこんにちは^^
先日「夢はかなう」と言っていいというお話の中で、「好き・やって見たい」ということに躊躇無く取りかかり続けると、自分の「好き」の中から「向いてる/向いてない」が見えてくるようになる、ということを紹介しました。
最終的に好きなことを仕事にするのを諦めるとしても、「好き」を理由にやるのって大事なんです。といいますか、仕事にするしないはまた別の話ですよねそもそも。
「好き」を自分の人生の真ん中に置くと、生活をどうするのか、という課題が出てきます。ひとつの解は「好き=仕事」になること。もうひとつは「好き」と「仕事」を別々に成立させること。
今回の話は、「好き」を仕事にするためにも、「好き」と「仕事」別々に成立させるためにも、「好き」を突き詰める過程は有用ですよ、です。
まず、「好き」は解像度を高めます。
昔ポルシェのライトが「涙目」(英語圏では卵焼き)になって、ポルシェファンの反発を招き元に戻した、ということがありました。ポルシェが好きであればあるほど僅かな差違が気になったのですね。
たとえばアイドルグループ、興味がなく口の悪い人からは「みんな同じ」と言われたりしますが、ファンからしたら全然違いますよね。
誰でも好きなものの解像度は高くなるのです。
それから「好き」は共感が深いです。
好きなものをもっと知りたいと思い、様々な情報を集めるのは自然な流れです。その過程でより共感を深めて行きます。
聞いたことのない二軍選手が一軍の試合に出てヒットを打つ。ありふれた光景ですが、その選手が子供の頃から知っている野球少年で、そのバックグラウンドや苦労を良く知っていたら、涙なくして見られないでしょう。
「好き」は理解と共感の原動力人になります。
そして、「好き」は全てのことが「自分ごと」になるのです。
今抱えてらっしゃる仕事は自分が好きなことですか?それとも会社都合でたまたま回ってきた仕事ですか?どうしたって好きな方が頑張れますよね。もちろん、職業意識から手を抜かない方がほとんどだと思いますが、一線を超えるかどうかというシビアな時には、のるかそるかを分ける要素だと思います。
特にクリエイティブ系の仕事の場合、自分の限界を何度も超えて行かなければなりませんが、この限界を超えて行く原動力は「好き」がもっとも普遍的で誰でも持っている力だとおもいます。(他にも色々ありますがここでは割愛)
限界まで頑張らなくても、「好きだけど向いてないな」とか、「自分が好きなポイントはそれをすることじゃなくて見ることだったんだな」とか、「むしろ少し俯瞰的に立場で補助の方が力量発揮出来るな」とか、「単に細々としたことを延々とするのが好きなんだな」とか、色々と自分の中の解像度が上がって行きます。
そう、「好き」を続けて行くと、対象物に対比して「自分への解像度、共感」があがり、自分を「自分ごと」として捉える力がついてくるのです。
安心して「好き」を続けてください。
「好き」のありか ― 2024年10月18日 18:07
みなさまこんにちは^^
ちっょと前、何が好きかよく分からない、という方とお話をする機会がありました。
でもそれはネガティブな悩みというより、自分ってそういう感じなんですよねぇ、という冷静な自己像でした。
それでも「熱を持ってる人に憧れる」気持ちもあるそうで、一度はそういう時期を過ごして見たいと仰ってました。
少し前、「クレーム処理が大好き」という起業家さんに会いました。もとは企業のクレーム処理の仕事をしていて、あるクレーム処理でお客さんと通じたと感じられ、またクレーム処理を通じて企業価値をこんなにも高められるのかと驚いた、と。その時「私はクレーム処理が好きなんだ」と自覚したそうです。
また、ある三代目社長さんは、引き継いだ時にはその業界に詳しくなく苦労したけれど、全て新鮮な気持ちで好きになる努力をした、と。自社と自社業界を愛しているのが伝わってくる社長さんです。
「好きなことは今目の前のものの中にある」という言い方がぴったりだと思います。
少し話がズレますが、運が良い人というのは、自分の引いたカードを正解にする人、といえる、と。
