映画「草原の椅子」2013年03月19日 23:16

映画「草原の椅子」
普通の人の普通だけど奇跡のような、清らかな物語りです。
事件らしい事(殺人とか逃亡とか)はほとんど何も起きないのですが、長めのカット割りと抑えた芝居で、登場人物のそばに寄り添っていられるので、心の動きがしっかりと伝わって来ました。

最後の桃源郷と呼ばれるフンザでの初の本格的なロケもあくまで舞台としての撮り方で、声高な「メッセージ」はなく(いや、正確には強烈にあるのですが表現はかなり控え目です)、予感と余韻だけを残して静かに終わるという映画でした。

いかにも、作るのも売るのも大変そうですが、だからこそ関わった方たちは、きっととても誇らしかったことだろうと拝察します。

その中で一際印象に残ったのが小池栄子さん。主人公たちを際立たせる「普通に見かける人々の気持ち悪さ」を見事に演じておられて、特に目の気持ち悪さが素晴らしかったです。

また、キーパーソンであるはずの子供の存在感が、本編を通して一貫して薄く感じられ、少し物足りないかとも思いました。しかし、エンドロールの最後の最後、一枚の写真が映し出され、この子はこれから生き続けるんだ、という「韻」を残して行きました。凄い演出だなぁ。

もうすぐ終演だそうですが、是非。お勧めです!

映画「草原の椅子」公式サイト
http://www.sougennoisu.jp/

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