ダメマシンクリニック86【キッチンスケール:軽度の誤選および表示性干渉障害】2020年07月20日 19:15

みなさま こんばんは!

コーヒーセットや料理道具が沢山売れたと聞きましたが、自粛期間にインドアの楽しみを見つけた方は多いのではないでしょうか?私は以前から料理は好きですが、この数ヶ月でスパイスカレーやカオマンガイなど、アジア圏の料理に夢中になりました。初めて味わうスパイスの名前と香りを覚えて行くのも楽しかったです。
スパイスを扱う時はキッチンスケールを使うのですが、ふと何気ない操作で何度もしてしまう失敗がありました。今日のダメマシンクリニックはそれを取り上げたいと思います。

ダメマシンクリニック86【キッチンスケール】

どんな失敗かと申しますと、表示をリセットしようとして電源を切ってしまうのですね。押し間違いです。家人に訊ねたところ、やはり同じ間違いを時々してしまうとのことでした。早速診て行きましょう。

86 キッチンスケール 01
わが家のキッチンスケールは同じメーカーのものがふたつありまして、失敗しやすいのは左の方です。右は「表示をリセットしようとして電源を切ってしまう」ということはありません。

86 キッチンスケール 02
左の方を詳しくみてみますと、、
1:単位切替(g/ml)
2:電源(ON/OFF)
3:表示リセット・精度切替(0表示/微量)
となっています。

86 キッチンスケール 03
それぞれのボタンについては、、
1(単位切替)を押すと
 「g→ml:水→ml:牛乳」
 これを繰り返します。
2(電源)で電源を入れるとキャリブレーションが始まります。
3(表示リセット・精度切替)を押すと、
 0以外の時は 0(または0.0)に表示がリセットされます。
 表示が0の時は「0→0.0」(精度の切替)を繰り返します。

私や家人がしてしまう失敗はいずれも、
・調味料を入れる小皿を載せる
・小皿の重量が表示されるのでそれを0(または0.0)にする
・誤操作により電源を切ってしまう
のパターンです。

電源を入れて始まるキャリブレーションは実測で約4.5秒あります。このタイムラグは作業に集中している時は結構長く感じてしまうのですね。

86 キッチンスケール 04
あらためて操作部をみますと、2(電源)は他のボタンより強調されていて、最も押しやすい位置に配置されています。
つい「目立って押しやすい方」を触ってしまう、ということはあるでしょう。

しかし、何度も繰り返すのは使用者の単なるケアレスミスだけではなさそうです。

86 キッチンスケール 05
失敗しない方のキッチンスケールのボタンを見てみますと、、
4:電源切(OFF)
5:電源入・表示リセット(0N・TARE)
となっています。
「電源切」が別ボタンで離れていますので、これでしたら「表示をリセットしようとして電源を切ってしまう」ことはほとんどありえません。
(ちなみに「TARE」とは風袋(ふうたい)のことで、「表示リセット=入れ物の重さを抜く」というほどの意味のようです。)

この右側のキッチンスケールに慣れている使用者が左のキッチンスケールを使うとき、ボタンの役割を誤認する、ということもあるでしょう。

整理しますと、、
a:強調されて押しやすい位置のボタンを押してしまう
b:別機種で使い慣れたボタンを押してしまう
の2つがあります。

しかし、この二点だけでそう何度も間違えることがあるのでしょうか。
もっと根本的な課題が内包されている可能性を考えるため、各ボタンの役割を分解して見ます。

左のキッチンスケール
1:単位切替(g/ml)
  ┌→単位切替(g)
  ├→単位切替(ml:水)
  └→単位切替(ml:牛乳)
2:電源(ON/OFF)
  ┌→電源入
  │ └→キャリブレーション(自動遷移)
  └→電源切
3:表示リセット・精度切替(0表示/精度)
  ┌0表示
  └┬→精度切替(0)
   └→精度切替(0.0)
(9つの役割を3つのボタンに集約)

右のキッチンスケール
4:電源切(OFF)
  →電源切
5:電源入・表示リセット(0N・TARE)
  ┌→電源入
  │ └→キャリブレーション(自動遷移)
  └→表示リセット
(4つの役割を2つのボタンに集約)

失敗のほとんどない「右」の方ですが、なぜわざわざ「OFF」だけが別ボタンになっているのでしょう。言いかえますと、なぜ「ON/OFF」ボタンではないのでしょう。
実はここが今回のキーポイントになります。

ここで自動で遷移してしまうけれど重要な意味をもつ「キャリブレーション」について確認します。

「キャリブレーション」はスケールが正確に動作するために、電源を入れる毎に必要な工程です。これをスマートフォンに例えますと「起動」に似ています。スマートフォンの電源は入れても起動中は使えません。スケールの電源を入れてもキャリブレーションが終わるまでは使えない、このことと同じです。
スマートフォンで色々なアプリを使うことと、キッチンスケールで単位を変えたり表示のリセットをすることは似ています。スマートフォンでアプリの切替ごとに電源を切ったりしないように、キッチンスケールを使っている時も電源は切らない方が効率的です。

