「デザインの言葉」 ― 2024年04月17日 10:28
デザインとは何か、答えを探されてる皆さまこんにちは^^
このブログのタイトル「デザインの言葉」は、「デザイン」というもやっとしたものをしっかりと捕まえたくて付けたタイトルです。最近良く耳にする「言語化」というコンセプトですね。
「言語化」が浸透するはるか以前に付けたので、「先見の明があったな」と自画自賛したいところですが、実は大学の最初の授業で、教授の発した以下の問いが原点です。
「デザインとは何でしょうか」
当時の教授の説明は(恐らくは意図的に)明快ではなく、諸君もこの答えを探してみよ、というものでした。この問いは、入学したてのふわふわした私たちの脳内をさーっと抜けて行くはずの、儀礼的なオリエンテーションの一部でした。ですので一度は忘れたのですが、時間が経つにつれて印象深い光景として記憶されるようになりました。(「記憶」の仕組みを考えますと、事実からは相当変容していると思います。)
以後、著名なデザイナーの「デザインとは○○○」というエピソードを聴くたびに記憶していきました。ピント来るものもさっぱり分からないものもありましたけれど、それ自体愉快なことでした。
そして。
私自身の答えを持つようになりました。
一言で言うと
「デザインは贈り物」
行為をかみ砕いて言うと
「自分以外の誰かのために創意工夫する事」
時々振り返って吟味しますが、今のところこれ以上の表現は見つかっていません。
ですが、もうちょっと平易でかつ芯を捉えた言葉があったら、、と思っています。
それから、「ビジネスとしてのデザイン」という見方だと、上の表現はもの足りないところがあります。企業にとっての価値とか、問題解決の力強さとか、そういうところですね。これも宿題です。
そこで、先人の言葉をあらためてなぞって見よう、と思っています。
詩・デザイン ― 2024年04月17日 12:39
デザインがお好きな皆さまこんにちは^^
前回は「デザインとは何か」という問いについて、そのきっかけや現在の答についてお話しました。もう一度先人たちの言葉をなぞろう、と申しました通り、いくつか記憶に残っているものをあげて行こうと思います。
「デザインとは詩である」マリオ・ベリーニ(伝)wiki
(伝)と付けましたのは、原典が分からないためです。修業時代の最初の上司が教えてくれました。ところが私は全くといっていいほど詩を解せなかったため、(かっこいい言い回しだな、、)以上の感想は持てませんでした。ただ確かに、ベリーニ氏によってデザインされた家具や装置を並べた空間にいる中で、「デザインは詩だ」といわれたら、なんとなく(そうかも)と思える気もしました。造形の魅力のなせる技でしょう。
のちに実際にさわる機会があり、ちょっと印象が変わりました。この椅子はこうあるべき、この装置はこう使うべき、という明快で美しいビジョンがあるのです。これは本当に凄い事です。天才の仕事だな、と感服します。デザイナーが「作品」で表す世界、それが「詩」なのだ、と腑に落ちたのです。
しかし、この「美しい所作への意識」が、私には重く感じられました。否定的に言うと、親切ではないんです。(当時の90年代の時代感もあってそう感じたかもしれません。)
私という人間は「美しいけれど親切ではないものは嫌だ」と思うのだ、と気付く貴重な体験でした。そうして私は、「美しいことが親切であることを犠牲にしない」という指針を得たのでありました。
ちなみに、前後して「CI」等の「ブランドの世界観」を表すことがデザインの仕事としても目立ってきます。デザイナーが世界観を作ろうと思う時、「デザインは詩である」という視点はとても使いやすいメタファーだったでしょう。流石です。
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