RP ラピッドプロトタイピング2024年09月13日 17:30

みなさまこんにちは^^

先日の「知の手触り」の続きです。
「手触り」には、文字通りの触覚だけを指す場合と、匂いや印影などを連想させる場合があります。韻というものかも、です。
この「連想」の力が凄くてですね、「絵」では想起することの出来なかった知見がどんどん出てくるんです。ですから、アイデアがよりよくなったり、ゴールがより鮮明になったり。デザインにおいては「触って感じることが出来るものにする」という行程を繰り返すことでどんどん良いものになって行きます。

この試作を素早く行って良くして行くところを「RP ラピッドプロトタイピング」として見聞きされた方は多いのではないでしょうか。素早い試作、率直で良いネーミングです。

ちなみに3Dプリンターの大きな価値の一つにこのRP、試作を繰り返しやすいところにあります。
「写メ」以来、写真を撮って見せあうことが爆発的に増えました。その結果、きれいな写真(映える写真、エモい写真)のあり方が共有され、写メ以前よりはるかに素敵な写真が溢れました。これは「撮って、見る」の回数が飛躍的に増加したからだそうです。
同じことが3Dプリンターで起きるか、、と期待したほど一般化はしませんでしたが、3Dプリントでオリジナルブランドを立ち上げた先行者は出てきています。

デザインの現場でのお話。
コンピューター化が進んでいまして、それはとても良いことなのですが、RPの手段がかえって面倒くさくなってるという話もごく一部にあるようです。新聞紙や段ボールでがしがし作って、、というのがスマートじゃないからでしょうかね。

私は段ボール工作とブリコラージュ*以上に速いRPをまだ見つけられていませんので、これからもがしがし作って参ります!

*)ありものを組み合わせて作ること

立体確認のサイクル2015年04月20日 11:10

一昨日、それまで作った形の細部がどうしても気になり、手を加えはじめたら結局作り直してしまいました。

CGの画面上で形は判別出来ても、それが実際の立体にした時に本当によいかどうかが感じとれないような、微妙なところに落ち込んでしまいまして、最終的には10点ほどをデータ化、昨日は朝から3Dプリンターが活躍しました。

夕方、恐らくこれだろうと思っていた形に目処が立ち、そこからさらに2点をデータ化してプリント、先ほどデータに書き出しました。

作ってる側の他者にはよくわからない拘り、といった部類のお話しになりそうなのですが、今私たちの手にしているプロダクトの精度が格段と上がっておりまして、なんとなくな形ではつまらない形になってしまうのですよね。

「ほんのり膨らんだ曲面で構成されたシンプルな立方体」等は、以前は三面図通り出来上がってくればそれでよしとされていたのですが、今は何十回立体化すればベストになるのか、ちょっと恐ろしく(実はとてつもなく楽しく)も感じます。

全てがバーチャルになるとまた違う状況が生まれる可能性もありますが、立体にして検証するサイクルをいかに素早く回すかがデザインの品質を担保する事は間違いないでしょう。

もっと力をつけたいですねぇ。様々な意味で。

本年もよろしくお願い申し上げます。2015年01月05日 15:16

3Dプリントしたエンボッサーを使って
新年明けましておめでとうございます!!
本年も倍旧のご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。

前回の記事に「再開します!」と威勢よく書きましたのに、次の記事が新年のご挨拶となってしまいました。。
その間にもブログで書きたいなぁ、と思う事は幾つかありまして、少しづつご披露させて頂ければと思っております。あらためまして、よろしくお願い申し上げます。

さて、、昨年は3Dプリンターが一気に認知された年でしたね。(この件でも色々とありましたが時既に遅し、こちらではざっくりとまとめて。)
新しい技術は「受け入れる方が何に興味を持っていらっしゃるか」で、随分とイメージに幅が出るものだと思います。繰り返し紹介されましたので、詳しくご存知の方も多いと思いますが、これからの「生産」の主役、少なくともその一部になるであろう技術に間違いありません。

実は弊社でも2010年ころから小ロット製品化などに取り組んできていまして、昨年は小型マシン(FDM方式)を導入、早速開発工程に組み込みました。
これまでもデザイナーの間では知られていたRP(ラピッドプロトタイピング)にはやはり最適です。
また、一般に喧伝されているような「手元でポン」と量産品レベルの製品を出力するのはまだまだ力不足ですが、いずれその様になる事でしょう。
もうひとつ、これも予想していた事ではありますが、ホビーや手作りの中間ツールとしても最適だと感じました。
中間ツールと言うのは、例えばクッキー型(例えばこちら: http://ow.ly/GKPJ0 )等の「型」「治具」「工具」のようなものです。

ふり返りますと、2Dのプリンターも性能が上がれば上がるほど出始めのワクワク感はなくなり、コストだけが問題になっていきました。同じ事が3Dプリンターにも起こると予想されるのですが、「中間ツール」に寄りそう世界ではワクワク感が長く続くかもしれませんね。。

中間ツールを手作りの範囲で賄えることが作り手を刺激して、直接最終製品を出力する世界とは違う、思いがけず拡がって行く世界は多い事でしょう。

・・ということで、今年の年賀状は「エンボス」を自作のエンボッサーで作って見ました。もう楽しくって楽しくって^^
(写真はエンボスを作っているところです。動画もあります:https://www.facebook.com/video.php?v=794044033994533

本年もご高導賜ります様よろしくお願い申し上げます。

                       河野 拝
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