これを状態で切り分けてみますと、、

スマートフォン
┌→電源切
└→電源入
  └→起動
    └→各アプリ

キッチンスケール
┌→電源切
└→電源入
  └→キャリブレーション
    └→0表示など

こんな感じになります。
「電源切の状態」と「各ボタンの動作」との距離感が少し感じられるようになりましたでしょうか。
右のキッチンスケールのボタンはこの距離感に沿っていまして、不要なキャリブレーションを避け、うっかり「電源切」をしないようなボタン構成になっています。
おそらく、家庭用より歴史の古い業務用(電源が入りっぱなしでキャリブレーションに時間をかける)の作法に準じていると推察します。「TARE(風袋)」の表示からもそれを感じとることが出来ます。

一方、左のキッチンスケールは、テレビやエアコンなどの一般的な家庭機器と同じ作法で「電源入/切」が括られています。ボタンの役割を理解しやすい素直な区分けです。
しかし、このことにより不要なキャリブレーションの労力(時間、電力、使用者の集中力)を避ける視点が抜けてしまった、もしくは過少評価されてしまった、そのように見受けられました。


さてさて、シンプルな機器のはずのものを細かく分解し、小難しい話にしてしまいましたが、もう少し単純化した別の見方をもうひとつ。

キッチンスケールを使う場面を行為でおおまかに分解しますと、、
a:準備する
b:はかる
c:しまう
の三段階で、bは必要に応じて何度も繰り返します。

それぞれの行為に左のキッチンスケールのボタンの役割をあてますと、、
a:準備する
  ・電源入
  ・キャリブレーション(自動遷移)
b:はかる
  ・表示リセット
  ・精度切替(0)
  ・精度切替(0.0)
  ・単位切替(g)
  ・単位切替(ml:水)
  ・単位切替(ml:牛乳)
c:しまう
  ・電源切
になります。
ここでも「電源切」の距離感が見えてきていますね。


念のため、「電源入/切」と「表示リセット」のある機器の身近な例として電卓をみてみましょう。

86 キッチンスケール 06
左上は1970年代のもので、スライドスイッチによる「ON/OFF」と押しボタンの「AC」が分離しています。
左下は1990年代のもので、押しボタンによる「ON」「OFF」「C/EC」が分離しています。
右側の2つは最近のもので、「AC」にONが一体化され、「OFF」はありません。

電卓はプロが使う道具として長い時間をかけて洗練されてきました。キー配置には流派がありますが、ACキーが電源入を兼ねることは一般化しています。
また太陽電池駆動のものはOFFボタンの省略ができ、乾電池駆動のものにはOFFボタンが必要となっています。

電卓の場合も「電源切」と他のボタンとの距離感が感じられますね。
キッチンスケールにおいても同様な距離感(「電源切」を分離する)のほうがしっくりするかも知れません。



【診断】

役割をボタンへ集約する際の「電源切」の扱いを「誤選」とし、「ON/OFF」の強調による誤誘導から「表示性干渉障害」と診断します。
ただし、キャリブレーションの時間が無視できるほど短くなる場合は影響が軽微になるため、誤選は「軽度」とします。



【処方】

では、処方です。
表示部の差替で干渉を軽減する処方と、ボタンの役割集約を整理する処方です。


処方01:応急処置(メーカーによる)
・最も使用頻度の高い「0表示/微量」を強調する。
・「ON/OFF」の強調をやめ、「OFF」を少し大きくして目立たせる。

86 キッチンスケール 07

86 キッチンスケール 08
はかっている時に最も触るボタンが「0表示/微量」です。
使用頻度の高いボタンを強調することで、間違って「OFF」を押す可能性を下げることが出来ます。


処方02:治療(メーカーによる)
・最も頻度の高い「0表示/微量」を押しやすい右端に配置して強調する。
・「ON」を「0表示/微量」ボタンに兼務させる。
・「OFF」を独立させ、最も押しにくい奥に配置する。
・二番目に頻度の高い「g/ml」を手前に配置する。

86 キッチンスケール 09

86 キッチンスケール 10
このボタンの方が他機種との整合性も取れていて気持ち良いですね。



ダメを憎んでマシンを憎まず。

ダメマシンクリニックからは以上です!


No.86

対象:キッチンスケール

発見場所:横浜(日本全国)

報告者:有限会社ディーエムシー

報告日:2020.7.20

症例:軽度の誤選および表示性干渉障害

ダメ度:×(応急処置で対応可能)

治療方針:皮膚科「表示修正」

     内科「役割連携更新」




·······································


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ダメマシンクリニック85【コンビニの新型コーヒーマシン:配置性表示性干渉障害】2020年03月06日 17:23

みなさまこんにちは!

