かわいさ 拙さの用2011年07月29日 23:59

桜木町の駅前広場はアーティストや大道芸人が路上でパフォーマンスをしているのをよく見かけます。
そのレベルは素人からプロまで様々ですが、アーティストには時々上手過ぎてスピーカーから流れるBGMの様に感じてしまう方が。「上手いだけではダメ」とは良く耳にしますが、耳触りでもなく魅了するまでもない範囲というのがあるのでしょうね。

一方で、下手が故に耳に入り、聴いているうちに「悪くないな」と思わせる方も。上手さとは別の何かを思わざるを得ませんですね。

話は飛びますが、小さい子供の至らなさは「可愛い」と感じますが、大人の至らなさはマイナスの感情を呼び起こします。同じ至らなさでも喚起される感情が全く異なると言うのは興味深いですね。

商品やサービスでも「至らなさ」「拙さ」が稚気(ちき)となり愛されているブランドがあります。私たちは拙さの向こう側にある何かを感じ取ろうとするものなのでしょう。
演出された稚気は見抜かれます。年だけを重ねたブランドの弱さは、大人の至らなさなのかもしれません。もしそうであるならば、拙いことを気にせずチャレンジすることこそ最も重要なのでしょう。価値のあるチャレンジならばそれは皆に愛され期待を寄せるものになるでしょう。
dmc.
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