デザインの始まり 石器の話2 ― 2025年02月05日 18:12
みなさまこんにちは^^
デザインの始まり、石器の話の続きです。
使いやすい形にする
写真は槍や矢じりとして使用されたであろう石器です。(復元)
石器は手で持つ使い方から、棒の先に横向きにつけて斧にしたり、先端につけて槍状のものに広がりました。この道具の登場は狩猟スタイルを激変させたことでしょう。グループ間の争いもより過激になりました。(諸説あり)
用途を拡げる
道具は、使って行くうちに(あ、あそこにも使える)という発見と、(それならばこうしよう)という変化が生まれます。これはもちろん、生活のスタイルの変化をずっと伴っています。
人はデザインする生き物
割れた石に「切れる」を発見してからここまで数千年の間がありますが、進化の視点からは一瞬であり、自動的な遷移といえるそうです。
「人はデザインする生き物」なんですね。
デザインの始まり 石器の話1 ― 2025年02月03日 10:33
みなさまこんにちは^^
年頭にデザインの始まりについて石器に触れました。今日はもう少し詳しくお伝え出来ればと。
私たちは何かを美しいと感じる心を持っています。また、自身の活動の痕跡にもこの心が働き、「表現」へと昇華させる力があります。*
石器には私たちの持つこの力の発動を見ることが出来ます。
割れた石の鋭利な形=「切れる」の発見
写真は割れた黒曜石です。
自然の中で、割れた石の端面に触って怪我をしたり、倒木に突き刺さっているのを見たりするなどして「割れた石の端面はものが切れる」ということを発見しました。
そして手に持つのに丁度良いものを道具として使い始めました。
「切れる」鋭利な形を求めて石を割る
写真は石器の原型のひとつを再現したものです。
ほどなくして、割れた石を探すのではなく、自分たちで石を割って使い出します。石器の始まりです。
私はこの「発見」の喜び、「再現」の手応えを生々しく感じます。人として自然で、ものを作ることの喜びに満ちています。
ちなみにこの行為には「誰かのため」という視点は重要ではありません。そこも興味深いこと**なのですが、それはまた別の機会に。
(つづく
*)美しいと感じる心と表現についてはこちらをご覧ください。
**)人が自他の区別を明確に意識するのは個の概念が確立した中世以降、という説があります。真偽は別としても、社会階層の複雑化が進んでいない小規模の集団の中では、自分のためはみんなのため、であったと考えて差し支えないと考えます。
LAMYのJETSTREAM、買いました。 ― 2025年01月31日 10:16
自他ともの成功 ― 2025年01月24日 18:14
みなさまこんにちは(^^)
先日クライアントに、「私の知ってるデザイナーさんは自分語りの好きな人ばかりなのにあなたは違う。お客様のためにデザインしてますね。」と言われまして。
そう、デザインは自分以外の誰かのためにする創意工夫ですから、そのようにお感じ頂けて嬉しいです、とお答えしました。
私への評価はとても有難く感じた一方で、他のデザイナーは本当に自分語りしかしていなかったのか、とも。ご期待にそえなければ、その提案は「自分語り」に終わってしまうことを、あらためて自戒しました。
もちろん、自身の造形や思想を前面化している方はいらっしゃいます。デザイナーを職業として成立させるために、戦略的な振る舞いとしてそれを選択されていることもあるでしょう。
それはそれとして、やはり、デザイナーの本分は利他的なものです。
でもこれは、決して自己犠牲ではありません。デザインは利他でありながら同時に自己の利益も両立させなければなりません。
まあこれは商売の基本なので、デザイナーだからという話でもないですけれど、デザイナーが何を見られているか、ということを、あらためて思ったのでした。
写真はその帰り道、夕陽をいち早くとらえた鉄塔です。すっと抜けた気持ちよさがありました。
先日クライアントに、「私の知ってるデザイナーさんは自分語りの好きな人ばかりなのにあなたは違う。お客様のためにデザインしてますね。」と言われまして。
そう、デザインは自分以外の誰かのためにする創意工夫ですから、そのようにお感じ頂けて嬉しいです、とお答えしました。