昔ある歴史学者の方の「数百年続いた暗黒の中世も終わった。人類には希望を持っていい。(趣意)」という言葉を聞き、なるほどと思ったことがありました。私自身も「人は簡単に絶望するが人類は絶望しない」と考えています。
新型コロナウイルスの影響が世界的に広がる中、無根拠な楽観論は控えたいと思いますが、それでも後世の方たちに「あの時代があったから」と言われるような知見と成熟を、私たちは残せるのではないか、、と希望を持っています。

さて、令和最初のダメマシンクリニックは平成最後に引き続きコンビニの新型コーヒーマシンです。

ダメマシンクリニック85【コンビニの新型コーヒーマシン】

前回も触れましたがコンビニのコーヒーマシンは2013年に登場しました。当初はホットとアイス、それに大小のサイズ展開で4品目でした。それでも、その使いにくさが話題となるほどでしたから、登場時から沢山の方々から支持されたとも言えるでしょう。(大勢の方が何度も使用したからこそクレームが多かったと思います。)
今回は昨年「200億円を架けたカフェラテの泡!」と宣伝されたコーヒーマシンです。早速診て参りしょう。 

85 コンビニの最新コーヒーマシン01
(撮影:201911月下田市)
左がフル機能のもの、右がコーヒー専用(ミルクなし)です。設置早々にダメ出しされていますね。詳しく診ていきましょう。 

85 コンビニの最新コーヒーマシン02
操作部をアップにして見ますと、、
左のフル機能のマシンは、、
1~2:表示(アイス、ホット)
3:目隠し(使用不可ボタンの消去)
右のコーヒー専用マシンは、、
4~5:表示(アイス、ホット)
6:目隠し(使用不可ボタンの消去)
左右ともに同じダメ出しをされています。


ダメ出しの表示(1·2·4·5)からは、どちらがホットかアイスかわからないい状況が多いことがわかります。ボタンの発光色がホットとアイスで変えられていますが、視野の中心から外れているため訴求に欠けていて、目視ですと写真以上にコントラストが弱いため、中央の目を引く大きな写真が(発光色による認識を)打ち消してしまうのでしょう。


次にボタンの目隠し(3·6)をみますと、使用不可のボタンを誤操作してしまう状況を示しています。もしかしたら3と6は使用不可なのに発光しているのかもしれません。


しかし、フル機能のマシンの左の1番下は点灯しているのに隠していないですし、右の下から2番目は点灯しています。さて、点灯と消灯の意味、隠されたボタンの機能はどうなっているのでしょうか。 


85 コンビニの最新コーヒーマシン03

(撮影:20203月横浜市)

こちらはダメ出しのない状態のマシンです。 


85 コンビニの最新コーヒーマシン04

じっくり見て見ますと、下田のお店で目隠しをされていたボタンは点灯しています。(a·

フル機能のマシンの左下(b)は、メニュー写真との関連が切り離されていますが点灯しています。右下(c)はbと同様な状況ですが消灯しています。

また、アイスカフェラテの下のボタン(d)はaと同様な状況で点灯しています。


これらのイレギュラーなボタンを押すとどうなるでしょうか。それぞれ該当すると思われるメニューを購入して試して見ました。


その結果は、、


 a:アイスコーヒーのMサイズ

 b:ホットミルク

 c:無反応

 d:アイスカフェラテ


でした。

点灯するボタンが操作可能、ということがわかりました。


下田のお店では「操作可能ではあるけれどサイズが不明のボタン」(a)を隠すことで、便宜を図ったと推察します。しかし、フル機能マシンの左下ボタン(b:上のボタンと金貨額は同じ)と右側のアイスカフェラテの下のボタン(d:上のボタンと金貨額は同じ)を隠さないところを見ますと、「Sサイズを購入してMサイズボタンを押すというような不届き者にエクスキューズを与えない」という意図の方が大きいことが伺えます。


さて、下田のお店では「アイスかホットか」「曖昧なボタンの意味」が問題点として表出していますが、中央の写真とメニューの文字、ボタンの位置、発光の有無などが、操作性(この場合は認識性と誘導性)の混乱を招いているのは明確です。整理しましょう。 


85 コンビニの最新コーヒーマシン09

フル機能のマシンの操作部を見てみましょう。 


85 コンビニの最新コーヒーマシン10

まず、左右のボタンと中央のメニュー写真の領域が分割されています。

それから立体で表現された矢じりのような誘導がありますが、ともに発光するボタンと大きな写真の間に埋没してほとんど見えていません。この「矢じり」がしっかり見えていると、、

 (ボタン)<(写真]

のように、写真横の小さな四角から誘引された視線をボタンまで届けることが出来たかもしれません。 


85 コンビニの最新コーヒーマシン11

メニュー写真内のメニュー表記もよく見ますと、左側は濃さの違い、右側はサイズの違いが括られていて統一感に欠けます。あわせて意味が曖昧に感じられるボタンの存在が、写真とボタンとの関連を妨げています。これらのことが多層的に「わかりづらさ」を作り出しています。


ところで話は主題からそれますが、なぜこのようなボタンの違いが生じたのでしょう。


85 コンビニの最新コーヒーマシン12

写真は上のマシンがセルフクリーニング中と思われる状態のものです。中のポンプが作動し全ボタンが点滅していました。この時、消灯していたボタン(c)も赤く点灯していました。

このことから、消灯したボタンの下にもLEDはあり意図的に「ボタンを殺している」(消灯し操作不可とする)ことがわかります。つまり、a、b、dもcのように殺すことが出来るのにしなかった、ということですね。


