細部に宿る ― 2010年01月06日 12:32
正月のお休みに、家族で東京ディズニーランドに出かけました。
子供たちの入念な計画に従って開園前から並び、開門と同時にダッシュして人気アトラクションへ。ファストパスという整理券を活用しながら閉園までフルに駆け回りました。乗ったアトラクションはのべ20個所。こちらでは相当空いている日だったそうですが、それでもこの数はなかなかのモノだと思っております。
さて、ここを訪れるといろいろと感じることがあります。たぶん多くの皆様が既にお感じになられたものと同様だと思いますので詳しくは割愛いたしますが、「徹底して細部にこだわることの凄さ」にいつも心動かされます。
こちらはポップコーンスタンドの飾り柱。
造形もそうですが、メンテナンスの行き届いているのが艶に現れていますね。
こちらは城郭内のモザイク。
写真では判りにくいですが、モザイクの一粒一粒が綺麗でした。
God is in the details
「微に入り細を穿つ」という言葉もありますが、手を尽くしぬかないと開けない世界があるのかもしれません。
ちなみに、今ネットで語源を調べようとしましたら、諸説ある様ですね。
「細部にわたって手を尽くされたものは美しい」というイメージも「神は日常のささいなことにある」という捉え方も、どちらもなるほどと思っています。
「株式会社田中製作所」 ― 2009年12月09日 11:43
同じ横浜市ということでご縁のありました「株式会社田中製作所」さんに伺い、今デザインしているものの開発にご尽力下さるとおっしゃって頂きました。心強いです。皆さんにお見せできることを楽しみにして頑張って参ります。
打合せの後、田中社長直々にご案内頂き工場見学をさせて頂きました。
沢山の最新鋭の機械が所狭しと並んでおります。

こちらのNC加工機は小さい方で、これより大きな機械も見せて頂きました。
上のドラム状の部分に替刃が沢山並んでおりますね。どういうわけでしょう、「削りたいっ!」と思わせる形と動きをしております。
こちらは三次元測定器の先端です。

ルビーの球体が物体をなぞって行く所を見たいと思って眺めていました。
もっとお見せしたい機械が沢山あるのですがノウハウが沢山写ってしまうので、撮影ほどほどで自粛です。
こちらは手動の旋盤。

