視聴覚以外で出力 シーテック2010年10月08日 23:59

3D視聴とタブレットで賑わうシーテックに行って参りました。
早速ですが、話題商品の裏側で、気になったものをご紹介させて頂きます。いずれも「視聴覚以外の出力」を備えたものです。

村田製作所の「マイクロブロア」
マイクロプロア
左手前の小さなメカは空気で浮いています。その空気を吹き出しているデバイスが圧電素子。微電力で省音。この技術を応用した静穏設計のPCファンもありました。
この技術を応用すれば、触覚に訴求するインターフェイスも創れそうです。

iPhoneでコントロール
iPhone、iPadで操縦します。AR(拡張現実)を応用したホビーですね。
画面には本体のカメラからの映像がフィードバック。対戦ゲームもできます。
こうしたAR機器の広がりは様々なセンサーを飛躍的に向上させるでしょうね。楽しみです。

産総研サイバネティックヒューマン「HRP-4C」
産総研 HRP-4C
この分野は「ロボットらしい」外観のものと「人間そっくり」なものがあるように見受けられますが、これは「人間そっくり」を理想と見なす取組みの中で、特に顔の表情に注力しているようで、ステージタイムには唄を唄っていました。
「人間そっくり」には色々と揶揄される事が多いのですが、「不気味の谷」と命名された、このざわざわとした気分の奥底に、認知上の未知が沢山あるのではないか、、そんなことを思っています。

さて、評判の3Dは大盛況、タブレットデバイスは長蛇の列、この人気ぶりが市場の今後に反映されれば、、と願っています。

TDW 出展させて頂きます!2010年10月12日 23:59

思い掛けないご縁を頂き、東京デザイナーズウィーク2010に展示して頂けることになりました!

子どもやお年寄りが料理に参加出来るように、との思いからデザインした小さなキッチン用カッターです。最初の手作りの試作を子供たちに使わせたのがちょうど一年ほど前。
そこからいくつもの試作を多くの方にご協力を頂きながらここまで進みました。
皆さま、本当にありがとうございます!

詳しい事が決まりましたら、またお知らせさせて頂きます!

東京デザイナーズウィーク2010
http://www.tdwa.com/

書は、、2010年10月13日 07:33

最近「書」についてお話する機会が重なり、久しぶりに見たくなっています。

「書は音」
先日Yさんからある画廊の方の言葉として教えて頂きました。
「間」「緩急」「リズム」「旋律」等々、確かに共通するものを見いだす事が出来ます。
また、静かな書、にぎやかな書、というのもありますから、なるほど音楽的なものを感じる事が出来ますね。

「書は建築」
これはどなたの言葉だったでしょうか。
漢字の造形が奥行きを持ったもの、例えば「門」は右をやや大きく太く書きますが、これは門をやや斜めから見た立体感を強調する表現なのだそうです。
ひとつひとつの立体を構成して全体を作ることを建築と呼ばれると、それもああなるほどと思います。

造詣の浅い私ですが、抽象化された「空間」を、あの清々しい墨の匂いとあわせて楽しみたいと思います。

適応2010年10月14日 23:59

カマキリ
先日街の真ん中でアスファルトの上をゆっくり横切っていくカマキリに遭遇しました。
堂々としているようなユーモラスなような、ゆっくりと大仰な動きに、子供の頃の好きだった気持がよみがえりました。

鋭い釜の様な前脚、敏捷で太い筋肉の塊の胸、暗い場所でも隅々まで見渡せる眼、一瞬で獲物に到達する長い脚、、カマキリは全身が「狩り」に適応した、と子供の頃図鑑で知りました。
この特殊な形態に憧れたのです。

話が進化に移りますが、過度の適応は環境変化に弱いと言われていますね。それに対して「未熟である事」が、環境変化に強いという説もあるそうです。

デザインには、ある物をある状況に「適応」させることも含まれます。今後ますます状況変化に強いことも要求されて行くのは違いありません。
生物の適応戦略はとても興味深いテーマですね。

「明るい未来」 高橋正実さんを訪ねて2010年10月15日 23:59

今日は高橋正実さんのお話を伺いに、プロジェクトワン主催で行われるの勉強会へ行って参りました。

昨年お話を伺い感銘を受けたのが10月9日ですので、ちようど1年ぶりです。

未来を考えて今に繋げるとおっしゃる正実さん、そのスタンスも確信も揺るぎなく、沢山のエネルギーを放っておられます。
ご本人は5年後10年後とおっしゃいますが、恐らく100年後の未来までも見渡しいらっしゃるのでしょう。

その正実さんが見ている未来はとても明るいのです。具体的なことをおっしゃった訳ではありませんが、もっと豊かでもっと創造的だと確信しておられました。

「未来はこれこれこの様に暗澹たるものだ」と事実を積み重ねて提示されますと、なるほどそうかと危機感を感じてしまいます。
今、周囲を見渡せばここかしこに見られる状況かも知れません。
しかし、正実さんはその積み上げたものの上に、具体的な明るい未来像を重ねて、具体案として提示して実現化して行くのです。
このことが何より素晴らしい。

「色々な人の事を考えたらアイデアに困る事はないと思います」
淡々としたトーンで語られる言葉に、ひとつひとつ深い洞察と志、そして何より正実さん自身がそれにわくわくして心躍らせている姿を感じました。

「わくわくする未来」
恥ずかしいくらいピュアな理想を信じる、その心の力こそが秘訣なのかも知れません。
よし、私も明るい未来を信じる所から始めましょう!

過去記事:まっとうなことを正々堂々と
http://dmc.asablo.jp/blog/2009/10/13/
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