ここからはさらに想像を逞しくした推察になりますが、開発工程の仕上げに近い段階(おそらく、メニュー内容の決定の後)でメニュー部のグラフィックデザインが変更になったのでしょう。 


85 コンビニの最新コーヒーマシン13

現状から「デザインはほぼ確定し操作性の不備はない段階」のものを想像したものです。

 

85 コンビニの最新コーヒーマシン14

下2段のメニューは他のメニューと同じ表記ルールであったとしますと、中央のスペースが外側のボタンとの関連性を示唆する、意味のある分割スペースとなります。

この案で気になるのは右下の空間です。ここは赤いLEDが組み込まれていますので、他のホットメニューが最後まで検討されていたのかもしれません。例えばここのメニューが不採用になり、プログラム側でボタンを殺し、グラフィックデザインでは不本意にできた空間をうめた、、などといったシナリオが思い浮かびますね。はい、あくまで想像のお話でした。


経緯はともかく、最終決定ではプログラムとメニューのグラフィックに綻びが残ってしまいました。



【診断】


メニュー表記と誘導とボタンの位置と視認性の不備、そして不要な表示が互いに干渉して混乱を招いていますので「配置性表示性干渉障害」と診断とます。




【処方】


では、処方です。

応急処置では、干渉を起こしている要因を排除して整理します。

メーカーによる治療でも同様に、干渉を起こしている要因を排除して整理します。


処方01:応急処置


応急処置では、以下の様にするのがよいでしょう。

·使用可能でも触らせたくないボタンを隠す。

·使用不可のボタンを隠す。

·購入不可の写真を隠す。

·隠したボタンの視線誘導用の四角を隠す。  

85 コンビニの最新コーヒーマシン05


85 コンビニの最新コーヒーマシン06

(撮影:左20203月横浜/右20201月大阪)

上は購入不可のメニューの写真とボタンを隠した実例です。

このままでも機能していると見受けられますが、せっかくですので不要な要素をすべて隠してしまいましょう。  


85 コンビニの最新コーヒーマシン07


85 コンビニの最新コーヒーマシン08

ボタンを隠す丸いシールはどのお店でも同じものでしたので支給されているのかもしれませんね。このシールの様にしっかりと光を遮断する黒いテープでしっかり隠しましょう。


処方02:表示修正

メーカーの治療では、以下の様にするのがよいでしょう。

·下2段のメニューを他の表記ルールと合わせて左右に配置し、中央の分割化スペースを明確にする。

·明示されたメニューに対応するボタンのみ使用可能とする。

·使用不可のボタンは消灯し操作不可とする。

·使用不可のボタンの視線誘導用の四角を削除する、もしくは隠す。

·使用不可のボタンを隠す。  


85コンビニの最新コーヒーマシン15


85コンビニの最新コーヒーマシン16

現状のデザインを尊重したマイナーバージョンアップでも、充分に機能することを想定しています。

重要なポイントはふたつ、

·中央の分割スペースを残す。

·メニューとボタンは1対1の関係になるようにする。

です。

そのために、メニューの表記を揃え、使用不可のボタンと視線誘導の四角を見えなくしています。


なお、コーヒーマシンは自動化の傾向も出て参りました。自動化については当クリニックで処方済みのこちら(ダメマシンクリニック02【コンビニコーヒーマシン:多重コミュニケーション不全】)もぜひご参照なさってください。




ダメを憎んでマシンを憎まず。

ダメマシンクリニックからは以上です!


No.85

対象:コンビニの新型コーヒーマシン

設置場所:下田·横浜·大阪 ファミリーマート

報告者:有限会社ディーエムシー

報告日:2020.3.6

症例:配置性表示性干渉障害

ダメ度:×(応急処置で対応可能)

治療方針:皮膚科「表示修正」

     内科「表示連携更新」




·······································


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·設置場所とマシンの目的 

·困っていること·症状(出来るだけ具体的に) 

·テプラなどの対処部分の写真と説明 


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ダメマシンクリニック84【コンビニの新型自動コーヒーマシン:多重コミュニケーション不全】2019年04月25日 08:00

みなさまおはようございます!

この時期には珍しい雨ですね。平成も残すところあと6日、テレビやネットでは平成を振り返る番組や企画が沢山あって懐かしんでおります。UI(ユーザーインターフェイス)という言葉や概念がプロダクトデザインの分野に登場、浸透しはじめたのも丁度平成へと変わる1980年代末でした。
現場視点で振り返りますと、パソコンの普及によってGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)が認知されたこと、iPhoneの登場によってタッチインターフェイスが主流になったことが大きなインパクトでした。その他ATMマシンの普及、改札の非接触化、音声アシスタントの浸透など、UIに変化をもたらすものが沢山ありました。
現在は高レベルの自動化や集団内の個人認証、AR(拡張現実)機器の普及などがUIの現場を変えつつあり、AIやロボット(の普及)などが待ち受けています。それらが身近で頼もしいものになるよう、UIデザインはまだまだ頑張らなくては、です。