古いけど大切なものだ、とおっしゃっていました。手入れが行き届いた現役の機械は古くても背筋の通った印象です。
最後は「刃(バイト)」です。
切削する部品の形にあわせて、その加工専用につくられるのだそうです。この形にも沢山の知恵が詰まっているのですね!
田中社長、久美子さん、お忙しい所本当にありがとうございました。
草のような屋根 ― 2009年11月18日 22:29
水のかたち ― 2009年02月10日 11:55
穴の空いた画面 ― 2009年01月21日 11:55
昨日、あるメーカーのLCD(液晶画面)サンプルを見せて頂きました。そのLCDは中央に穴が開いています。この穴からメーターの針を出し表示内容を液晶で切り替えることを想定したものとのこと。楕円や自由曲面など、色々な形状に出来るそうです。四角いものしか存在しなかったLCD、新しい技術は楽しい予感を感じさせますね。
とはいえ、商品として必然性もあって魅力的なものへの応用となると、コストの面もあわせてまだまだ課題が多いようです。
また、UIの視点で見て行くと気付かない可能性もまだまだあるかもしれません。近い将来、身近なものに応用して見たいと思います。
とはいえ、商品として必然性もあって魅力的なものへの応用となると、コストの面もあわせてまだまだ課題が多いようです。
また、UIの視点で見て行くと気付かない可能性もまだまだあるかもしれません。近い将来、身近なものに応用して見たいと思います。
鏡の三角錐 ― 2009年01月15日 11:15
景色 ― 2009年01月13日 02:03
最近の工場人気で、湾岸の石油プラントを船で見学するツアーまであるそうです。工場や団地が観賞の対象になる背景には、日本的な「日常の非作品への愛着」があるという説も。
説の真偽はさておきまして、「工場が美しい」という感覚を私も持っています。個人的なお話で恐縮ですが、学生の頃、石油プラントの夜景をおさめた写真がある新聞社のコンテストに入賞しました。鉄工、材木加工、印刷などの町工場が並ぶ町で育ったからだと思いますが、懐かしさとは別の感覚で美しさを感じます。
話は変わりますが、プロダクトの造形モチーフは、自然なものだけでなく人工的な建造物を感じさせるものも多いですね。特に近年は増加している印象です。例えばスポーツカーは、草原を走る伸びやかな筋肉よりも宇宙を飛び交うロケットのパワフルなエンジンや構造物を感じさせるものも多いです。
これは一つの大きな流れと考えられます。その理由もいくつか心当たりがあります。ブランドイメージとなる造形を繰り返すことで、抽象性を獲得しようとすればそれは一つの必然でもあります。何より技術革新が造形の変化を導いています。
写真はどちらかお判りになりますか?
正解は鳥海山の北麓に広がる秋田県の仁賀保高原です。草原と風力発電の組み合せは、もう私たちにはすっかり馴染んだ優しい景色となっていますね。
説の真偽はさておきまして、「工場が美しい」という感覚を私も持っています。個人的なお話で恐縮ですが、学生の頃、石油プラントの夜景をおさめた写真がある新聞社のコンテストに入賞しました。鉄工、材木加工、印刷などの町工場が並ぶ町で育ったからだと思いますが、懐かしさとは別の感覚で美しさを感じます。
話は変わりますが、プロダクトの造形モチーフは、自然なものだけでなく人工的な建造物を感じさせるものも多いですね。特に近年は増加している印象です。例えばスポーツカーは、草原を走る伸びやかな筋肉よりも宇宙を飛び交うロケットのパワフルなエンジンや構造物を感じさせるものも多いです。
これは一つの大きな流れと考えられます。その理由もいくつか心当たりがあります。ブランドイメージとなる造形を繰り返すことで、抽象性を獲得しようとすればそれは一つの必然でもあります。何より技術革新が造形の変化を導いています。
写真はどちらかお判りになりますか?
正解は鳥海山の北麓に広がる秋田県の仁賀保高原です。草原と風力発電の組み合せは、もう私たちにはすっかり馴染んだ優しい景色となっていますね。
バイオミミクリー ― 2009年01月08日 10:33
造形だけでなく、そのシステムやプロセスを自然や生体をモデルにして、人間の社会の諸問題を解決して行こうという学問をバイオミミクリーと言うと、昨年ある方にご教示頂きました。
ハコフグの形をヒントに空気抵抗の少ないトラックをデザインしたり、鮑の貝殻の構造をまねて超強靭の素材を開発したり、蟻塚の構造のビルを建てたり、自然の植生を倣って持続性の高い農業を構築したりと、成果が沢山あります。
自然をお手本に、というのは科学の原点のように思いますが、バイオミミクリーは一部をまねるのではなくシステム全体として捉え、環境問題の様なグローバルな課題の解決手段として捉えるのが新しいようです。
写真は、トンネル突入時の衝撃を和らげるため「水面に飛び込むカワセミ("カモノハシ"を修正/追記参照)を参考にした」と伝えられる700系新幹線の新型です。
デザインのもう一つの大切な側面、自己の表現とコミュニケーションについても、自然にヒントがあるという考え方も面白いかもしれませんね。
参考 自然と生体に学ぶバイオミミクリー
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/31660399
追記:著者Janine Benyus女史のサイトで確認しましたら「カモノハシ」ではなく「カワセミ」でした。お詫びして訂正いたします。
ハコフグの形をヒントに空気抵抗の少ないトラックをデザインしたり、鮑の貝殻の構造をまねて超強靭の素材を開発したり、蟻塚の構造のビルを建てたり、自然の植生を倣って持続性の高い農業を構築したりと、成果が沢山あります。
自然をお手本に、というのは科学の原点のように思いますが、バイオミミクリーは一部をまねるのではなくシステム全体として捉え、環境問題の様なグローバルな課題の解決手段として捉えるのが新しいようです。
写真は、トンネル突入時の衝撃を和らげるため「水面に飛び込むカワセミ("カモノハシ"を修正/追記参照)を参考にした」と伝えられる700系新幹線の新型です。
デザインのもう一つの大切な側面、自己の表現とコミュニケーションについても、自然にヒントがあるという考え方も面白いかもしれませんね。
参考 自然と生体に学ぶバイオミミクリー
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/31660399
追記:著者Janine Benyus女史のサイトで確認しましたら「カモノハシ」ではなく「カワセミ」でした。お詫びして訂正いたします。
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