概念の共有 ― 2025年02月10日 10:22
みなさまこんにちは^^
デザインの始まりというお話をしていまして、その初期から「アイデアは組み合わせ」という行いが見られました。個別の発見や経験をくみあわせて、新しいものを作って行く行為で、とても知的な営みです。
ここで一旦、人間の頭の良さについて。
どこかで、動物に出来ないと思われていたものが実は出来る事が分かってきた、というお話しを見聞きされたことがあると思います。「道具を使う」「言葉を持つ」「共同作業をする」「遊ぶ」などは、身近な動物でもイメージ出来ることありますよね。
良く知られた例として、カラスは人間の幼児よりも問題解決能力が高いといわれます。
固いクルミを地面に置き、車に轢かせて食べるとか、複雑な解錠手順を視覚から学習して再現するとか、です。鳥類一般に、愛情は深く知能も高い傾向があり、文法を持つ言語コミュニケーションも観察されています。
群れで狩りをする動物は多いですし、野生動物の遊びも観察されています。
人の知性を決定的に特徴づけているのは「概念の共有」です。
カラスと幼児の比較では、単独作業ではカラスの方が圧倒的に得意でも、共同作業が必要な課題は人間の幼児の方が圧倒的に得意です。
たとえば、「ひとりでは動かせない大きな箱の向こうにおもちゃがある」という状況では、人間の幼児なら目配せ一つで二人がかりの作業に取りかかれます。これが訓練なしに出来るのは今のところ人間だけだそう。
これは「箱を動かしておもちゃで遊ぶ」という目的を共有したからなのですが、その共有だけで、「箱の両端に別れる」「それぞれが箱を持つ」「同時に動かす」という複雑な行程を組んでしまうのは凄いことです。
写真の右側はおままごとをしている子供たち、ぬいぐるみを赤ちゃんと見立てて遊んでいるところです。女の子が「このこはあかちゃんね」と一言言うだけで「ぬいぐみみ=あかちゃん」として自分の振る舞いを変えて行くのですから凄いですね。
これは、先程の「目的の共有」より抽象度の高い「概念の共有」です。概念を共有することのとてつもない力は、デザインにおいて日々感じています。この能力が私たちを「意味世界」の人たらしめているみとをしみじみと感じます。
当然、創造においてもその力強さを発揮するのですが、それはまた。
(つづく
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://dmc.asablo.jp/blog/2025/02/10/9752095/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。