さて、平成最後のダメマシンクリニックはコンビニの新型コーヒーマシンです。

ダメマシンクリニック84【コンビニの新型自動コーヒーマシン】

コンビニのコーヒーマシンは2013年に登場し、その使いにくさからテプラや手書き表示を施されたマシンが多数見られました。当クリニックでは第2回から登場しています。
そのマシンの新型が登場したようです。5年分のフィードバックを活用して、使い慣れた人から初心者まで習熟度の広がった利用者の、誰もが使えるものになっているでしょうか。早速診て参りしょう。

84 コンビニの新型コーヒーマシン 01
操作部分が大きなディスプレイに変わった以外は、外観のイメージは従来のものと変わらないですね。ディスプレイにはゆっくりとしたアニメーションでメニューが表示されています。

84 コンビニの新型コーヒーマシン 02
1:使用法の説明
2:アニメーション表示(メニュー紹介)
ダメ出しはありませんが、使用法の説明表示が最初から用意されています。

84 コンビニの新型コーヒーマシン 03
説明表示には明記されていませんが、購入したカップを置くとマシンが「ホット/アイス」「レギュラー/ラージ」を自動で識別します。
しかしよく見ますと「ブラック専用」(3)とあるではありませんか。
購入したカップがカフェオレの時は識別してくれないのでしょうかね?(試していません)

このマシンの横にはカフェオレが作れるタイプの大型のものがあります。そちらを使えと言う事なのでしょう。
そうしますと、利用者は自分の購入したカップが「ホットかアイスか」「レギュラーかラージか」「ブラックかカフェオレか」を最後まで意識しないといけません。これでは自動化した意味があまりないと言えます。
それは「意思決定の回数が減らない」からです。

どういう事かと申しますと、利用者は購入時に一度意思決定します。支払いが済んでいますので、その意思決定は短時間ではあっても過去のものです。しかし、マシンの前で再度同じ意思決定をし、マシンに正しく伝えなければなりません。(間違えると不利益を被る)これは案外大きな負荷になるなのですね。
自動化の最大のメリットは二回目の意思決定がなくなること(による不利益の軽減)なのですが、今回のブラック専用マシンではそれが必要なままとなっています。

84 コンビニの新型コーヒーマシン 04
購入手順と意思決定と自動化については当クリニックで処方済み(ダメマシンクリニック02【コンビニコーヒーマシン:多重コミュニケーション不全】)ですので、ぜひご参照なさってください。


【診断】

従来マシンの「コミュニケーション不全」は自動化によって軽減されましたが、従来機と併設されマシンを選ぶ必要性が新たに生じましたので「多重コミュニケーション不全」と診断とます。


【処方】

では、処方です。
ここではダメ出しがありませんでしたので応急処置は省きます。
メーカーによる治療では、機器の仕様は現行のまま行える処方をします。
根本治療は前述の方法を強く推奨します。

処方01:治療
ディスプレイの内容を以下の様にするのがよいでしょう。
・「ブラック専用」であることを遠方から視認できるように表示。
待機時(カップをセットしていない状態)は、使用法をアニメーションで説明。
・稼働時(カップを認識した状態)は操作ボタンと誘導アニメーションを表示。
・カフェオレカップを置いた際は、他機への誘導アニメーションを表示。

84 コンビニの新型コーヒーマシン 05

84 コンビニの新型コーヒーマシン 06
画面一杯に「ブラック専用」と表示した方がよい状況も想定できますが、ここでは使用方法と併記しておきます。



ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.84
対象:コンビニの新型自動コーヒーマシン
設置場所:横浜セブンイレブン
報告者:有限会社ディーエムシー
報告日:2019.4.25
症例:多重コミュニケーション不全
ダメ度:×××(マシン単体では処置し切れない)
治療方針:外科「センサー追加/操作系再考/表示系再考」
     内科「システム連携」「表示系再考」



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・設置場所とマシンの目的 
・困っていること・症状(出来るだけ具体的に) 
・テプラなどの対処部分の写真と説明 

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ダメマシンクリニック83【飛行機内のエンターテイメント(IFE):自社中毒(疑い)による誤選および配置性表示性干渉障害】2018年11月28日 22:23

みなさまこんばんは!

少し前になりますが、「パソコンが使えないサイバーセキュリティ戦略担当大臣」が海外まで配信され話題になりましたね。一度挑戦したけれどダメだった、と。「でもスマホ(スマートフォン)は使えますよ」という反論も苦笑をかっていました。しかしこの発言、UI的には興味深いものがあります。

ーーーパソコンは使えないけどスマホは使える。
年代を問わず時々耳にしますから、情報機器のUIはスマホのメンタルモデルをベースに考えた方が自然だといえそうです。(2018年頃の一般論としてですけれど)

さて、今週のダメマシンクリニックはY.U.さんからご投稿頂きました、ANAの機内エンターテイメント(IFE)です。
Yさん、ありがとうございます!

