ピュア シンプルのその先2024年07月24日 10:09

シンプルデザインを志向される皆さまこんにちは^^

体験価値、感性価値についてのお話を続けています。
「便利さ」以上の価値を求められる昨今、体験価値、感性価値が有用なのではないか、というお話です。

私は、この視点は「シンプルなデザイン」についても有効だと考えています。
以前、シンプルさにも攻めと守りがあって、それをつきつめていくと単なるシンプルを超えて「ピュア」とでも呼びたくなるものになる、と書きました。
このシンプルを突き詰める具体的な手がかりとして「体験価値・感性価値」はとても共感しやすい(したがって扱いやすい)視点です。

前回の鍋を引き続き例にとりますと、調理だけを突き詰めて行くのか、食卓で置かれることを含めて突き詰めて行くのかで、おなじシンプルな鍋でも大分変わってきます。*
どの価値にフォーカスしてプロダクトを研ぎ澄ますのか、ということですね。
「ピュアなデザインはシンプルを超えて浮かび上がらせる価値が明確である」ともいえそうです。

また、ある価値に対して意識的にフォーカスしますから、「意味のデザイン」にも通じやすいと予測します。(まだこのルートでの実体験がありませんので「予測」にしました。)

そう思うと「ピュア」には汎用性がありそうです。今後のデザインに期待しましょう。

※この例ではカスタマージャーニーマップを使っても同じような結果を得られると思います。念のため。

SDG'sは感性価値で斬るべし2024年07月26日 11:32

SDG'sデザインをお考えの皆さまこんにちは^^

ここのところ体験価値、感性価値についてお話を続けています。
そのなかで思いついた仮説がありまして、ここに留めおこうと思います。

それが、「SDG'sは感性価値で斬るべし」であります。

理屈ではない感覚的驚異としての環境意識
「SDG'sは欧州のしかけたゲーム」という見方があります。たぶん半分は間違ってはいないのでしょう。私自身のキャリアでは、「ペーパーレス化」「地球に優しい」「エコ」「サスティナブル」、、と様々な環境を意識した開発にかかわって参りましたが、その後ろ側の本音の所では(環境保護は建て前であり、その建て前をいかに通すかが企業の腕の見せ所)という匂いが消えたことはありませんでした。私は「SDG's」をその延長で捉えていました。
しかし、近しい若者(10才から20才前後の男女複数)に「SDG's」についてきいて見たところ、どうやら本気で大事に感じているようなのです。上のような「本音」の一部を披露しようとすると、ほとんどの若者が卑しいものを見る目を返してきました。学校で教わる(SDG'sの授業があるそうです)だけでなく、例外なく襲ってくる異常気象と、大人たちのこれまでの「暴挙」が、彼らの中ではばっちりとリンクしてるんですね。それも感覚的に。
食文化における「鍋のまま食卓に出すのには抵抗がある」のような感覚、「文化的な文脈における感性価値」がありますが、環境意識においても「SDG'sに反する製品には抵抗感がある」という感覚が醸成されているようです。
これは私にとっては大きな気付きでした。

余談ですが、大人が環境活動かのトゥーンベリさんを批判することについて、合理的ではあっても彼らの心情には寄り添えないんだな、とあらためて思ったりもしました。

SDG'sは感性価値で斬るべし
この理屈を超えてしまった「環境破壊に通ずるものは嫌だ」という感性価値で見直す行為は、合理的な環境性能とは全く別の荒田の視点を与えてくれるでしょう。

腹腔鏡手術うけてきました 幻想メモ2024年07月29日 11:42

みなさまこんにちは^^

私事でございますが、先日、左鼠蹊ヘルニアの腹腔鏡手術をうけて参りました。
退院したらバリバリ仕事するぞ!って張り切ってたんですが、全然動けなくなりまして一週間分のスケジュールを飛ばしてしまいました。急な日程変更を快く承諾して下さった皆さまには感謝しかありません。ありがとうございました。

いやほんと、予後が良いと評判の術式でこんなに痛みに嘖まれるとは知りませんでした。手術もその後の経過も順調なのですが、残った痛みが強く、脂汗が出て、吐き気を催し、幻想を見ました。陣痛の次に痛いという尿路結石のときとは全く異質の、めくるめく痛みの渦でした。(ちなみに痛みの強さは尿路結石の方が強いと思います。)

痛みによる幻想
その「幻想」というのがちょっと面白かった(?)のでご紹介します。

あばらより下の下半身全体がずきずきと痛み、その波が全身を覆いはじめ、痛みの海に浮かんでいくような沈んでいくような感覚に包まれ、はっとして目を開けると天井が見える。天井は紛れもなく病室のそれで、スプリンクラーやシミの位置も間違いない。
痛みに引き戻されて目を閉じると、まるでVRゴーグルで見渡したようなポリゴンで再構成された天井が見え、空間はねっとりとした質感のゆっくりと色相が変化する薄緑色のエーテルに満たされている。
視界の左側には、四角や三角のかけらの集合体で出来た巨大なエアコンの室内機が浮いていて、私の痛みのうずきにあわせて集合離散している。
痛みの震源地、私の腹部を見ると、同じようにかけらの集合体で出来た便座が刺さっていて、激しく波打っている。首を振って隣を見ようとすると、エーテル内のポリゴンが急いで追従し、空間を構成するのが分かる。
目を開けると実際の天井が見え、閉じるとVRの天井が見える。半目を開けるとそれらが重なって見えた。これはちょっと面白かった。痛みの中に愉快な気分が一瞬だけ現れたけれど、それは本当に一瞬で、便座の鼓動が激しくなり、かけらの統率は失われつつあるようだった・・・。

