ダメマシンクリニック19【シェアオフィスのコーヒーマシン(1/2):誘導失調-診断編-】 ― 2016年03月11日 07:07
おはようございます。
過去のできごとを教訓として活かせるよう、今日もいま目の前にあること、百年後のために出来ること、それぞれに精一杯取り組む一日を過ごして参りたいと思います。
今日もダメ出しされているマシンに寄り添ってまいりしょう。次の症例はこちら「シェアオフィスのコーヒーマシン」です。今回はM.M.さんから口頭でご報告があり、私が写真に収めました。
Mさん、ありがとうございます!
今回のマシンは、手順を追って行く(シーケンシャルな)誘導画面を持っています。従いまして説明が少し長くなりましたので、2回に分けてご紹介させて頂きます。
ご報告内容はこちらです。(写真、文ともdmc.作成)
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シェアオフィスの共用スペースに置かれています。
一見してコーヒーマシンであること、何種類かの飲みものを楽しめることが判りますね。
マシン正面の画面に注目すると、飲みものを表示した「コーヒー/ティー」と動作を促す「コインヲイレテクダサイ」の文字が見えます。
マシン左手にコイン投入口があり、手書きの表示から「100円」であることが判ります。
コインを入れると「クレジット:100」に変わりました。
表示が変わり、画面左右のボタンで飲みものを選ぶよう促されます。
「ココア」を押すと手前カバーが開きました。ここにココアのパックを自分で入れます。
パックの上下と裏表に問題が無いかよく確認して挿入します。
カバーを閉めると抽出が始まりました。カップをきちんと置いていなかったので慌てて置きなおしました。
抽出終了の表示がでます。動作音の変化からも終わったことが感じられます。
ここで選べる飲みものは「コーヒー」「ココア」「フレーバーティー」の5つ。
ココアを試した際は、抽出時の飛沫と溶け残りが気になりました。
Mさんからは「使いづらい」「失敗しそう」という感想を頂きました。具体的には「値段が判りづらい」「画面が見づらい」「パックの入れ方が判らない」「コップの置き方が判りづらい」といった点が気になったとのことでした。
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こちらのマシン、管理者からのダメだしは価格表示のみですが、Mさんや私自身が実際に使用した状況から、加療が必要と判断します。
ダメマシン19【シェアオフィスのコーヒーマシン-診断編-】
どのあたりが「使いづらい」「失敗しそう」と感じさせてしまうのでしょう、順番を追って見て見ましょう。
まず、最初に注目される液晶画面ですが、コントラストが低めの小さなカタカナ文字のため、大変見づらくなっています。
ここで使われているオレンジのバックライトは、かつて輸入車などに良く見られましたが、日本人には不向きと言われる避けられることがあります。
理由は分かりませんが、画面には価格表示がないため、コイン投入口に追加の表示がされています。このことは「画面内にすべての情報があるとは限らない」というメッセージになっています。
「クレジット」は英語圏では問題無いと思いますが、日本語圏では判りづらいと感じる方は多いでしょう。例えば「投入金額」のように平易な言葉になっていないことも判りづらさを助長しています。
文字の小ささからボタンとの距離が遠く感じられます。
文字で「パックヲイレテドアヲシメテクダサイ」と表示された後、イラストが表示されます。ドア(カバー)の内側のイラストは正しい角度ではありますが見づらい印象です。
また、あとから表示される画面のイラストは、意識がパック自体に向いている時に表示されるので気付きにくくなっています。
もっとも、正しく挿さないと動作しませんので、戸惑いながらも失敗はしなかったです。
しかし、「失敗しなければ良い」という視点では重大なことが抜け落ちてしまいます。
どういうことかと申しますと、「マシンに何かをセットする」というのは、そのシステムの「心地よさの発揮しどころ」であります。ガンのカートリッジ、カメラの交換レンズ、エスプレッソマシンのホルダー等々、「装填」の心地よさというものがあると思います。
そこが練られていないことが、不信感を増長させ品質(飲みものの味)の評価に悪影響することになる、、。これは見逃してはならないことと思います。
さらに、カップを置かせる誘導が無く(見逃した可能性も否定出来ませんが)、あわてて置いてしまい、マシンに関わる一連の動作が最後までちぐはぐでした。
【診断】
主として液晶画面に表示される誘導に、視認性の低さ、漏れ、タイミングのズレなどの症状が重なり、全体として使いにくさを強調してしまっていますので「誘導失調」と診断します。
なお、重大なミスリードがある訳ではないので「誘導不全」とまでは言えないことを添えておきます。
治療には、現在の液晶表示で誘導を整える方向と、液晶画面を含めて見直す方向があります。さて、どのような方法がありますでしょうか?次回はそれをご紹介いたします!
ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!
No.: 19
対象:シェアオフィスのコーヒーマシン
設置場所:横浜関内のシェアオフィス
報告者:M.M./ディーエムシー
報告日:2016.3.11
症例:誘導失調
ダメ度:-(次回)
応急処置:-(次回)
治療方針:-(次回)
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