投稿内容はこちら(写真とも・後半に括弧内数字を筆者追記の上掲載)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
83 機内エンターテイメント01

83 機内エンターテイメント02

83 機内エンターテイメント03

(以上がご投稿頂いた写真です。)
(以下に括弧内数字を追記したご投稿コメントです。)

今どきの飛行機 凄いなぁ 全席背もたれに画面ついてる。
テレビ、ビデオ、雑誌、機外カメラ、いろいろ見れる。
ただ操作方法がすごくわかりにくい。
ダメマシンクリニックに訴えたる。

83 機内エンターテイメント04
このボタンの意味わからんですよねえ。
まず取り出しボタン(1)押そうとしたら、すぐよこのiマーク(2)押してしまって、CAさんが飛んできた。

83 機内エンターテイメント05
それと人のマーク(3)と人のバッテンマーク(4)こんどは何が起こるのか怖くて押せなかった。周りをみても、これ使ってる人は1人もおらず...わかりにくいマシンはダーーーメ! 

(質問:タッチでも使えますか?)
タッチも使えるのですが、リモコンよりもさらにわかりません。 リモコンの使用方法は出てくるのですが、上から2番目の四角いボタン(5)がタッチパッドのようになっていて、指で触るとカーソルが動くということだけ説明されていて、他のボタンの説明はありません。 

83 機内エンターテイメント06
カーソルで項目を選ぶことはできますが、たとえば雑誌を選んで開いたら、ページを繰ることはわかります。ところが文字が見えない。拡大鏡のボタンで拡大したときに上下の↑(6)を出すのにダブルクリックしなければいけないのですが、その説明もなく..というように、いろいろ試行錯誤してやっと操れるようになるのにしばらくかかりました。

パソコンやタブレットになじみのある私でも、かなり迷うのですから、あまり触ったことのない人は途中であきらめてしまうでしょうね。
CAさん呼んで説明してもらうわけにもいかないし... すべてタッチパネルで完結するようにしたほうがむしろいいかもしれません。
リクライニングを倒すと、僕でもタッチパネルに手が届かないんです。しかしリモコン盗まれても困るから太い線で繋がれてて... パネルが前に出れば良いのでしょうが、壊れやすかったりコストかかったりで、そこはしかたないんでしょうね。
おそらく機能を欲張り過ぎたのだと思います。テレビとビデオくらいにしとけばボタン少なくて済むのにね。
あと、このリモコンの人のマークって何なのでしょうね?バッテンしてあるのもあるし... 怖くて触れない 実はリモコンの裏面にゲームのコントローラーみたいなボタンもありました。でも、使い方わからず。

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ご自身も「なじみのある」と書かれてらっしゃいますが、Yさんは普段から複雑な機器操作をなさいます。そのYさんをしてここまで困惑させるとは、、早速診てまいりましよう。


ダメマシンクリニック83【飛行機内のエンターテイメント(IFE)】

83 機内エンターテイメント07
外観からは画面はタッチUIがベースで、リモコンでも操作できるようになっているようです。複雑さの元は言うまでもなく、この二種類のUIが併存していることでしょう。

細部をみて行きましょう。

83 機内エンターテイメント08
画面上のタッチUIは左から、、
[星(用途不明1)・吹出し(不明2)・音量・輝度]・・・コンテンツや装置に関するもの
[読書灯]・・・手元用照明のスイッチ
[人型]・・・グラスを載せたトレーを持つ姿からサービスの呼出しと推察
[電源]・・・アイコンは電源ですがここでは画面のオンオフと推察 
この装置以外の操作(読書灯、呼出し)がもアイコンボタンになっています。これは「この画面で全て出来る」ことを暗示します。

一方リモコンは左(上)から、、
[i]・・・インフォメーションと推察しますが挙動は不明
[カーソル・音量]・・・コンテンツや画面に関するもの
[読書灯]・・・手元用照明のスイッチ
[人型]・・・CA呼び出しボタンとその解除ボタン(伝統的なピクトグラムより)
タッチ同様に装置以外の操作が可能となっていますが、タッチUIのアイコンボタンと「i」を除き重複しているという点に注目してください。

まず、この「画面のアイコンと同じことが出来る」という見え方をしているでしょうか。アイコンとピクトグラム*が同じではないこと、音量と呼出はリモコンのキーがふたつあること、そして画面にだけ「電源」が、リモコンにだけ「i」があること。これらを勘案すると、ぱっと見たところでは違うものに見える方が自然と思われます。
(*アイコンもピクトグラムも違いはありませんが、画面上ではアイコン、印刷上ではピクトグラムと呼ばれていました。現在はアイコンで統一されつつありますが、ここではあえて言い分けています。)

また通常「i」ボタン(インフォメーション)は評判がよろしくありません。このボタンがあること自体「この装置は複雑です」と言っていることになりますし、そのボタンを押したあとも、適切な情報を得るまでには手間が必要だからです。それがリモコンの一等地に配置されています。

これは大変よろしくない状況です。出来ることは「コンテンツを視聴する」「読書灯をつける」「CAを呼ぶ」の3つですん。Yさんは「
テレビとビデオくらいにしとけば」と書かれましたが、実際その範囲の装置でありながら「機能を欲張り過ぎた」と感じさせるに充分な外観(インターフェイス)となってしまいました。