私への評価はとても有難く感じた一方で、他のデザイナーは本当に自分語りしかしていなかったのか、とも。ご期待にそえなければ、その提案は「自分語り」に終わってしまうことを、あらためて自戒しました。
もちろん、自身の造形や思想を前面化している方はいらっしゃいます。デザイナーを職業として成立させるために、戦略的な振る舞いとしてそれを選択されていることもあるでしょう。
それはそれとして、やはり、デザイナーの本分は利他的なものです。
でもこれは、決して自己犠牲ではありません。デザインは利他でありながら同時に自己の利益も両立させなければなりません。
まあこれは商売の基本なので、デザイナーだからという話でもないですけれど、デザイナーが何を見られているか、ということを、あらためて思ったのでした。
写真はその帰り道、夕陽をいち早くとらえた鉄塔です。すっと抜けた気持ちよさがありました。
加湿器 Stadler Form の Ben ― 2025年01月22日 10:51
みなさまこんにちは(^^)
年末にインフルエンザA型に罹りまして、どっぷりと寝正月を過ごしました。子供の頃から流行り風邪にかかるので「流行の最先端を行くねこの子は」と呆れられたものでした。コロナも入院したので反論はありません(苦笑
まだまだB型も他の感冒も流行っているので自衛の策、加湿器を導入しました。
Stadler Form の Ben という、ミストを炎のように演出するインテリアライクな家電です。
この演出は珍しくありませんが、ミストの出方、光の当て方にこだわっていて好感を抱きました。外観もシンプルモダンで今となっては希少な部類だと思います。
また、健康管理には気化式がいいと言われますが、サイズもデザインも価格もちょっと、、というものばかりで断念。手入れを怠らずに使えば大丈夫とのことで、超音波式を受容しました。
ところで、この Stadler Form社もスイスで、先日の on と連続してスイスデザインに惹かれています。
いま、デザインのトレンドはモダンではない方向なのですが、私にはこのくらいがしっくりきました。
スイスは名書体ヘルベチカを生んだ国ですから、このモダンデザインを続ける意味がありますよね。
年末にインフルエンザA型に罹りまして、どっぷりと寝正月を過ごしました。子供の頃から流行り風邪にかかるので「流行の最先端を行くねこの子は」と呆れられたものでした。コロナも入院したので反論はありません(苦笑
まだまだB型も他の感冒も流行っているので自衛の策、加湿器を導入しました。
Stadler Form の Ben という、ミストを炎のように演出するインテリアライクな家電です。
この演出は珍しくありませんが、ミストの出方、光の当て方にこだわっていて好感を抱きました。外観もシンプルモダンで今となっては希少な部類だと思います。
また、健康管理には気化式がいいと言われますが、サイズもデザインも価格もちょっと、、というものばかりで断念。手入れを怠らずに使えば大丈夫とのことで、超音波式を受容しました。
ところで、この Stadler Form社もスイスで、先日の on と連続してスイスデザインに惹かれています。
いま、デザインのトレンドはモダンではない方向なのですが、私にはこのくらいがしっくりきました。
スイスは名書体ヘルベチカを生んだ国ですから、このモダンデザインを続ける意味がありますよね。
LAMYでJETSTREAM! ― 2025年01月20日 18:44
みなさまこんにちは(^^)
文房具好きペン好きの間では話題になっていた、「LAMYでJETSTREAMが使える!」の詳細が発表になりました。
写真は限定発売の2色ですが、既存のSafariで使えるJETSTREAMのリフィルも出ます。私はそれ待ちにしようかしら。
興味がない方には全く響かないかもですが、こういう定番人気者同士の合体はファッションではままありますが、プロダクトではありそうでなかなかないのですが、これがあたったらトレンドになりそうです。
最近お気に入りのスニーカー on ― 2025年01月17日 10:05
みなさまこんにちは(^^)
私、若い頃に長い距離を歩くことに憧れた時期がありました。コロナのころ、その気持ちが再燃しまして鎌倉から御殿場まで歩きました。一日あたり20キロほど歩く旅程を、日をまたいで重ねたものでして、今年もその続きをしようと思っています。
