母の味とロングセラーの価値 - 小さな物語と大きな物語の繋がり2024年02月07日 10:03

デザインで飛躍を企むみなさまこんにちは^^

既製品の「母の味」
ーーー幼い頃、母が作ってくれた唐揚げがとても美味しかった。あの味が忘れられず、「もう一度食べたい」と何度も思っていた。そしてやっと再開できた、あの「母の味」。しかしその味は特別な母の手作りではなく、市販の唐揚げ粉だった。ーーー
少し前、インターネットで見かけたお話です。
笑いを誘うネタとして語られていましたが、見方を変えて見ますと、たとえありふれた既製品であっても、ひとりの人間の深い感情的なつながりや記憶に関わることができるという話でもあります。
私は母を10年前に亡くしましたが、母が愛用していた「ねこんぶ出汁」を、いまでも使うたびに母のことを思い出します。母の記憶が「ねこんぶ出汁」に重ねられているからですね。既製品だからなしえる「母の味」という価値に、改めて気づかされました。

こうして考えると、大きな物語と小さな物語は、私たちの生活の中で密接に結びついています。市販の唐揚げ粉やねこんぶだしといったロングセラー商品は、単なる調味料や食材を超え、私たち一人一人の人生の中に深く入り込んでいるのです。これは、ロングセラーがどのようにして私たちの価値を生み出すかを示唆してくれています。

ロングセラーの価値
ものづくりにおいて、SDGs(持続可能な開発目標)が叫ばれていますが、ロングセラー商品は、単に経済的な成功を意味するだけでなく、個人の人生の中で重要な役割を果たし、深い感情的な価値を持つことができるのです。ユーザーにとってのかけがえのない価値を提供するという点で、非常に重要な視点です。私たちの生活に根付いた小さな物語を紡ぎ出し、世代を超えて大きな物語を形作るロングセラーを育ててまいりましょう。

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