さらにYさんの場合、意図せず「i」を触りCAがくるという経験を最初にしたことで、「i」を起点に操作方法を理解することとなりました。手間と時間と気まずい思いが「複雑さ」をより強く印象づけたことと推察します。
なお、最初の経験がなかったとしたら、人型のピクトグラムに迷う可能性は低くなったと思われます。人型のピクトグラムは長く使用されており、利用者が必要とした状況では、そのように(呼出しボタンに)見える確率が高いと考えられます。

さて、なぜ二種類のUIを併存させたのでしょうか。ここからは憶測の範囲になりますが、今ある材料の中から探って行きましょう。
まず、ANAのサイトを確認して見ますと、投稿して頂いたIFEがエアバス社A321機のエコノミークラスに、最近採用されたシステムであることがわかります。2018年現在で最新ということになりますが、それ以前は「画面+リモコン」もしくは「リモコンのみ」というもので、これらは同時運用されています。
また同機には無料Wi-Fiが用意されていて、自前のデバイスでも同じコンテンツを楽しむことが出来ます。自前のものでも機内の装置でもどちらでも利用者のよい方で、という選択肢が提供されています。
同様に、利用者の選択肢を提供するという意味で、「他の機体や席ではリモコンが使われているキーUIを提供し、タッチUIと併存させた方がよいと」いう考えが尊重されたと推察します。
また、ゲーム用のコントロールパッドが裏にあるとのことですから、この有線の装置を活用するのは自然のことだったのかも知れません。

他機種との整合性、選択肢の提供、いずれも利用者にメリットをもたらす考え方ですが、残念ながら今回の事例では返って複雑さの元となってしまいました。

<他機種との整合性>
これは「異なる機器を連続して使う人がいる」という状況への配慮です。
現行の「リモコン+画面」の機器との整合性は未確認ですが、タッチUIがない時代の「リモコン+画面」は、このシステムとは異なり、リモコンでの操作性に適化したUIだったはずです。つまり、他機種との整合性と言いましても「リモコンがある」以上の整合性はなく、かえって複雑になっているとみます。

<選択肢の提供>
これは「それを使いたい人がいる」という状況への配慮です。
この場合「タッチUIの方が使える・使いたい」という人と、「キーUIの方が使える・使いたい」という人を、どう見極めたのかが鍵になります。
ここで、冒頭の大臣の例を含め、周囲の方々を見回して見ますと、ビデオの予約が出来ないと言っていた方がスマホは使えていたり、銀行ATMが使えていたりします。
コンテンツの閲覧の範囲でしたら、タッチUIは充分に使えるUI**になっていると考えて良いでしょう。
一方で、キーUIの利点は習熟度が増した場合でのブラインドタッチやスピードがありますが、コンテンツの閲覧の範囲であれば、この利点を活かす場面は少ないと言えるでしょう。(この利点が活きるゲームには別のキーパッドが用意されていますし。)
(**音声アシスタントやARが普及すると、また状況は変わっていくでしょう。)


【診断】

一見したところ「高機能化症候群」に見えますが、タッチUIとキーUIの併存が主たる原因ですので「自社中毒(疑い)による誤選」と診断します。自社中毒には他機種の精査を必要と考え、「疑い」を追記します。
また、使用法が異なるもの同士が隣接したことによる、使用方法のイメージ(アフォーダンス)が干渉してしまう「配置性干渉障害、加えてアイコンとピクトグラムが異なることによる「表示性干渉障害」を併記します。


【処方】

では処方です。
根本的には広く使い方の浸透したタッチUIのみにするのが良いでしょう。
今年3月に乗ったルフトハンザのA350機はタッチのみのUIで、タッチUIとしてはごく普通の感覚で使えました。(以下の写真)

83 機内エンターテイメント09
よく見て頂くとわかるのですが、読書灯や呼出しのボタンはありません。この装置についてのみアイコンボタンがある、ということも合理的なものを感じました。

なお、ドイツ往復とも同じ機体に乗りましたが、帰りの便で使い方がわからずCAを呼んだご年配の方をおひとり見かけました。CAを呼ぶのには困らず、一度教えてもらったあとは使えていましたので、ここではうまく機能していたようです。

上に「なぜ二種類のUIを併存させたのか」を考察しましたが、「なぜリモコンを捨てられなかったのか」という問い立てもできます。
機種の変遷から、既にある「リモコン+画面」というデバイスに「タッチUI」を乗せただけ、という見方をすると、リモコンを捨てない方が、護られるものが多いように見えます。
もし、、
 ・判断によっては開発内容を変更できるタイミングで、
 ・機器の操作を含めたサービス全体を評価する。
・・・という手順を踏んでいたら、「あえて捨てる」という判断もあり得たのではないか、、。これも憶測の域を出ませんけれど、UIをデザインするものとしての残念さが滲みます。

最後に、憶測を控えて、現れている事象を前提とした処方をして参りましょう。


処方01:整形外科
タッチUIとキーUIの整合性をとり、複雑さを軽減する。
・アイコンとピクトグラムを揃える。
・キーUIの対になるものをまとめる。
・カーソルボタンを大きくし、アイコンを描く。
(ここでは挙動不明な「i」は処方外となっています。)