長距離を歩く際に靴が大切なのは勿論なのですが、どこがどう大切か、歩いてみて気付くことがあります。
その条件と言うのは、足にフィットするのは大前提としまして、、
・かかとがしっかりついてくる
・人差し指があたらない
・水に強い
・重すぎない
が私には重要です。
何万歩も歩くとき、足が靴の中で踊ると豆や靴ずれがおきます。これは、サイズが合っているだけだと防げません。靴のかたちや作りが、かかとがしっかりついてくるようになっているかがポイントです。これに気付くのにだいぶかかりました。
つぎに、人差し指があたらないことも重要です。日本人向けの幅広の靴はフィット感は抜群ですが、その分指先に余裕が少ないです。これも何万歩も歩くと爪を痛める原因になります。
そこで、フィットしてかかとはしっかりホールドするけど足先に余裕がある、というのが欲しい靴になります。これがなかなか難しい。
しかし昨年末、やっと見つけたのがこのスニーカー、onのcloud5でした。
スイス製で幅が狭いのが功を奏し、普段履く靴より1センチ大きめのものが、ホールド感と指先の余裕を両立させてくれました。しかも防水で軽い。
まだ一度に一万歩ほどしか歩いていませんがとても調子いいです。
ちなみに、重すぎないというのは、軽さを最優先にしない、という意味です。フィットすると重さを感じないので、まずはそちらを優先したいと考えます。
難点はインバウンド需要ですぐ売り切れてしまうこと。日本で買うとかなり安いらしくまとめ買いする方もいるとか。
今のところダントツおすすめです。
私、若い頃に長い距離を歩くことに憧れた時期がありました。コロナのころ、その気持ちが再燃しまして鎌倉から御殿場まで歩きました。一日あたり20キロほど歩く旅程を、日をまたいで重ねたものでして、今年もその続きをしようと思っています。
長距離を歩く際に靴が大切なのは勿論なのですが、どこがどう大切か、歩いてみて気付くことがあります。
その条件と言うのは、足にフィットするのは大前提としまして、、
・かかとがしっかりついてくる
・人差し指があたらない
・水に強い
・重すぎない
が私には重要です。
何万歩も歩くとき、足が靴の中で踊ると豆や靴ずれがおきます。これは、サイズが合っているだけだと防げません。靴のかたちや作りが、かかとがしっかりついてくるようになっているかがポイントです。これに気付くのにだいぶかかりました。
つぎに、人差し指があたらないことも重要です。日本人向けの幅広の靴はフィット感は抜群ですが、その分指先に余裕が少ないです。これも何万歩も歩くと爪を痛める原因になります。
そこで、フィットしてかかとはしっかりホールドするけど足先に余裕がある、というのが欲しい靴になります。これがなかなか難しい。
しかし昨年末、やっと見つけたのがこのスニーカー、onのcloud5でした。
スイス製で幅が狭いのが功を奏し、普段履く靴より1センチ大きめのものが、ホールド感と指先の余裕を両立させてくれました。しかも防水で軽い。
まだ一度に一万歩ほどしか歩いていませんがとても調子いいです。
ちなみに、重すぎないというのは、軽さを最優先にしない、という意味です。フィットすると重さを感じないので、まずはそちらを優先したいと考えます。
難点はインバウンド需要ですぐ売り切れてしまうこと。日本で買うとかなり安いらしくまとめ買いする方もいるとか。
今のところダントツおすすめです。
ピンクのスワロフスキー ― 2025年01月08日 17:57
みなさまこんにちは^^
年末にひとつ、ただ綺麗なだけのものを求めるのが毎年のことになっています。
昨年末は皿を買いましたが、これは実用品。しばらく「ただ綺麗なもの」は手に入れていないかもなぁ、、と思い、以前は良くたちよったスワロフスキーへ行ってみました。店舗カラーが薄めのグリーンに統一されていて、紙袋はピンクになっていました。
少し前からクリスタルのアートピースは縮小して、アクセサリーに舵を切っていたのは知っていましたけれど、店舗カラーや接客などのブランドアイデンティティーも、以前のコンサバティブな雰囲気から変えていました。
