甲斐の猿橋2012年01月26日 13:32

百蔵山の帰り、すぐそばに架かる猿橋に寄りました。
「日本三奇橋」という銘の看板がかかっています。一見、安直な宣伝文句のようですが、江戸時代から伝わる呼び名です。

甲斐の猿橋
広重も浮世絵にしたと言う猿橋は甲州街道の要所にあり、言い伝えでは7世紀から、鎌倉時代には記録も残るそうです。

甲斐の猿橋
岩に穿った穴から梁を出し、その上にまた梁をせり出させてかける刎橋(はね橋)という構造が特徴です。Wikipediaによれば、現存するのは猿橋だけとのこと。
梁に屋根をかけ、腐食から守っていますね。重要な建築物であり大切にされてきたことが伺えます。

甲斐の猿橋
今は日とが歩くだけですが、往時は馬や籠も通ったのでしょう。

甲斐の猿橋
両岸は切り立った崖、水面からは31mです。

甲斐の猿橋
下流側には水路と国道、上流側にも鉄橋が架かっています。この川を越える事の重要さがここにも表れていますね。

甲州街道を車で通ればあっという間に過ぎ去ってしまう所にありますが、歴史がお好きな方ならこの小さな橋のたもとに立ち、往来を想像するのも楽しいでしょうね。

雪あがりの朝焼け2012年01月25日 23:59

雪が積もると聞き、積雪の様子を撮影しようとカメラを構えましたが、雪は夜半には上がり、かわりに朝焼けが撮れました。



朝焼けの中から太陽が電線沿いに昇っています。また電線でごめんなさい(笑)

こちらでは早々に融けたのですが、都心ではこの雪が凍りつき、少し悪さをした様ですね。
いま大きな寒波が日本を包んでいるそうですが、みなさま暖かくしてお過ごし下さい!

空気の質感2012年01月24日 23:59

富士山 葛城山から
窓から遠くのビルやその向こうの空を眺めていますと、空気の質感といいますか、透明性の背後にある存在感が、確かにあると感じられます。

宇宙空間で撮影されたものと、透明度は高くても空気中で撮影されたものの陰影では、やはり異なって感じます。目に届く光から、恐らくはその乱れと変色と減退を「空気感」といわれるものとして識別しているのでしょうね。

幽玄な景色と言いますが、空気の濃密なフィルター越しに広がる世界に、目には見えないけれど存在するものへの憧れを見ているように思います。
そのUIで言えば「周辺情報」にこそ、エモーショナルな何かが潜んでいるからでしょうね。

(写真は伊豆の葛城山から見た富士山です)

激しさに包まれる ジョー奥田さん「Wave from Hawaii」2012年01月23日 23:59

以前にもご紹介させて頂いた、ネイチャーサウンドアーティストジョー奥田さんの新譜「Wave from Hawaii」が届きました!

Wave from Hawaii
タートルのグラフィックがハワイらしいムード。
パッケージはフラワーのものと2種類あるそうです。

Wave from Hawaii
録音中のジョーさん。
写真データも30点同梱されています。嬉しいですね。

Wave from Hawaii
メディアは8GBのUSBメモリー。
今回の作品は「96kHz-24bit」というフォーマットのデータのため、CDではなくメモリーになっています。

オーディオがお好きな方は良くご存知だと思いますが、96kHzはサンプリング周波数、24bitはデータ深度を表し、ともに数字が大きくなるとより密度が高いデータとなります。(CDは44.1kHz-16bit)
密度が高ければより繊細な違いが記録されますから、その分だけ忠実な録音(=高音質)が期待出来ます。
メディアフリーになれば、高音質で長い音源も流通可能ですから、これからもっと増えて行くでしょう。

さて、メディアの事はこのくらいにしまして、「Wave from Hawaii」です。
冒頭、夜明けをイメージさせる鳥の声とともに遠くから激しい水音が。その音に魅かれるように近づき、気がつくと波と渦の中へ、、。

いやー、やっぱりジョーさんですね、ハワイの典型的なリゾートのイメージを早々に裏切る荒々しさと厳かさ、だからこその清廉さがどしっと表れます。

その少し恐いけど魅力的な激しさに揺られているうちに、すーっと波が静かになり、時折入る激しい波にも恐怖感は無く、むしろ気持ち良い揺さぶりとなって全身を包みます。・・これがとっても眠くなるんです^^;
私ははじめ、iPodで音量を少し大きめにしてベッドで聴いたのですが、10分くらいで寝てしまいました。翌日も「今夜は最後まで聴こう」と思いつつ寝てしまいました。

昨日あらためて最後まで聴こうと思い、古い真空管アンプに繋ぎ、スピーカーから流して見ました。ヘッドフォンで聴くバイノーラル録音による立体感がなくなると波の恐さがぐっと抑えられるのですが、その分遠景の距離感は増して感じられ、背景に流れ続ける虫や鳥の声が目立つようになりました。

その声に小鳥たちは大はしゃぎ。

耳を傾ける小鳥たち
時折ふと首をかしげて聴き入り、またはしゃぎ出す。。
これをずっと繰返していました。

最後はまた遠くから激しい波が近づき、夜が近づいた事を暗示しているのですが、この轟々とした音が、どこか懐かしさを帯びた余韻とともにすうっと消えていきました。

激しさに包まれるあっというまの30分、お薦めです!

プロダクトの「顔」2012年01月20日 23:59

カッターの「顔」
昨日ご紹介したフライ返しには顔がありました。
ブランドのアイデンティティーを表す全ての可視物は顔と呼べますが、抽象化した意味の顔ではなく、少なくとも目と口のあるモチーフとしての顔のことですね。
このプロダクトの「顔」については、多くの方が沢山の実例と思索を重ねていますので、その考え方は様々だとしましても「重要である」ことは間違いないです。

私は様々な点で効力があるので、必然性もしくは蓋然性のある中で有効的に使いたいと思っています。
では必然性、蓋然性とはなんだ、ということなのですが、それはそこに顔のある意味が、プロダクトの意味を強化するためだけに存在するということです。言い換えれば、顔がある事で別の意味を作り出さない事です。

こんな例があります。
40年ほど前、動物園にペンギンの形をしたごみ箱が設置されました。斬新でとてもかわいらしく、それまでの無粋なごみ箱に取って替わって歓迎されました。ゴミをその場に捨てることも減ったそうです。そこまでは大成功でした。
しかし暫くすると、子供たちが本物のペンギンもゴミを食べるものだと思い、実際にあげようとする子もいたというのです。
どこまでが実話なのか、またどのような配慮からか定かではありませんが、ペンギン型のごみ箱はある時期を境に無くなったことを記憶しています。

同じ鳥の顔では、以前ご紹介させて頂いた「キッチンカッター」で、「刃」の位置と機能を子供でも直感的に判るように「鳥の横顔」をデザインに取り入れました。
このデザインの評価は一定の使用期間を経ての事と思いますので成功例ではありませんが、デザインに際しては子供たちの反応を1年近く見守り、上記の例のような事がないかとても慎重に検討しました。

プロダクトに「顔」を付加する事は、喩えれば良く切れる刃物なので、丁寧に扱いたいと思っています。