「デザインがいらないと思うものほどデザインが必要」な本当のわけ ― 2024年12月06日 18:27
みなさまこんにちは^^
先日、「心が動くものか、どうしても必要なものは売れるけど、ただ良いというだけのものは売れない」という話題がありまして、そこでは「良いものだから売れるという判断は怖いよね」、というところに着地しました。
良いものだから売れるとは限らない
この話題、デザインの現場ではずっと議論されていますけれど、そもそもの「良いもの」の定義で結構変わりますので、ここでは「品質が高く機能性能に優れ、価格も合理的な製品」としておきましょう。
これをマーケティング的にみれば「市場のニーズ、ウォンツに合致しているか」とか「ターゲットユーザーにリーチしているか」とかが大事になってきます。その点で充分なら売れる、となりますが、実際は苦戦していることも多いです。
たとえば、専門機器などのニッチな分野では、市場のニーズをがっちりと掴むことが出来、ユーザーにもしっかりリーチすることが出来ます。それでも成績にブレが出る。何故でしょう。
これ、ある職人さんの声として伝え聞いた「これダサくて使いにくいんだよ。だから売れねーえんだよ。」が正鵠を射ていると思ったことがあります。
人の意思決定システムには二系等ある
人の脳には直感的に判断を下すXシステムと、良く考えて判断を下すCシステムがあることが知られています。このXシステムは感情的かつCシステムより速い判断で、人の意思決定の主役です。Cシステムは冷静になって理性的な思考から意思決定して行く補佐役です。一度XシステムでNoが出されてしまうと、Cシステムで覆すには相当な情報が必要になります。
「良いものなのに売れないもの」には、Cシステムでは合格を得られても、Xシステムで拒否される要素を持っている可能性があります。
まさにここがデザインのしどころに他なりません。
一般的にデザインはあまり必要がないと思われているものほど「デザインが効く」のです。「モノはいいのに売れないな・・」と思ったら思い出してくださいね。
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