ITTALAもロゴを変えて、ハイファッションのようにどんどん買い替えてくれるお客さんを重視する方向に転換していましたね。デパートの上の方の階で高価格帯のアートピースを商っていたようなブランドは、どこも方向転換を図っています。
話ずれますが、デパートの高級品売り場はすでに「クラフト品」の展示即売が主流になってますよね。クラフトが「民芸品」から「アートピース」として存在感を放つようになってきています。デパートでもネットでもマルシェでもない、魅力的な売り場が近いうちに出てきそうです。
・・・そんなことを、スワロフスキーのピンクの小袋を眺めながら思ったんでした。
年末にひとつ、ただ綺麗なだけのものを求めるのが毎年のことになっています。
昨年末は皿を買いましたが、これは実用品。しばらく「ただ綺麗なもの」は手に入れていないかもなぁ、、と思い、以前は良くたちよったスワロフスキーへ行ってみました。店舗カラーが薄めのグリーンに統一されていて、紙袋はピンクになっていました。
少し前からクリスタルのアートピースは縮小して、アクセサリーに舵を切っていたのは知っていましたけれど、店舗カラーや接客などのブランドアイデンティティーも、以前のコンサバティブな雰囲気から変えていました。
ITTALAもロゴを変えて、ハイファッションのようにどんどん買い替えてくれるお客さんを重視する方向に転換していましたね。デパートの上の方の階で高価格帯のアートピースを商っていたようなブランドは、どこも方向転換を図っています。
話ずれますが、デパートの高級品売り場はすでに「クラフト品」の展示即売が主流になってますよね。クラフトが「民芸品」から「アートピース」として存在感を放つようになってきています。デパートでもネットでもマルシェでもない、魅力的な売り場が近いうちに出てきそうです。
・・・そんなことを、スワロフスキーのピンクの小袋を眺めながら思ったんでした。
デザインの始まり ― 2025年01月06日 10:54
みなさまこんにちは^^
洞窟壁画からアートの始まりと表現についてお話をしました。
それでは、デザインの始まりはどうでしょう?
以前、デザインは「誰かのために創意工夫すること」であり、それを喩えると「贈り物」だ、というお話をしました。
そうしますと、「創意工夫の痕跡がある」や「贈られたものと推定できる」ものは「デザイン」といえる、と考えます。
で、人の歴史にそれが最初に見られるのは、「石器」です。
考古学によれば、旧石器時代は260万年前まで遡ります。シンプルな石斧からはじまり、旧石器時代後期(4万〜1万3千年前)には高度に発展しました。
マンモス狩りのイメージ
今でも道具は生活と密着していますが、今以上に道具の優劣が生死に直結しただろう時代。石器には、生存をかけた工夫が見られて興味深いです。
(つづく
「捨てない」クリエイテイブ ― 2024年12月11日 18:33
みなさまこんにちは^^
以前、いわゆる「ゴミ屋敷」の片づけを手伝ったことがありまして、その時に(あれ、私も捨てたくない方だけどほっとくとゴミ屋敷になるのかな)とちょっと怖くなったんです。
ありものを工夫して必要なものを作る人(ブリコルール)はデザイナーの資質がある、というお話を以前しましたけれど、そういう人は概ね(何かに使えるんじゃ・・?)とものを捨てない傾向も合わせもっています。私もです。
うーん、困ったな。。
で、ちょっと調べたんです。「捨てられない」は嗜癖(アディクション)であり、「捨てる、捨てないことをコントロールできなくなった状態」だと。
これならすこし分かります。捨てないにしても「ちゃんと取っておく事が出来るか」ではかることが出来ます。
私事ですが、昨年末から今年の初めにかけて資材を大量に処分する機会がありましたが、その際に「捨てられない」という嗜癖はないということもわかりました。良かったです^^
同時に、取って置く状態への関心が低かったことも反省しました。使うためにとって置くんですから、そこもクリエイトしたら楽しいんじゃない?と。何に使えるか、使う場合どのぐらいの頻度か、代替は既にあるのではないか、どこにどのように置いておけれか、、。この観点で取捨選択するようになると、使い勝手の良いものだけが残って行く、、それを感じ始めています。
「捨てない」クリエイティブ。楽しいです。
最近のコメント