半覚醒の明晰夢のような幻想でした。
鎮痛剤を打たれていたのでそのせいかもですが、翌日の夜まではこの「目をつむるとVR空間が見える」感覚は残っていまして、別な時は空間自体がぐにゃぐにゃに波打ったり、回転する超絶細かいグラフィックパターンが見えたりしました。

「痛み」って青春とか人生とか、文学のテーマでもずっとありますよね。知らないだけかもですけれど、デザインで見たことなかったも。ちょっと新感覚の体験でございました。

「痛み」の感性価値2024年07月31日 10:11

みなさまこんにちは^^

体験価値、感性価値についてお話している頃に「手術体験」がありまして、デザインにおける「痛み」の感性価値について、私は勉強が足らないなと思ったのでした。

デザインにおける「痛み」の感性価値についてChatGPT4oにたずねて見ますと、、

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Q:デザインの感性価値における痛みについて もしくは 痛みの感性価値がデザインにどのように影響するかについて考察してまとめてください

A:デザインの感性価値における痛みについての考察

デザインにおける感性価値とは、製品やサービスがユーザーに提供する感情的な価値や経験のことを指します。この感性価値は、ユーザーが製品を使用する際の喜びや快適さだけでなく、時には「痛み」として経験される要素も含まれます。ここでは、痛みの感性価値がデザインにどのように影響するかについて考察します。

1. 痛みの種類とその影響

痛みには身体的痛みと精神的痛みの二種類があります。デザインにおいては、これらの痛みがユーザーエクスペリエンスにどのように影響するかを考えることが重要です。

 ・身体的痛み:不適切なエルゴノミクスや長時間使用による身体的負担が原因となります。例えば、不快な座り心地の椅子や、使いにくいキーボードなどが挙げられます。
 ・精神的痛み:複雑なインターフェースや使い勝手の悪い製品に対するフラストレーションやストレスがこれに該当します。例えば、操作が難しいソフトウェアや直感的でないウェブサイトのナビゲーションなどです。

2. 痛みをデザインに組み込む意義

すべての痛みが否定的なものではありません。適切に設計された痛みは、ユーザーの学習プロセスや経験を深める手助けになることがあります。

 ・学習の促進:ユーザーが製品やサービスを使用する過程で、軽度の挑戦や困難を経験することで、より深い理解とスキルの習得が促されることがあります。例えば、難解なパズルゲームやプログラミングツールは、ユーザーが問題を解決する過程で成長を感じることができます。
 ・エンゲージメントの向上:適度な困難さはユーザーの興味を引き、エンゲージメントを高めることができます。これは、ゲームデザインや教育ツールにおいて特に重要です。

3. 痛みの管理と最小化

デザインにおいては、不必要な痛みを最小化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることが求められます。

 ・エルゴノミクスの改善:身体的な痛みを防ぐためには、ユーザーインターフェースやプロダクトデザインのエルゴノミクスを考慮することが重要です。例えば、使いやすいマウスや快適な座り心地の椅子のデザインです。
 ・ユーザビリティの向上:精神的な痛みを減少させるためには、直感的で使いやすいインターフェースの設計が必要です。これには、シンプルで分かりやすいナビゲーションや、ユーザーが簡単に目的を達成できるデザインが含まれます。

4. ユーザーのフィードバックの重要性

ユーザーからのフィードバックは、痛みの感性価値を理解し、改善するための重要な手段です。ユーザビリティテストやアンケート調査を通じて、ユーザーがどのような痛みを感じているかを把握し、それに基づいてデザインを改善することが求められます。

結論

痛みの感性価値はデザインにおいて重要な要素であり、適切に管理されることでユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。デザイナーは、痛みの種類やその影響を理解し、必要な場合はそれを学習やエンゲージメントの手段として利用しつつ、不要な痛みを最小化する努力をすることが求められます。ユーザーからのフィードバックを重視し、継続的にデザインを改善する姿勢が、優れた感性価値を提供するために不可欠です。

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そうそう、肉体的な側面と身体的な側面という2方向からの視点、適切な課題設定として取り込む視点、UI・UXを向上させる指標としての視点、、いずれも大切ですよね。模範解答然としています(笑
しかし上記の場合は「痛み」を「ストレス」と言い換えるともっと分かりやすいかもしれません。コントロールされた”許容範囲内の痛み”は適切に扱うとよりよいデザインが出来ます、という話です。

私が「勉強不足だな」と思ったのは、もっと心身ともに「圧倒的支配的な痛み」におかれた人の感性と振る舞いについてでした。そんな時のUI・UXは、、と思ったのです。

まず、心身が極限の状態(ヤバい時)では意思決定なんてしない方が良いです。コミュニケーションも困難です。そんな状態でも何かをしなければならない、、そういう場面を想定する必要のある機器は、医療関係、交通関係、インフラ関係、、ちょっと考えただけでも少なくなさそうです。

先日の入院時には「ナースコール」に何度もお世話になりました。シンプルなシステムですが、「患者自身が押すボタンと握るレバー」と「第三者が押すボタン」があり、点灯の色や照度、コール音などに、何度も工夫を重ねてたどり着いた感じがありました。
一方で、モニターをつけたり点滴を受けたりしている時の動作に関しての配慮はあまり感じられませんでした。
この温度差は、医療側からみた緊急度が関係していそうです。それでも私の入院した美容院は「病院体験をよくしたい」と考える病院のようでしたから、患者側から見た体験価値をあげるデザインは今後もとめられていく可能性を感じました。
この「病院体験を良くするデザイン」で一役買いたい、と思っています。関係者の皆さま、ぜひお声掛けください^^
dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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