83 機内エンターテイメント10

83 機内エンターテイメント11
「画面で出来る事の一部が、リモコンでも同じように出来る」という風に見えるのが理想です。しかし、「i」の存在が大きく、理想には届いていない印象となりました。やはり根本治療が必要と考えます。

機内のUIについては過去にもありました。ご参考までに挙げておきます。



ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.83
対象:複合施設のトイレのリモコン
設置場所:ANA国内線 エアバスA321機内
報告者:Y.U.
報告日:2018.9.21
症例:自社中毒(疑い)による誤選および配置性表示性干渉障害
ダメ度:×××(根本治療が望ましい)
治療方針:外科「切除および再配置」


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・明瞭な写真または動画(複数歓迎) 
・設置場所とマシンの目的 
・困っていること・症状(出来るだけ具体的に) 
・テプラなどの対処部分の写真と説明 

※プロの方へ 
このページの内容を参考にして設計されることは大歓迎です。引用も問題ありません。(ただし、法的な責任は負いません。また、できれば一言「参考にしました」と言って貰えると嬉しいです。) 
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ダメマシンクリニック82【複合施設のトイレ:誤選および表示失調】2018年10月03日 11:05

みなさま
こんにちは!

一昨日の吹き戻しと10月らしからぬ気温に、これは台風で汚れた車を洗うには丁度よいと出かけましたが、ガソリンスタンドの洗車機には10台ほど並んでおりました。みさなま考えることは同じなのですね。道すがらの落ち葉には、ここ数年すっかり存在感の薄くなった秋を感じることができました。

さて、今週のダメマシンクリニックはT.T.さんからご投稿頂きました、福岡の複合施設内のトイレです。
Tさん、ありがとうございます!

投稿内容はこちら(写真とも)
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82 複合施設のトイレ01
こちら、いつも利用します。
美しいですが、実際はもっと暗くて。。。┐(ΘへΘ;)┌文字が見えない

82 複合施設のトイレ02
接写でも...(; ́д`)なのです

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明言されてらっしゃいませんけれど、使う度に不便を感じておられること、嫌いではない施設なのにここだけ残念な気持ちになること、、そのような心象が文面から伝わって参ります。早速診てまいりましよう。


ダメマシンクリニック82【複合施設のトイレ】

82 複合施設のトイレ03
寄った2枚目の写真で確認しますと、、
1〜2:表示(上面の便器洗浄ボタン)
最も重要な洗浄ボタンを特に目立たせていることがわかります。

82 複合施設のトイレ04
ダメ出しの白いテープをとったもの(合成)がこちら。
暗い中に同じ形態のボタンが整然と並んでいて、文字だけを頼りに判別するのは相当に難しいことがわかります。
また、前面の大きなボタンはフラッシュ(便器洗浄)ではないこともわかりにくさの一因でしょう。

この「洗浄ボタンが上面」タイプのリモコンは本当に沢山の場面でダメだしされておりまして、こちらでもいくつか取り上げる機会がありました。

 ダメマシンクリニック04【カフェのトイレ:高機能化症候群および自社中毒の疑い】
 
ダメマシンクリニック64【そば屋のトイレのリモコン:誤選および表示失調】

機器そのもののデザインにも起因しますが、根本的には家庭用自動洗浄タイプ仕様と思われるこのタイプのリモコンを、不特定多数の方が使う店舗に設置していることが原因です。家庭内での「慣れ」を考慮したこのリモコンには、初めてでもすぐ使えるぱっと見た判りやすさを求めるのは難しいと言えます。


【診断】

公共の使用に適した設備が必要があったとして「誤選」と診断します。
また、誤選により設置されたリモコンの「表示失調」を併記します。


【処方】

では処方です。
こちらの最小限のダメ出しには施設の雰囲気に配慮した心遣いを感じます。そこで、現状のダメ出しを補完する応急処置を処方します。


処方01:応急処置
現在の白いテープを、雰囲気への配慮とともにもう少し目立たせます。
・表示(テープ)をまとめて大きくする。
・テープのトーンを変える(色をつける)。

82 複合施設のトイレ05

82 複合施設のトイレ06
とても小さい場所ですので一つにまとめて目に留まることを期待します。
色は、シックで高級感のある「モノトーンのタイル貼りにステンレス」に似合いつつ目立つ色としてワイン系にしました。施設のテーマカラーや他の場所で使われている色があればそちらを参考にするとよいでしょう。

もちろん、このダメ出しの効果は限定的です。既にメーカーからは公共用の使いやすいリモコンが出ていますので、根本的にはそちらを設置されるのが良いでしょう。
こちらで紹介しています。ご参照ください。)



ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!

No.82
対象:複合施設のトイレのリモコン
設置場所:福岡市
報告者:T.T.
報告日:2018.6.28
症例:誤選および表示失調
ダメ度:×(治療が望ましい)
応急処置:表示修正
治療方針:外科「再配置」


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・困っていること・症状(出来るだけ具体的に) 
・テプラなどの対処部分の写真と説明 

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