自分の意思で決めたことか、何かの都合でそうなったことかは関係なく、自分のリソースを活かすことを楽しみ、結果を出していくこと。結果が想定と違っても更なる幸運の兆しとしてカードに取り入れること。そういうスパイラルを持つことが出来た人、です。
冒頭の彼は、今の自分を冷静に見られているのであれば、やがてその中からある日ぽっと浮かんできたものを見つけられるだろうな、と思いました。
それから、自分を見つめ直す時間を日常的に持つ方がいいだろうと思っています。日記をつけたり祈ったりマインドフルネスしたり。ニュートラルな時間を持って自分を眺めて見る。おすすめです。
「好き」のかたち ― 2024年10月21日 16:58
みなさまこんにちは^^
「好き」を生活の中に取り入れることについてお話しています。
長くデザイナーをしていますので、時には「デザイナーになりたい」という方のお話を伺うことがあります。「どんなデザインがお好きですか?」と問うた時のお話を通して、「デザインが好き」のかたちが以下の3つに別れることに気付きました。
1:デザインされたものが好き・観賞したり使ったりするのが好き
2:デザインをするのが好き・工夫して新しい何かを作ったり飾ったりするのが好き
3:デザイナーに憧れる・デザイン出来るということに憧憬を持つ
3つの「好き」のかたちには結構差があります。周囲のデザイナーを思い浮かべて見ると、1、2、3のどれが最初にあった(と思われる方)かは、キャラクターに反映されているように感じます。
ちなみに私自身は2でして、とにかく創意工夫が昔から今でもずっと大好きです。その次に3、最後に1が芽生えました。
順番はどうあれ、デザイナーになるのでしたら「デザインをするのが好き」でないとちょっと(いやかなり)大変です。
でも、デザイナーにならなくても「デザインが好き」なら生活に好きなデザインを満たすことは出来ます。デザイナーに憧れるなら推しを見つけて作品を追いかける楽しみもあるでしょう。
「仕事としてデザインを行うこと」は、「デザインが好き」のあり方の一つでしかないのです。
この見立てはデザイン以外でも成り立ちます。
例えばスポーツ。
・オーディエンス
・プレイヤー
・ファン
観るのが好き、やるのが好き、スター選手に憧れる。
ここでもみっつに分けられそうです。
私は野球やサッカーなどの球技は全くやりませんが、観戦は大好きです。一方でウォーキングやハイキングをよくしますが、どなたかがやっているところを観るという発想はありませんでした。球技は観るのが好き、ウォーキングはやるのが好き、ということですね。
自分の「好き」がどのパターンに当てはまるかを知っておくのはとても大切です。
あなたの「好き」がプレイヤーとしての「好き」なら、それが仕事に向いているかどうかはっきりと知ることが出来ますよね。
「好き」と「強み」 ― 2024年10月23日 10:40
みなさまこんにちは^^
プレイヤーとしての「好き」は、自分に向いているものを探すのに役立ちますよ、というお話をしました。
・・ですが。
凄い人がもっとダイレクトに「強みの見つけ方」というお話をされています。私がぼんやりと言いたかったことを何億倍の説得力でずばっとおっしゃっています。こちらを読んで頂くのがいいですね^^;
>「あなたの強みは必ず好きなことの中にあります。ここまでの成功は、あなたの強みによってもたらされてきたのです。さらにそれはこれからの人生でも続く。会社が給料を払っているのは、あなたが人知れず弱点克服のために費やしている努力ではありません。会社がお金を払っているのは、あなたの生み出す業績であり、その業績はあなたの強みから生まれるのです。キャリアで成功したいなら“強み”をもっと磨け! すべては強みを認識することから始まるのです」(森岡氏)。
強みを見つけるための「好き探し」。
仕事で悩んだら(悩む前にでも)やるべし、ですね。
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